日本トリム Research Memo(2):家庭用医療機器メーカーからメディカルカンパニーへの移行
[18/01/10]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
日本トリム<6788>は、電解水素水整水器販売を主軸とした事業を展開しており、整水器市場において2015年度の調査で64.5%のシェアを獲得している。世界に先駆けて水が持つ機能に着目し、国内外の大学や研究機関との産学共同研究により電解水素水の新たな可能性(機能)を追求している。整水器による飲用電解水素水の提供は、家庭用から飲食店などの業務用、さらに健康経営に取り組む企業へと広げている。血液透析へ応用した『電解水透析』や、農作物の灌水・散布に利用した『還元野菜』の栽培など、医療や農業分野への様々な応用を実現している。
医療関連事業としては、連結子会社群が再生医療などの先進医療関連事業を展開している。
2017年3月期の売上高(15,251百万円)の事業別内訳は、ウォーターヘルスケア事業が94.5%(うち電解水素水整水器が59.8%、カートリッジが25.5%、海外子会社が5.1%、その他が4.1%)、医療関連事業が5.5%であった。セグメント利益は、ウォーターヘルスケア事業が2,898百万円(売上高営業利益率が20.1%)、医療関連事業が30百万円(同3.7%)であった。
2. 沿革
同社は、1982年に整水器の販売を目的として設立された。翌年に、厚生省から製造承認を取得すると同時に、研究所を開設した。2004年には、九州大学との産学共同ベンチャー「(株)機能水細胞分析センター」を設立した。整水器の事業は、グループで開発、製造、販売、信販、アフターサービスの一気通貫した事業を展開している。また、子会社(株)トリムメディカルホールディングスを通じて再生医療分野に進出し、さい帯血保管事業、国産細胞医薬品開発、医療関連装置の開発・販売を行っている。
同社の製造販売する電解水素水整水器は、家庭用管理医療機器である。1965年に、厚生省より医療用電解水製造装置が生成するアルカリイオン水(電解水素水)を飲用することで慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に有効であることが認められた。1999年の日本医学学会総会で、アルカリイオン水は厳密な比較臨床試験により安全性、有効性の再確認がされた。2005年の薬事法改正後は、整水器は家庭用管理医療機器として認証を得ている。
2000年にJASDAQ市場で株式を公開し、2003年に東証2部、翌年に東証1部への上場を果たした。
3. グループ会社
同社は、電解水素水整水器の製造子会社や取付・アフターサービスなど顧客管理をする子会社(株)トリムライフサポートを持つ。先端的研究開発では、飲用及び医療分野で大学との産学共同ベンチャーを設立している。また、農業など新規市場への参入に当たっては、業界の知見を持つ企業とのコラボレーションも進めている。
海外市場では、中国、台湾、韓国に整水器の販売子会社を設立している。また、インドネシアでは、ボトルウォーターの製造販売を手掛ける合弁会社PT.Super Wahana Tehnoが、売上高を順調に伸ばしている。
2004年に、九州大学と機能水の測定と科学分析を目的に機能水細胞分析センターを開設した。医療関連事業では、2007年に東北大学と糖分解代謝物の受託測定及び電解水透析機を販売する(株)トリム メディカル インスティテュートを産学共同ベンチャーとして立ち上げた。
先端医療分野では、戦略的持株会社である連結子会社のトリムメディカル ホールディングスの下に、国内シェアNo.1の民間さい帯血バンク(株)ステムセル研究所を擁する。2017年に入って、ヒト組織由来細胞の製品開発を行う新会社ヒューマンライフコード(株)を立ち上げ、また再生医療などに関連する医薬研究用機器及び医療関連機器の企画・開発・製造・販売を行うストレックス(株)と資本・業務提携した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<MH>
1. 会社概要
日本トリム<6788>は、電解水素水整水器販売を主軸とした事業を展開しており、整水器市場において2015年度の調査で64.5%のシェアを獲得している。世界に先駆けて水が持つ機能に着目し、国内外の大学や研究機関との産学共同研究により電解水素水の新たな可能性(機能)を追求している。整水器による飲用電解水素水の提供は、家庭用から飲食店などの業務用、さらに健康経営に取り組む企業へと広げている。血液透析へ応用した『電解水透析』や、農作物の灌水・散布に利用した『還元野菜』の栽培など、医療や農業分野への様々な応用を実現している。
医療関連事業としては、連結子会社群が再生医療などの先進医療関連事業を展開している。
2017年3月期の売上高(15,251百万円)の事業別内訳は、ウォーターヘルスケア事業が94.5%(うち電解水素水整水器が59.8%、カートリッジが25.5%、海外子会社が5.1%、その他が4.1%)、医療関連事業が5.5%であった。セグメント利益は、ウォーターヘルスケア事業が2,898百万円(売上高営業利益率が20.1%)、医療関連事業が30百万円(同3.7%)であった。
2. 沿革
同社は、1982年に整水器の販売を目的として設立された。翌年に、厚生省から製造承認を取得すると同時に、研究所を開設した。2004年には、九州大学との産学共同ベンチャー「(株)機能水細胞分析センター」を設立した。整水器の事業は、グループで開発、製造、販売、信販、アフターサービスの一気通貫した事業を展開している。また、子会社(株)トリムメディカルホールディングスを通じて再生医療分野に進出し、さい帯血保管事業、国産細胞医薬品開発、医療関連装置の開発・販売を行っている。
同社の製造販売する電解水素水整水器は、家庭用管理医療機器である。1965年に、厚生省より医療用電解水製造装置が生成するアルカリイオン水(電解水素水)を飲用することで慢性下痢、消化不良、胃腸内異常発酵、制酸、胃酸過多に有効であることが認められた。1999年の日本医学学会総会で、アルカリイオン水は厳密な比較臨床試験により安全性、有効性の再確認がされた。2005年の薬事法改正後は、整水器は家庭用管理医療機器として認証を得ている。
2000年にJASDAQ市場で株式を公開し、2003年に東証2部、翌年に東証1部への上場を果たした。
3. グループ会社
同社は、電解水素水整水器の製造子会社や取付・アフターサービスなど顧客管理をする子会社(株)トリムライフサポートを持つ。先端的研究開発では、飲用及び医療分野で大学との産学共同ベンチャーを設立している。また、農業など新規市場への参入に当たっては、業界の知見を持つ企業とのコラボレーションも進めている。
海外市場では、中国、台湾、韓国に整水器の販売子会社を設立している。また、インドネシアでは、ボトルウォーターの製造販売を手掛ける合弁会社PT.Super Wahana Tehnoが、売上高を順調に伸ばしている。
2004年に、九州大学と機能水の測定と科学分析を目的に機能水細胞分析センターを開設した。医療関連事業では、2007年に東北大学と糖分解代謝物の受託測定及び電解水透析機を販売する(株)トリム メディカル インスティテュートを産学共同ベンチャーとして立ち上げた。
先端医療分野では、戦略的持株会社である連結子会社のトリムメディカル ホールディングスの下に、国内シェアNo.1の民間さい帯血バンク(株)ステムセル研究所を擁する。2017年に入って、ヒト組織由来細胞の製品開発を行う新会社ヒューマンライフコード(株)を立ち上げ、また再生医療などに関連する医薬研究用機器及び医療関連機器の企画・開発・製造・販売を行うストレックス(株)と資本・業務提携した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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