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明光ネット Research Memo(7):差別化戦略と学習コンテンツの拡充により再成長軌道に乗せる

注目トピックス 日本株
■明光ネットワークジャパン<4668>の今後の見通し

2.明光義塾事業の再成長に向けた取り組み
明光義塾事業は2016年8月期以降、生徒数並びに生徒1人当たり売上の減少により減収減益が続いている。同事業を再成長軌道に乗せるため、同社では新指導メソッド「MEIKO式コーチング」の浸透による差別化戦略の推進と、学習コンテンツの拡充に注力していく戦略となっている。

(1)生徒数の増加施策
個別指導学習塾が乱立し生徒獲得競争が激化するなかにおいて、同社は学習指導サービスにおいて差別化戦略を打ち出すことが生徒数増加を目指していくうえで最重要ポイントと考えている。「振り返り授業」と「明光 eポ」を順次導入すると共に、ブランディング刷新のための積極的な広告施策を2018年初から打つことで再成長路線に復帰する戦略を描いている。

「振り返り授業」とは、「学ぶ」と「振り返る」をひとつのサイクルとし、生徒が主体的に学び、振り返ることで様々な「気づき」を体得し、本質的な理解の定着を図ることを目的とした指導法となる。同社は従来から「明光式!自立学習」という指導方針のもと、生徒が自ら考えて答えを導き出せる力を身に着ける学習指導法を行ってきたが、さらに主体性に重点を置いたものとなる。具体的には、生徒自身が主体的に言葉や文字で自分の考えを表現しながら学習した内容を生徒自身がまとめる。これらの学習記録を「明光eポ」のシステムに取り込んでいく。

「明光eポ」に学習記録を残すことで、学習プロセスを継続的に蓄積・振り返ることができ、生徒自身が成長を実感できるようになるとともに、主体的な学びを身に着けていくことが可能となる。また、「明光eポ」では保護者もスマートフォン等で子どもの学習記録を確認することができる。「明光eポ」を活用することで、子どもの学習記録や学力の向上具合などがタイムリーに確認できるようになるため顧客満足のより一層な向上が期待されている。

同社では2018年春の生徒獲得シーズンに向け、2018年初より約6億円を投入してこうした先進的な指導方法を強くアピールするブランディング戦略を展開し、生徒数の獲得につなげていく考えだ。データ分析を基にした媒体選定や地域ごとに適したWeb広告を実施していくほか、コールセンターの積極的な活用により顧客からの問合せに対するレスポンスも迅速化することで、入会率の向上に取り組んでいく。

このため半期ベースで見ると、上期はまだ生徒数減少の影響が残り減収が続く計画だが、下期は直営事業、FC事業ともに生徒数の回復により増収に転じる計画となっている。特に、直営事業については「振り返り授業」の導入効果がFC事業よりも早く顕在化するため、下期の増収率は前年同期比で11.8%増と2ケタ増収を見込んでいる。なお、2018年8月期の生徒数については前期比で約2%増を計画している。

(2)生徒1人当たり売上の引き上げ施策
生徒1人当たり売上引き上げ施策では、ICTを活用した学習コンテンツを拡充していく取り組みを推進していく。既に、中学生向けのオンライン理科・社会コースや高校生向け映像授業コース等を実施しているが、2018年8月期からは新たに小学生向け英語教育プログラム(4技能対応)、中学受験生向けの映像授業コース、中学生向け英語リスニング教材、オンライン宿題コンテンツ、及びコンピュータのプログラミング学習コースなどを順次開始する。

2020年度の教育制度改革では小学生で英語授業が強化されるほか、プログラミングの授業も取り入れられるため、これら科目も中心にICTを活用した学習コンテンツを拡充することで多様なニーズを取り込み、生徒1人当たり売上の引き上げを目指していく戦略だ。同社では2018年8月期の生徒1人当たり売上で前期比約2%の上昇を見込んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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