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タナベ経営 Research Memo(1):コンサルティングサービスの拡充を進め、今後も安定成長が続く

注目トピックス 日本株
■要約

タナベ経営<9644>は、1957年に創業し、昨年創業60周年を迎えた日本の中堅・中小企業向け経営コンサルティングのパイオニアであり、国内大手。経営ミッションは、「『ファーストコールカンパニー 100年先も一番に選ばれる会社』の創造」。食品&フードサービス・ヘルスケア・住まいと暮らし等のドメイン(事業戦略)、組織&人事・財務・プロモーション等のファンクション(組織戦略)、北海道から沖縄までの全国主要10都市に拠点を展開するリージョン(地域戦略)の観点で、顧客課題に応じて最適なコンサルタントを複数名選定してチームを組成する「ドメイン×ファンクション×リージョンのチームコンサルティング」の拡大により、安定成長を実現している。中期事業戦略として、「C&C(コンサルティング&コングロマリット)戦略」(コンサルティング領域の多角化戦略)の推進を掲げており、顧客へ新たなコンサルティング価値を提供し、顧客とともに更なる持続的成長を目指している。堅実経営と無借金経営、自己資本比率で80%超となる強固な財務体質を強みとする。

1. 2018年3月期第2四半期累計業績
2018年3月期第2四半期累計業績は売上高で前年同期比6.9%増の3,947百万円、経常利益で同2.5%増の442百万円といずれも期初会社計画(売上高3,750百万円、経常利益330百万円)を上回る増収増益となった。経営コンサルティング事業では、中期経営計画(ビジョン)策定・推進、人材採用・育成・活躍、事業承継・次世代経営チーム(ジュニアボード)育成等のコンサルティングニーズの高まりを背景に、経営コンサルティング契約数が期中平均で前年同期比11件増の445契約と増加したこと、またSP(セールスプロモーション)コンサルティング事業では、プロモーション戦略・ブランディング戦略の立案から実行推進までを支援するセールスプロモーションコンサルティングと、これに伴う高付加価値型のSPデザイン(専?コンサルタントがデザインするプレミアムノベルティ等)の受注案件が大型化して大きく伸長したことが、増収増益要因となった。

2. 2018年3月期通期業績見通し
2018年3月期の通期業績は売上高で前期比1.9%増の8,550百万円、経常利益で同3.3%増の945百万円と期初計画を据え置いている。ただ、第3四半期も引き続きコンサルティングに対するニーズは旺盛で、通期においても会社計画を上振れする可能性が高いと弊社では見ている。ここ数年、新規クライアント創造のきっかけとなっている戦略ドメイン&マネジメント研究会のテーマ数を前期の20テーマから25テーマへと拡充しており、それぞれ関心の高い企業との接点を増やすことで、経営コンサルティング契約件数の増加につなげていく。また、新たなコンサルティングサービスとして今期から本格スタートした「FCCアカデミー(企業内大学)設立コンサルティング」や、今下期からスタートするWebプロモーションコンサルティング、金融機関等との提携ネットワークを活かした成長M&Aコンサルティング・アライアンスコンサルティング等の成長も今後期待される。

3. 中期見通し
中期事業戦略である前述の「C&C戦略」を推進することに伴い、今後の成長を実現していくコンサルタント人材の採用・育成を強化していく。コンサルタント人員については2017年3月末の215名から2020年3月末に254名まで増員していく計画だ。専門性の高いスキルを持った人材獲得のため、新人事制度も2019年3月期より本格スタートし、全社員のプロフェッショナル化をより一層推進する賃金体系にシフトしていく。また、女性をターゲットとしたコンサルティングニーズが拡大していることから、女性コンサルタントの採用・育成にも注力していく方針だ。3ヶ年の中期経営計画では2020年3月期に売上高9,000百万円、経常利益1,000百万円を目指していく。今後、成長M&Aコンサルティング等の事業が順調に拡大していけば、計画を上回ることも十分可能と弊社では予想している。

4. 株主還元策
株主還元策として、同社は配当金と株主優待制度を導入している。配当金に関しては配当性向60%を目安に、業績等を勘案しながら検討していくとしており、2018年3月期は前期比1.0円増配の41.0円(配当性向55.1%)と6期連続の増配を予定している。そして、今後も増収・増益・増配を目指していく。また、株主優待制度として毎年9月末時点の株主に対してオリジナル手帳「ブルーダイアリー」を1冊(3,000円相当)贈呈している。2018年1月30日の株価水準(1,796円)を基準にすると、配当利回りは約2.3%、株主優待も含めると約4%の投資利回りとなる。

■Key Points
・2018年3月期第2四半期累計業績は前年同期・期初会社計画を上回る増収増益、2018年3月期通期業績もコンサルティング需要の高まりを背景に増収増益基調が続く見通し。
・C&C戦略の推進により、新たにスタートしたFCCアカデミー(企業内大学)設立コンサルティング、Webプロモーションコンサルティング、成長M&Aコンサルティング・アライアンスコンサルティング等の成長も今後期待される。
・多様なコンサルティング領域を担うコンサルタント人材の採用とプロフェッショナルコンサルタントの育成を強化

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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