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シャノン Research Memo(8):サブスクリプション売上の積み上げにより、中期的に営業利益率で10%を目指す

注目トピックス 日本株
■中長期の成長見通し

1. 統合型マーケティング支援サービス市場の見通し
調査会社の(株)アイ・ティ・アールの資料によると、統合型マーケティング支援サービス市場の2016年度の国内市場規模は、前年度比59.7%増の107億円となり、このうちシャノン<3976>が属するクラウドサービス(SaaS型)の市場は同75%増の77億円となったもようだ。2014年以降、セールスフォース・ドットコムやマルケトといった外資系企業が日本で営業活動を開始したことにより、MAツールの認知度が向上したこと、並びに国内でもMAツールを開発する企業が増え、顧客の裾野も大企業から中堅・中小企業へと広がりを見せ始めたことが高成長の要因となっている。また、顧客側から見ればインターネットやSNSの普及により、顧客属性に応じたマーケティング施策の重要性が高まるなかで、マーケティング業務をオートメーション化し費用対効果を向上したいというニーズが高まってきたことが背景にある。

とはいえ、まだMAツールの導入率は全企業の1割にも満たない※と言われており、今後の成長ポテンシャルは大きい。今後も機能面での進化、操作性の向上などが進めば普及も進むものと予想される。統合型マーケティング支援サービスの市場規模としては2020年度に206億円、年平均成長率で25%と高成長が続く見通しだ(SaaS型市場は年率30%成長)。

※Nexal(株)が2017年5月に実施した調査によれば、国内企業のMAツール導入率は0.5%、上場企業だけに限ってみても4.3%という結果だった。(http://nexal.jp/blogs/2017f1-ma-survey.html


こうした高成長市場において、同社は統合型マーケティング支援市場のベンダー別売上金額推移及びシェアで2010年度以降7年連続トップを走ってきたが、2017年度は前述したようにMAサービスの売上高が伸び悩んだことから、2番手のセールスフォース・ドットコムと市場シェアが逆転している可能性がある。ただ、前下期に大幅な機能向上を図ったことや、高成長を実現するための販売体制の構築を進めてきたことなどから、2018年以降は新規顧客の獲得が進み、業界平均並みの成長率に回復することが見込まれる。逆に言えば、2018年が今後の成長力を判断するうえで、重要な1年になるとも言える。

2. 中期的な利益成長目標
同社は中期的な戦略としてサブスクリプション売上を年間20百万円ペースで積み上げていくことで、MAサービスに占めるサブスクリプション売上の構成比を2017年10月期の約60%から2020年10月期には約70%まで高め、収益の安定化を図ると同時に、営業利益率も引き上げていく方針となっている。2017年10月期のMAサービス売上高は11.0億円、うちサブスクリプション売上6.2億円を、3年後にはMAサービスで約21億円、うちサブスクリプション売上で約14億円まで拡大していくことになる。年平均成長率はMAサービスで24%、サブスクリプション売上で30%となる。同売上高が達成できれば、2020年10月期の営業利益も2億円を超える水準が期待できることになる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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