サムティ Research Memo(2):不動産事業と不動産賃貸事業にバランスのとれた事業構成
[18/02/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■サムティ<3244>の会社概要
1. 事業概要
事業セグメントは、「不動産事業」、「不動産賃貸事業」、「その他の事業」の3つに分類される。好調に推移している「不動産事業」が売上高(調整前)の84.7%、営業利益(調整前)の81.9%を占めている(2017年11月期実績)。ただし、「不動産賃貸事業」が着実に伸びてきたことに対して、「不動産事業」は事業環境等によって大きく増減するところに注意が必要である。創業以来、安定した高稼働率が期待できるレジデンス(マンション等)を得意分野としており、リーシング(賃貸付け)に強みがある。
また、2015年3月にSRRを設立し、同年6月に東証J-REIT市場に上場させた。同社グループは、SRRへのスポンサーとしての役割(物件供給)とアセットマネジメント業務等を担っている。SRRの現在の資産規模は約815億円※となっている(2018年1月末)。
※2018年1月に実施した第3者割当増資(大和証券グループ本社及び同社の引き受けによる)により33物件を取得し、資産規模は49物件約520億円から82物件約815億円へ拡大した(後述)。
営業拠点は、大阪本社(大阪市淀川区)のほか、東京支店(東京都千代田区)、福岡支店(福岡市博多区)、札幌支店(札幌市中央区)、名古屋支店(名古屋市中村区)の4ヶ所にあり、地方大都市圏を中心として全国に展開する体制が確立されている。
同社グループは、同社及び連結子会社13社によって構成されるが、不動産事業及び不動産賃貸事業を行うプロセスにおいて、土地・建物及び信託受益権を取得・保有・開発するスキームに関連して設立または出資している特別目的会社(SPC)や一般社団法人が8社含まれている。主な連結子会社には、「サムティアセットマネジメント(株)」(アセットマネジメント等)、「(株)サン・トーア」(ホテル運営等)、「サムティプロパティマネジメント(株)」(物件管理や保守等)などがある(2017年11月末)。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) 不動産事業
同社の成長を支える事業であり、「開発流動化」、「再生流動化」、「投資分譲」、「アセットマネジメント」の4つのサブセグメントに区分される。
「開発流動化」は、不動産ファンド向け賃貸マンション(自社開発ブランド「S-RESIDENCE」シリーズ)等の企画、開発及び販売を行っている。基本的には総戸数200戸前後の大型ワンルームマンションであり、吹き抜けのあるエントランスや高級感あふれるデザインに特徴がある。最近では、規模にかかわらず不動産ファンド等からの需要が大きいことから、中型物件も増えてきた。SRRに対して「S-RESIDENCE」シリーズの優先交渉権を付与しており、基本的にはSRRへの物件供給を中心に据えている。
「再生流動化」は、既存の収益不動産の再生及び販売を行っている。取得した収益不動産に対して、リーシングノウハウやバリューアップノウハウの活用、設備改修によるグレードアップなどにより、稼働率の向上等を図り、保有期間中の収益確保につなげるとともに、最終的には、投資物件として不動産ファンドや事業会社、個人富裕層等に販売することによる売却益を目的としている。また、SRR向けのウェアハウジング※も行っている。なお、保有期間中の賃料収入は不動産賃貸事業に計上される。
※REITに組み入れるための物件取得。
「投資分譲」は、主に個人投資家向けの投資用ワンルームマンションの企画、開発を行っている。自社では販売を行わず、販売会社に卸販売(区分及び1棟売り)するところに特徴がある。事業エリアにおいて販売実績のある販売会社とのネットワークを構築し、企画開発の段階から販売会社と協議を行うことにより、顧客(利用者)ニーズに合致した物件を供給している。また、品薄感から販売会社による青田買いの動きが活発な首都圏を除くと、同社のリーシングノウハウ(賃貸付けを行った上で卸販売)の高さが他社との差別化や販売会社に対する信頼性や交渉力につながっている。
「アセットマネジメント」は、同社がアセットマネジャーとして不動産ファンドからの不動産の運用及び管理業務等を受託することによる手数料収入のほか、同社自らの不動産ファンドへの出資による配当収入を目的としている。SRRが順調に立ち上がったことにより、今後はSRRの資産規模の拡大に伴って、アセットマネジメント業務も拡大する方向にあると言える。なお、本事業における収益体系は、運用報酬(運用資産残高の0.45%)のほか、取得報酬(物件取得価額の1.0%)、譲渡報酬(物件譲渡価額の0.5%)等によって構成される。とりわけ運用報酬については、運用資産残高に応じて、毎期、安定的な収益が期待できるものである。
(2) 不動産賃貸事業
同社の安定性を担保する基盤事業である。セグメント利益率も高い水準を維持している。関西圏及び首都圏のほか、福岡、札幌、名古屋等の政令指定都市を中心とした全国各地に88棟を有するとともに、マンション、オフィスビル、商業施設等、多様な資産に分散投資を行っている。施設別の内訳は、延床面積ベースでマンションが74.8%、オフィスが3.6%、商業施設・物流施設等が21.7%となっており、安定した高稼働率が期待できるマンションの比重が高い。リーシングノウハウを生かすことで年平均90%を超える高い稼働率を実現している。施設別の稼働率では、マンションが92.9%、オフィスが94.6%、商業施設・物流施設等が99.8%となっている。保有不動産の規模は約989億円(簿価)に上るが、最終的に売却を目的とする棚卸資産(販売用不動産)約370億円と自社保有を目的とする有形固定資産約618億円に分かれる(2017年11月末)。なお、主な商業施設等には歴史のある「天橋立ホテル」のほか、2014年12月にリニューアルオープンした琵琶湖畔の大型商業施設の「ピエリ守山」なども含まれている。
