シャノン Research Memo(1):マーケティングオートメーションツールで国内トップシェア
[18/01/26]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
シャノン<3976>は2000年創業のITベンチャー。インターネットを活用したイベント・セミナーの申込受付管理システムを国内で初めて開発し、その後、企業のマーケティング業務の自動化・効率化を実現するマーケティングオートメーション分野へと展開。統合型マーケティング支援サービス(SaaS型)では2010年度以降、7年連続でトップシェアを獲得している。2017年1月に東証マザーズ市場に上場。
1. 2017年10月期は人材投資が先行し損失を計上
2017年10月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%増の1,586百万円、営業損失で48百万円(前期は46百万円の利益)となり、会社計画(売上高1,660百万円、営業利益25百万円)を下回る格好となった。社内における人材採用・教育や販売パートナーの稼働遅れ、受注案件の期ずれ等の影響でマーケティングオートメーションサービス(以下、MAサービス)の顧客獲得件数が計画を下回ったことが主因だ。2017年10月期末の契約アカウント数は、前期末比36件増の337件と伸びたものの、会社計画を22件下回った。費用面では人材投資を積極化したことで人件費が前期比60百万円増加したほか、広告宣伝費が21百万円増加したことが減益要因となった。また、特別損失としてソフトウェア資産を中心に240百万円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は326百万円(前期は36百万円の利益)となった。
2. 2018年10月期は増収増益を見込む
2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の1,934百万円、営業利益で9百万円と増収増益を見込む。積極的な人材採用により人件費が前期比180百万円増加するものの、MAサービスの増収効果や減価償却費用の減少で吸収する。MAサービスについては前期に採用した社員が戦力化してきており、契約獲得件数の増加ペースも前第4四半期から加速化して、今期はこの勢いが続くと見ている。第2四半期まではまだ人件費増の影響が残り、前年同期比で営業損失が拡大すると見られるが、サブスクリプション売上(月額課金収入)の積み上げにより通期では黒字転換する見通しだ。
3. サブスクリプション売上の積み上げにより営業利益率10%の達成を目指す
MAサービスは企業のデジタルマーケティング戦略の強化を背景にここ数年で立ち上がった市場だが、まだ企業の導入率は低く、今後も導入率の上昇によって市場は年率2ケタ成長が続くものと予想される。同社は大企業や中堅企業を対象に高機能で操作性の良いMAツールの開発を続け、また、営業面ではパートナー戦略を推進していくことで効率的に顧客の開拓を進めながら、サブスクリプション売上高を収益の柱として利益率の向上と収益成長を目指していく戦略だ。当面の売上高営業利益率は10%を目標としている。国内MAサービス市場はセールスフォース・ドットコムやマルケト等の外資系企業との競争が激しいものの、機能面での優位性を高め、パートナー連携を拡充していくことで年率2ケタ成長は可能と見られる。
■Key Points
・マーケティングオートメーションツールで7年連続トップシェア
・2018年10月期も前半は営業損失が続くが、サブスクリプション売上の伸長により、通期では黒字転換を見込む
・MAツールの機能拡充とパートナー戦略の推進により、高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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シャノン<3976>は2000年創業のITベンチャー。インターネットを活用したイベント・セミナーの申込受付管理システムを国内で初めて開発し、その後、企業のマーケティング業務の自動化・効率化を実現するマーケティングオートメーション分野へと展開。統合型マーケティング支援サービス(SaaS型)では2010年度以降、7年連続でトップシェアを獲得している。2017年1月に東証マザーズ市場に上場。
1. 2017年10月期は人材投資が先行し損失を計上
2017年10月期の連結業績は、売上高で前期比3.4%増の1,586百万円、営業損失で48百万円(前期は46百万円の利益)となり、会社計画(売上高1,660百万円、営業利益25百万円)を下回る格好となった。社内における人材採用・教育や販売パートナーの稼働遅れ、受注案件の期ずれ等の影響でマーケティングオートメーションサービス(以下、MAサービス)の顧客獲得件数が計画を下回ったことが主因だ。2017年10月期末の契約アカウント数は、前期末比36件増の337件と伸びたものの、会社計画を22件下回った。費用面では人材投資を積極化したことで人件費が前期比60百万円増加したほか、広告宣伝費が21百万円増加したことが減益要因となった。また、特別損失としてソフトウェア資産を中心に240百万円の減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純損失は326百万円(前期は36百万円の利益)となった。
2. 2018年10月期は増収増益を見込む
2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の1,934百万円、営業利益で9百万円と増収増益を見込む。積極的な人材採用により人件費が前期比180百万円増加するものの、MAサービスの増収効果や減価償却費用の減少で吸収する。MAサービスについては前期に採用した社員が戦力化してきており、契約獲得件数の増加ペースも前第4四半期から加速化して、今期はこの勢いが続くと見ている。第2四半期まではまだ人件費増の影響が残り、前年同期比で営業損失が拡大すると見られるが、サブスクリプション売上(月額課金収入)の積み上げにより通期では黒字転換する見通しだ。
3. サブスクリプション売上の積み上げにより営業利益率10%の達成を目指す
MAサービスは企業のデジタルマーケティング戦略の強化を背景にここ数年で立ち上がった市場だが、まだ企業の導入率は低く、今後も導入率の上昇によって市場は年率2ケタ成長が続くものと予想される。同社は大企業や中堅企業を対象に高機能で操作性の良いMAツールの開発を続け、また、営業面ではパートナー戦略を推進していくことで効率的に顧客の開拓を進めながら、サブスクリプション売上高を収益の柱として利益率の向上と収益成長を目指していく戦略だ。当面の売上高営業利益率は10%を目標としている。国内MAサービス市場はセールスフォース・ドットコム
■Key Points
・マーケティングオートメーションツールで7年連続トップシェア
・2018年10月期も前半は営業損失が続くが、サブスクリプション売上の伸長により、通期では黒字転換を見込む
・MAツールの機能拡充とパートナー戦略の推進により、高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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