サムティ Research Memo(1):好調な事業環境を追い風として足元業績は順調に拡大
[18/02/27]
提供元:株式会社フィスコ
提供元:株式会社フィスコ
注目トピックス 日本株
■要約
1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションや投資家向け収益マンションの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションや商業施設等)を両輪とし、ビジネスホテルの運営なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。事業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。好調な事業環境を追い風としながら、同社は新たな成長フェーズに入っている。
※2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT市場に上場。
2. 中長期経営計画
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を推進している。1)SRRを中心としたビジネスモデルの構築、2)地方大都市圏における戦略的投資、3)ホテル開発事業の展開により、2020年11月期の目標として、売上高1,000億円水準、経常利益100億円水準を掲げている。また、5年間で約3,000億円の投資を行う計画となっている。
3. 大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画
2018年1月には、SRRによる第3者割当増資を大和証券グループ本社<8601>と同社が引き受け、それに伴って、大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画した。これによりSRRは33物件を取得し、資産規模の拡大を図るとともに、将来に向けても大きなメリット(物件取得や信用力などにおける後ろ盾)を得ることができたと言える。これは同時に、SRRを軸とした成長戦略を描く同社にとっても、大きな進展として評価することができるだろう。
4. 2017年11月期の業績
2017年11月期の業績は、売上高が前期比15.4%増の60,479百万円、営業利益が同18.0%増の10,131百万円と順調に拡大し、増額修正予算をほぼ達成することができた。特に、「不動産事業」が大きく拡大。自社開発ブランド「S-RESIDENCE」などに対する海外ファンドや富裕層からの強い投資意欲が続いており、好調な販売環境が業績の伸びを支えている。利益面でも、販売価格の上振れや建築費の安定により原価率が大きく改善し、営業利益率も16.8%(前期は16.4%)に上昇した。また、今後の成長につながる仕入れについても、開発用地及び収益不動産ともに計画どおりに進んでいる。
5. 2018年11月期の業績予想
2018年11月期の業績予想について同社は、売上高を前期比5.8%増の64,000百万円、営業利益を同8.6%増の11,000百万円と増収増益を見込んでいる。増収率はやや緩やかな水準にとどまるものの、利益成長を重視した計画となっているものと評価できる。売上高は、好調な販売環境が続くなかで、前期に引き続き「不動産事業」が伸長するとともに、ホテル事業の拡大等により「その他の事業」が大きく伸びる想定である。また、利益面でも、増収効果のほか、好調な不動産市況を背景とした利益率の改善により、増益を確保する見通しである。
6. 中長期展望
弊社では、外部及び内部環境がともに同社の成長を後押しする状況にあることから、中長期的にも成長性を維持できるものとみている。都心を中心に用地仕入れが難しくなっているなかで、開発案件(パイプライン)をどのように積み上げていくのか、地方大都市圏を中心とした利回りの高い収益不動産の発掘やバリューアップをいかに行っていくのか、SRRを中心としたビジネスモデルが同社の収益性や成長性にどのように貢献してくるか、などに注目している。
■Key Points
・2017年11月期の業績は期初予想を大きく上回る増収増益
・特に、外資系ファンド等からの強い投資意欲が続いており、販売価格の上振れが利益率の上昇に寄与
・大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画し、同社の成長戦略にも大きな進展
・パイプラインも順調に積み上げており、持続的な成長を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>
1. 会社概要
サムティ<3244>は、関西圏及び首都圏を中心として全国に展開している総合不動産会社である。不動産事業(不動産ファンド向け大型賃貸マンションや投資家向け収益マンションの開発及び販売等)と不動産賃貸事業(賃貸マンションや商業施設等)を両輪とし、ビジネスホテルの運営なども手掛けている。不動産賃貸事業による安定収入と不動産事業による成長加速のバランスにより事業環境の変化に柔軟に対応できるところに特長があり、大きな金融危機を乗り越えながら持続的な成長を実現してきた。また、両事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにも優位性があり、ここ数年高い成長を続けている。事業エリアの拡大とともに、2015年6月にはJ-REIT事業にも進出※、更なる事業拡大に向けてビジネスモデルの基礎固めが完了した。好調な事業環境を追い風としながら、同社は新たな成長フェーズに入っている。
※2015年3月に設立したサムティ・レジデンシャル投資法人<3459>(以下、SRR)を東証J-REIT市場に上場。
2. 中長期経営計画
同社は、2016年11月期から2020年11月期までの中長期経営計画(5ヶ年)を推進している。1)SRRを中心としたビジネスモデルの構築、2)地方大都市圏における戦略的投資、3)ホテル開発事業の展開により、2020年11月期の目標として、売上高1,000億円水準、経常利益100億円水準を掲げている。また、5年間で約3,000億円の投資を行う計画となっている。
3. 大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画
2018年1月には、SRRによる第3者割当増資を大和証券グループ本社<8601>と同社が引き受け、それに伴って、大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画した。これによりSRRは33物件を取得し、資産規模の拡大を図るとともに、将来に向けても大きなメリット(物件取得や信用力などにおける後ろ盾)を得ることができたと言える。これは同時に、SRRを軸とした成長戦略を描く同社にとっても、大きな進展として評価することができるだろう。
4. 2017年11月期の業績
2017年11月期の業績は、売上高が前期比15.4%増の60,479百万円、営業利益が同18.0%増の10,131百万円と順調に拡大し、増額修正予算をほぼ達成することができた。特に、「不動産事業」が大きく拡大。自社開発ブランド「S-RESIDENCE」などに対する海外ファンドや富裕層からの強い投資意欲が続いており、好調な販売環境が業績の伸びを支えている。利益面でも、販売価格の上振れや建築費の安定により原価率が大きく改善し、営業利益率も16.8%(前期は16.4%)に上昇した。また、今後の成長につながる仕入れについても、開発用地及び収益不動産ともに計画どおりに進んでいる。
5. 2018年11月期の業績予想
2018年11月期の業績予想について同社は、売上高を前期比5.8%増の64,000百万円、営業利益を同8.6%増の11,000百万円と増収増益を見込んでいる。増収率はやや緩やかな水準にとどまるものの、利益成長を重視した計画となっているものと評価できる。売上高は、好調な販売環境が続くなかで、前期に引き続き「不動産事業」が伸長するとともに、ホテル事業の拡大等により「その他の事業」が大きく伸びる想定である。また、利益面でも、増収効果のほか、好調な不動産市況を背景とした利益率の改善により、増益を確保する見通しである。
6. 中長期展望
弊社では、外部及び内部環境がともに同社の成長を後押しする状況にあることから、中長期的にも成長性を維持できるものとみている。都心を中心に用地仕入れが難しくなっているなかで、開発案件(パイプライン)をどのように積み上げていくのか、地方大都市圏を中心とした利回りの高い収益不動産の発掘やバリューアップをいかに行っていくのか、SRRを中心としたビジネスモデルが同社の収益性や成長性にどのように貢献してくるか、などに注目している。
■Key Points
・2017年11月期の業績は期初予想を大きく上回る増収増益
・特に、外資系ファンド等からの強い投資意欲が続いており、販売価格の上振れが利益率の上昇に寄与
・大和証券グループ本社がSRRのサブスポンサーに参画し、同社の成長戦略にも大きな進展
・パイプラインも順調に積み上げており、持続的な成長を見込む
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<HN>