フォーバル Research Memo(1):2018年3月期第2四半期は売上横ばい、各利益は急回復
[18/01/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
フォーバル<8275>は、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングと、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングを主に行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換。このビジネスモデルの転換が成功、2017年3月期まで営業利益は9期連続の増益を達成している。情報化や経営改善、海外進出など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。
1. 事業概要
同社は、情報分野のコンサルティングを主としたアイコンサービスを2008年に導入。現在のアイコンサービスは、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使用した遠隔サポートなどの基本セットと各種メニューを取りそろえ、充実した内容に進化した。中でも経営のよろず相談サービスの満足度は91.6%までに達し、顧客企業からの高い支持が見て取れる。近年では、既存の情報通信分野だけでなく、新規で環境分野と人材・教育分野にまで拡大し、より幅広いサービスを提供するために次世代経営コンサルティングを開始し、経営のプロによるコンサルティングを強化する。全国の小規模事業者(約320万社)の7割が赤字経営ということを考慮すると、同社サービスの拡大余地は大きいと考えられる。
2. 業績動向
2018年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.1%減の24,527百万円、営業利益が同9.0%減の1,205百万円、経常利益が同2.4%減の1,242百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.0%減の702百万円となっており、売上高はほぼ横ばいながら減益となった。一方、第2四半期のみでは増収増益となっており、足元の業績は順調である。
売上高に関しては、総合環境コンサルティングビジネスグループの減収が大きかったものの、フォーバルビジネスグループを始めとする他事業の増収で補った。営業利益に関しては、主力のフォーバルビジネスグループでアイコンサービスが好調を維持したものの、キャリアからの支援金の制度変更のあったモバイルショップビジネスグループや再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)改正の影響を受け行政の認定手続きが遅れた総合環境コンサルティンググループの減益が大きく影響し、会社全体としても減益決算となった。
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増の52,000百万円、営業利益が同10.0%増の2,800百万円、経常利益が同7.0%増の2,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.0%増の1,700百万円と増収増益を予想しており、実現されれば、10期連続の営業・経常増益となる。第2四半期 を終えて期初の予想を据え置いている。通期の売上高予想に対する第2四半期の進捗率は47.2%と例年並み、営業利益の進捗率は43.1%と、第4四半期 にかけて業績が上がる同社の例年の傾向からしても、順調な折り返しと言えるだろう。
3. 成長戦略
同社の利益成長をけん引するのはアイコンサービスである。アイコンサービスは、自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開も開始している。他社に差別化された新しいビジネスモデルとしてノウハウを提供し、アイコンサービスを拡大し販売チャネルを拡大しようというものだ。自社の“企業ドクター”を育成するのには一定の時間がかかるため、他社を活用し成長を加速する狙いもある。2018年3月期第2四半期のアイコンサービスの売上高は1,851百万円(前年同期比5.1%増)、アイコンサービス件数(OEM含む)は前年同期比で13.6%増、うちOEM件数は同46.3%となっており、OEM展開による成長が鮮明となっている。
■Key Points
・情報化から経営相談まで幅広いメニューで日本の中小企業を支える
・2018年3月期第2四半期は売上横ばい、各利益は急回復
・アイコンサービスのノウハウを他社に提供しOEMで成長を加速
・フォーバル社員の66.4%が個人情報保護士、中小企業の情報セキュリティを啓発する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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フォーバル<8275>は、IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングと、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティングを主に行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換。このビジネスモデルの転換が成功、2017年3月期まで営業利益は9期連続の増益を達成している。情報化や経営改善、海外進出など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。
1. 事業概要
同社は、情報分野のコンサルティングを主としたアイコンサービスを2008年に導入。現在のアイコンサービスは、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使用した遠隔サポートなどの基本セットと各種メニューを取りそろえ、充実した内容に進化した。中でも経営のよろず相談サービスの満足度は91.6%までに達し、顧客企業からの高い支持が見て取れる。近年では、既存の情報通信分野だけでなく、新規で環境分野と人材・教育分野にまで拡大し、より幅広いサービスを提供するために次世代経営コンサルティングを開始し、経営のプロによるコンサルティングを強化する。全国の小規模事業者(約320万社)の7割が赤字経営ということを考慮すると、同社サービスの拡大余地は大きいと考えられる。
2. 業績動向
2018年3月期第2四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.1%減の24,527百万円、営業利益が同9.0%減の1,205百万円、経常利益が同2.4%減の1,242百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.0%減の702百万円となっており、売上高はほぼ横ばいながら減益となった。一方、第2四半期のみでは増収増益となっており、足元の業績は順調である。
売上高に関しては、総合環境コンサルティングビジネスグループの減収が大きかったものの、フォーバルビジネスグループを始めとする他事業の増収で補った。営業利益に関しては、主力のフォーバルビジネスグループでアイコンサービスが好調を維持したものの、キャリアからの支援金の制度変更のあったモバイルショップビジネスグループや再生可能エネルギー特別措置法(FIT法)改正の影響を受け行政の認定手続きが遅れた総合環境コンサルティンググループの減益が大きく影響し、会社全体としても減益決算となった。
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.5%増の52,000百万円、営業利益が同10.0%増の2,800百万円、経常利益が同7.0%増の2,800百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同7.0%増の1,700百万円と増収増益を予想しており、実現されれば、10期連続の営業・経常増益となる。第2四半期 を終えて期初の予想を据え置いている。通期の売上高予想に対する第2四半期の進捗率は47.2%と例年並み、営業利益の進捗率は43.1%と、第4四半期 にかけて業績が上がる同社の例年の傾向からしても、順調な折り返しと言えるだろう。
3. 成長戦略
同社の利益成長をけん引するのはアイコンサービスである。アイコンサービスは、自社の“企業ドクター”が行うのが基本であったが、OEM展開も開始している。他社に差別化された新しいビジネスモデルとしてノウハウを提供し、アイコンサービスを拡大し販売チャネルを拡大しようというものだ。自社の“企業ドクター”を育成するのには一定の時間がかかるため、他社を活用し成長を加速する狙いもある。2018年3月期第2四半期のアイコンサービスの売上高は1,851百万円(前年同期比5.1%増)、アイコンサービス件数(OEM含む)は前年同期比で13.6%増、うちOEM件数は同46.3%となっており、OEM展開による成長が鮮明となっている。
■Key Points
・情報化から経営相談まで幅広いメニューで日本の中小企業を支える
・2018年3月期第2四半期は売上横ばい、各利益は急回復
・アイコンサービスのノウハウを他社に提供しOEMで成長を加速
・フォーバル社員の66.4%が個人情報保護士、中小企業の情報セキュリティを啓発する
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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