(3) その他の事業
主にホテルの運営、分譲マンション管理事業、建設・リフォーム業を行っている。ホテル事業については、「エスペリアホテル長崎」(長崎県長崎市、客室数153室)、「GOZAN HOTEL」(京都市東山区、同21室)※を保有するほか、2016年11月期に売却(及びリースバック)した「センターホテル東京」(東京都中央区日本橋、同107室)及び2017年11月期に売却(及びリースバック)した「センターホテル大阪」(大阪市中央区北浜、同84室)の運営を子会社のサン・トーアが行っている。また、子会社のサムティプロパティマネジメント(株)によって、分譲マンション管理(同社分譲物件を中心に外部物件を含む)及び建設・リフォームなども手掛けている。
※2017年6月に新たに取得した物件。
2. 特長
同社の特長は、不動産事業と不動産賃貸事業の2つの事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにあり、事業としての優位性や収益構造における強みを形成している。
(1) ビジネスモデルの優位性
同社のビジネスモデルの特長は、仕入、開発、賃貸、販売、販売後のマネジメントフィーをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、不動産賃貸事業で培ってきたリーシングノウハウ(賃貸付け)の高さが、不動産事業でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係や交渉力においてもプラスの効果を生み出している。
また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(アセットマネジメント業務やプロパティマネジメント業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。
(2) 収益構造における強み
不動産賃貸事業(ストックビジネス)による安定収入と不動産事業(フロービジネス)による成長加速のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応できるところも強みとなっている。すなわち、景気後退時には不動産賃貸事業が業績の下支えとなる一方、景気拡大(回復)時では不動産事業によって成長を加速することが可能となる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用(そのためのネットワークやノウハウが存在)により固定費を低く抑えていることも景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響等)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さが要因である。一方、好調な事業環境が続いている現状においては、不動産事業が同社の業績の伸びを大きくけん引している。
3. 沿革
同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。森山茂(もりやましげる)氏(現会長)と松下一郎(まつしたいちろう)氏(現副会長)、谷口清春(たにぐちきよはる)氏の3名を中心に不動産の売買・賃貸・管理を開始した。最初は、分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。
2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月からは不動産ファンド向け賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2006年8月にはビジネスホテルを保有及び運営するサン・トーアの株式を取得してホテル事業にも進出。2007年7月には大証ヘラクレス市場(現東証JASDAQ)に上場を果たした。
また、更なる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店を開設し、5年間で着実に事業エリアの拡大も進めてきた。
事業領域の拡大にも積極的に取り組んできた。2006年8月にビジネスホテルを保有・運営するサン・トーアの株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(現サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月にサムティアセットマネジメントを100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはサムティ・レジデンシャル投資法人を東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えた。2015年10月には東証1部へ市場変更となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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1. 事業概要
