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タマホーム Research Memo(3):徹底した効率化により低価格高品質を実現し、戸建住宅で業界第6位の大手に成長

注目トピックス 日本株
■タマホーム<1419>の事業概要

2. 業界シェアと同社の特徴
(1) 業界シェア
分譲を含む戸建住宅の年間着工戸数はここ数年、40万戸台前半で推移しており、同社の業界シェアは約2%となっている。戸建住宅市場においては、地域の工務店と言われる中小住宅メーカーが数多くあるため、大手10社合わせても年間の販売戸数は約8万戸、市場シェアは約20%の水準でしかない。これは、市場全体が横ばいで推移したとしても、シェアの拡大によって成長余地があることを意味している。

2016年度の販売戸数ランキングで見ると、ここ数年7番手であった同社のランキングは1つ上がって6番手となった。2012年度以降の4年間の平均成長率で見ると、大手10社合計で3.2%減となっているのに対して、同社は1.3%減となっており、大手住宅メーカーの中での相対的シェアは若干ながら上昇しているとみることができる。

(2) 同社の特徴
同社は1998年の創業以来、10年余りで業界大手の一角に食い込むほどの急成長を遂げたが、この要因としては低価格化を実現するビジネスモデルを創業当初から構築し、九州を起点として営業エリアを全国に一気に拡大してきたことが大きい。低価格化を実現できた背景としては、顧客からの問い合わせから竣工・引渡しまでの工程において、徹底的に効率化と標準化を図ったことにある。

例えば、注文住宅では通常、問い合わせ対応から正式契約に至るまでに、営業担当者のほか見積もり作成や基本設計を行う設計士、インテリアコーディネーターやローン担当者など複数の部署や専門の人員が対応に当たるのが一般的だが、同社は一人の担当がこれら複数の業務を行う独自の経営管理システムを導入し、生産性を大幅に向上させた。

また、施工面でも材料費と人件費のコスト削減を可能にするシステムを作り上げている。材料費では資材の標準化を徹底し、大量発注による単価引き下げを実現しており、人件費は 施工手順を標準化し工期短縮を図ることで抑制している。 同社の場合、施工はすべて協力会社に発注するため品質の維持が課題となるが、標準化を図ることによってクリアしている。

これらの取り組みによって、同社は住宅本体の坪単価を平均40万円強と、同業大手平均の6割前後の水準にまで引き下げることを可能とした。ただ、ここ数年は同様のビジネスモデルによって、同社よりもさらに低価格の坪単価で販売するローコストビルダーが増え始め、同社業績が伸び悩む一因となっていた。このため、ローコストビルダーと競争できるだけの低価格帯商品の販売を2015年10月より開始したほか、地域ごとのシェア拡大に取り組むため地域限定商品の販売を2016年7月より開始している。同商品は売れ筋の競合商品を分析し、同じ品質水準でも価格設定を低めに抑え、競争力を高めた商品となっている。また、顧客層の拡大を図るため、高価格帯商品の販売についても2018年5月期より開始しており、今後強化していく方針となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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