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ジェイ・エス・ビー Research Memo(7):強固な経営基盤を構築し、次期ステージの発展につなげる

注目トピックス 日本株
■ジェイ・エス・ビー<3480>の中長期の成長戦略

1. 中期経営計画の概要
同社グループの経営環境は、今後も成長機会に恵まれていると考えられる。すなわち、不動産賃貸管理事業では、4年制大学、特に女子学生の増加が顕著であること、国の政策サポートにより留学生も増加を続けること、自宅外生の比率は緩やかに上昇していることなどから、学生マンションの供給は不足している。また、高齢者住宅事業においても、直近の22万戸に対して政府目標は2020年までに60万戸であることから、サービス付き高齢者向け住宅は年々増加傾向にある。

こうした経営環境を踏まえ、同社グループでは今後3年間に景気に左右されない強固な経営基盤を構築することを目指す。すなわち、2020年10月期には管理戸数を70,000戸(2017年10月期比16.4%増)に増やし、売上高435億円(同1.20倍)、経常利益33億円(同1.27倍)と過去最高益を更新することで、経常利益率も7.2%から7.7%に上昇させる計画である。一方、設備投資では競争力の高い自社仕様物件の取得や賃貸不動産のポートフォリオ構成の最適化により114億円、2018年5月稼働開始予定の賃貸・メンテナンスの基幹システム入れ替えに伴うソフトウェアなどに5億円を計画している。今後3年間は、事業の選択と集中を継続し、さらなる成長のための経営資源強化・戦略的投資を行い、次期ステージでの発展につなげる計画である。

同社グループは、学生マンション業界のパイオニアとして、高い知名度や信頼を築いている。加えて、超高齢社会の進行を見据えて、高齢者住宅事業にも布石を打っている。今後も学生マンションや高齢者住宅の供給不足が続くと予想されることから、弊社では中期経営計画の目標達成は十分に可能と考える。

2. 成長戦略
(1) 不動産賃貸管理事業
同社では、上記の経営目標を達成するための成長戦略として、まず不動産賃貸管理事業においては、学生マンションの収益力向上を目指して以下の3点を実施する。第1に、戸数増加とともに利益重視を目指す。すなわち、地域別・物件のグレード別の募集賃料見直しなどによる既存物件の利益率向上や、競争力の高い新規物件開発による管理戸数増加、土地・収益物件への積極投資などを行う。第2に、自社学生マンションブランドの差別化及びサービス品質の向上を図る。すなわち、食育・健康の観点から健全な食生活をサポートする食事付きマンションの開発や、留学生をターゲットとするビジネスモデルの確立を目指す。第3に、企画開発・賃貸営業・メンテナンス各部門の一層の連携を行う。すなわち、メンテナンス事業の営業強化とともに、賃貸営業部?・メンテナンス部門と協力した案件情報収集・営業強化を推進する考えだ。

(2) 高齢者住宅事業
次に、高齢者住宅事業においては、次の3点の実施により、新成長ドライバーに発展させる。第1に、新規高齢者住宅の受託を増やす。すなわち、グループホームや多世代共生型住宅など、多様なニーズに応えるバリエーションの構築や、会計事務所、地方金融機関、ファンド、リース会社などとの連携を強化する。第2に、運営力の向上を図る。すなわち、高稼働維持、介護サービスなどの提供力の向上に加え、IT・ロボットの活用などにより運営の良質化を行う。第3に、地域に根差した存在を目指す。すなわち、地域への浸透を図り、交流の場を提供することで、高齢者住宅を地域の公民館のようにする計画である。

(3) 組織強化
加えて、組織強化の面では、人員数・店舗数を増強し、キャパシティを拡大してさらなる成長につなげる。具体的には、グループの人員数・店舗数を2017年10月期の772人・70店から、2020年10月期には892人・85店にまで増やす計画である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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