ジェイ・エス・ビー Research Memo(4):不動産賃貸管理事業の好調と高齢者住宅事業の黒字化により好決算
[18/02/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■ジェイ・エス・ビー<3480>の業績動向
1. 2017年10月期の業績概要
2017年10月期におけるわが国経済は、個人消費は緩やかに持ち直し、企業の収益や業況判断は改善している。また、雇用・所得環境の改善傾向が継続するなかで、消費者物価は横ばいにとどまるものの、景気は緩やかな回復基調が続いている。一方、米国新政権の政策運営の動向や保護主義の高まりに加え、米国における利上げの動向や地政学リスクへの懸念など、一部で先行き不透明感も見られる。このような経営環境のもと、同社グループの主たる顧客層である学生の動向においては、2017年春の大学・短期大学進学率(過年度卒を含む)は57.3%と前年より0.5ポイント上昇し、過去最高となった。また大学(大学院を含む)の学生数は289.1万人と前年より1.7万人増加し、昨年に引き続き増加した(文部科学省「平成29年度学校基本調査速報」)。
これらの外部要因を背景に、同社グループの主力事業である不動産賃貸管理事業においては、物件管理戸数の堅調な増加や、高水準の入居率を維持したことに伴い、事業収益は順調に推移した。また、将来的な安定成長を目指す高齢者住宅事業でも、前期において実施した採算性の低い高齢者向け施設の整理による収益基盤の強化、介護サービスの拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などの各種施策が奏功し、当初計画値(赤字予想)を大幅に上回る水準まで挽回し、黒字化を達成した。
以上から、連結売上高は36,428百万円(前期比6.9%増)、営業利益は2,769百万円(同26.4%増)、経常利益は2,638百万円(同27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,550百万円(同30.6%増)となった。決算発表直前の11月30日に発表した業績予想修正に沿った数字であったが、7月20日の上場時に発表した予想に比べると、売上高で1.5%、各段階の利益で15〜20%以上も上回る好決算であった。主力の不動産賃貸管理事業が好調であったことに加えて、赤字予想であった高齢者住宅事業が黒字転換したことが大きく貢献した。
セグメント別に動向を見ると、不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加や入居率が高水準に推移したことに伴い、学生マンションの転貸などによる家賃収入を始め、各種不動産賃貸関連サービス収入が順調に推移した。一方、業容拡大による人件費の増加、建物メンテナンス業務において退去時の外注費が増加したこと、また、新規上場後の知名度向上を目的として積極的に広告宣伝活動を行ったことなどによりコスト面での増加があったものの、事業全体では前期比で増収増益を維持した。その結果、売上高34,074百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益4,098百万円(同7.7%増)となった。
高齢者住宅事業では、前期において採算性の低い高齢者向け施設を外部への事業譲渡により整理したことに加え、既存施設においては、介護サービス事業の拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などに努めてきた。これら各種施策に伴う改善効果が想定以上に早期に顕在化したことに伴い、売上高1,670百万円(前期比0.0%減)、またセグメント利益147百万円(前期は236百万円の損失)と、当初の赤字予想から一転して黒字に転換し、会社全体の好業績につながった。
その他の事業では、これまで独立セグメントとして区分していた不動産販売事業は、金額的重要性が乏しいことから、当期よりその他に区分する方法に変更した。当該事業の概況は、新規物件の仕入れは行わず、既存の所有不動産の販売を行うとともに不動産売買の仲介業務に注力した。また、従来からその他事業に区分していた事業については、学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営に加え、留学生専門部署の開設により、今後増加の見込まれる外国人留学生への支援サービスを提供する体制強化に努めた。その結果、同事業の売上高は683百万円(前期比86.6%増)、セグメント損失は3百万円(前期は86百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 2017年10月期の業績概要
2017年10月期におけるわが国経済は、個人消費は緩やかに持ち直し、企業の収益や業況判断は改善している。また、雇用・所得環境の改善傾向が継続するなかで、消費者物価は横ばいにとどまるものの、景気は緩やかな回復基調が続いている。一方、米国新政権の政策運営の動向や保護主義の高まりに加え、米国における利上げの動向や地政学リスクへの懸念など、一部で先行き不透明感も見られる。このような経営環境のもと、同社グループの主たる顧客層である学生の動向においては、2017年春の大学・短期大学進学率(過年度卒を含む)は57.3%と前年より0.5ポイント上昇し、過去最高となった。また大学(大学院を含む)の学生数は289.1万人と前年より1.7万人増加し、昨年に引き続き増加した(文部科学省「平成29年度学校基本調査速報」)。
これらの外部要因を背景に、同社グループの主力事業である不動産賃貸管理事業においては、物件管理戸数の堅調な増加や、高水準の入居率を維持したことに伴い、事業収益は順調に推移した。また、将来的な安定成長を目指す高齢者住宅事業でも、前期において実施した採算性の低い高齢者向け施設の整理による収益基盤の強化、介護サービスの拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などの各種施策が奏功し、当初計画値(赤字予想)を大幅に上回る水準まで挽回し、黒字化を達成した。
以上から、連結売上高は36,428百万円(前期比6.9%増)、営業利益は2,769百万円(同26.4%増)、経常利益は2,638百万円(同27.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,550百万円(同30.6%増)となった。決算発表直前の11月30日に発表した業績予想修正に沿った数字であったが、7月20日の上場時に発表した予想に比べると、売上高で1.5%、各段階の利益で15〜20%以上も上回る好決算であった。主力の不動産賃貸管理事業が好調であったことに加えて、赤字予想であった高齢者住宅事業が黒字転換したことが大きく貢献した。
セグメント別に動向を見ると、不動産賃貸管理事業では、物件管理戸数の増加や入居率が高水準に推移したことに伴い、学生マンションの転貸などによる家賃収入を始め、各種不動産賃貸関連サービス収入が順調に推移した。一方、業容拡大による人件費の増加、建物メンテナンス業務において退去時の外注費が増加したこと、また、新規上場後の知名度向上を目的として積極的に広告宣伝活動を行ったことなどによりコスト面での増加があったものの、事業全体では前期比で増収増益を維持した。その結果、売上高34,074百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益4,098百万円(同7.7%増)となった。
高齢者住宅事業では、前期において採算性の低い高齢者向け施設を外部への事業譲渡により整理したことに加え、既存施設においては、介護サービス事業の拡充、コスト面や運営体制の見直し強化などに努めてきた。これら各種施策に伴う改善効果が想定以上に早期に顕在化したことに伴い、売上高1,670百万円(前期比0.0%減)、またセグメント利益147百万円(前期は236百万円の損失)と、当初の赤字予想から一転して黒字に転換し、会社全体の好業績につながった。
その他の事業では、これまで独立セグメントとして区分していた不動産販売事業は、金額的重要性が乏しいことから、当期よりその他に区分する方法に変更した。当該事業の概況は、新規物件の仕入れは行わず、既存の所有不動産の販売を行うとともに不動産売買の仲介業務に注力した。また、従来からその他事業に区分していた事業については、学生向けの企業説明会や就職セミナー情報の提供を通じた各種学生支援サービスの提供と、外国人留学生向けの日本語学校の運営に加え、留学生専門部署の開設により、今後増加の見込まれる外国人留学生への支援サービスを提供する体制強化に努めた。その結果、同事業の売上高は683百万円(前期比86.6%増)、セグメント損失は3百万円(前期は86百万円の損失)となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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