事業セグメントは、「不動産事業」、「不動産賃貸事業」、「その他の事業」の3つに分類される。好調に推移している「不動産事業」が売上高(調整前)の84.7%、営業利益(調整前)の81.9%を占めている(2017年11月期実績)。ただし、「不動産賃貸事業」が着実に伸びてきたことに対して、「不動産事業」は事業環境等によって大きく増減するところに注意が必要である。創業以来、安定した高稼働率が期待できるレジデンス(マンション等)を得意分野としており、リーシング(賃貸付け)に強みがある。
また、2015年3月にSRRを設立し、同年6月に東証J-REIT市場に上場させた。同社グループは、SRRへのスポンサーとしての役割(物件供給)とアセットマネジメント業務等を担っている。SRRの現在の資産規模は約815億円※となっている(2018年1月末)。
※2018年1月に実施した第3者割当増資(大和証券グループ本社及び同社の引き受けによる)により33物件を取得し、資産規模は49物件約520億円から82物件約815億円へ拡大した(後述)。
営業拠点は、大阪本社(大阪市淀川区)のほか、東京支店(東京都千代田区)、福岡支店(福岡市博多区)、札幌支店(札幌市中央区)、名古屋支店(名古屋市中村区)の4ヶ所にあり、地方大都市圏を中心として全国に展開する体制が確立されている。
同社グループは、同社及び連結子会社13社によって構成されるが、不動産事業及び不動産賃貸事業を行うプロセスにおいて、土地・建物及び信託受益権を取得・保有・開発するスキームに関連して設立または出資している特別目的会社(SPC)や一般社団法人が8社含まれている。主な連結子会社には、「サムティアセットマネジメント(株)」(アセットマネジメント等)、「(株)サン・トーア」(ホテル運営等)、「サムティプロパティマネジメント(株)」(物件管理や保守等)などがある(2017年11月末)。
各事業の概要は以下のとおりである。
(1) 不動産事業
同社の成長を支える事業であり、「開発流動化」、「再生流動化」、「投資分譲」、「アセットマネジメント」の4つのサブセグメントに区分される。
「開発流動化」は、不動産ファンド向け賃貸マンション(自社開発ブランド「S-RESIDENCE」シリーズ)等の企画、開発及び販売を行っている。基本的には総戸数200戸前後の大型ワンルームマンションであり、吹き抜けのあるエントランスや高級感あふれるデザインに特徴がある。最近では、規模にかかわらず不動産ファンド等からの需要が大きいことから、中型物件も増えてきた。SRRに対して「S-RESIDENCE」シリーズの優先交渉権を付与しており、基本的にはSRRへの物件供給を中心に据えている。
「再生流動化」は、既存の収益不動産の再生及び販売を行っている。取得した収益不動産に対して、リーシングノウハウやバリューアップノウハウの活用、設備改修によるグレードアップなどにより、稼働率の向上等を図り、保有期間中の収益確保につなげるとともに、最終的には、投資物件として不動産ファンドや事業会社、個人富裕層等に販売することによる売却益を目的としている。また、SRR向けのウェアハウジング※も行っている。なお、保有期間中の賃料収入は不動産賃貸事業に計上される。
※REITに組み入れるための物件取得。
「投資分譲」は、主に個人投資家向けの投資用ワンルームマンションの企画、開発を行っている。自社では販売を行わず、販売会社に卸販売(区分及び1棟売り)するところに特徴がある。事業エリアにおいて販売実績のある販売会社とのネットワークを構築し、企画開発の段階から販売会社と協議を行うことにより、顧客(利用者)ニーズに合致した物件を供給している。また、品薄感から販売会社による青田買いの動きが活発な首都圏を除くと、同社のリーシングノウハウ(賃貸付けを行った上で卸販売)の高さが他社との差別化や販売会社に対する信頼性や交渉力につながっている。
「アセットマネジメント」は、同社がアセットマネジャーとして不動産ファンドからの不動産の運用及び管理業務等を受託することによる手数料収入のほか、同社自らの不動産ファンドへの出資による配当収入を目的としている。SRRが順調に立ち上がったことにより、今後はSRRの資産規模の拡大に伴って、アセットマネジメント業務も拡大する方向にあると言える。なお、本事業における収益体系は、運用報酬(運用資産残高の0.45%)のほか、取得報酬(物件取得価額の1.0%)、譲渡報酬(物件譲渡価額の0.5%)等によって構成される。とりわけ運用報酬については、運用資産残高に応じて、毎期、安定的な収益が期待できるものである。
(2) 不動産賃貸事業
同社の安定性を担保する基盤事業である。セグメント利益率も高い水準を維持している。関西圏及び首都圏のほか、福岡、札幌、名古屋等の政令指定都市を中心とした全国各地に88棟を有するとともに、マンション、オフィスビル、商業施設等、多様な資産に分散投資を行っている。施設別の内訳は、延床面積ベースでマンションが74.8%、オフィスが3.6%、商業施設・物流施設等が21.7%となっており、安定した高稼働率が期待できるマンションの比重が高い。リーシングノウハウを生かすことで年平均90%を超える高い稼働率を実現している。施設別の稼働率では、マンションが92.9%、オフィスが94.6%、商業施設・物流施設等が99.8%となっている。保有不動産の規模は約989億円(簿価)に上るが、最終的に売却を目的とする棚卸資産(販売用不動産)約370億円と自社保有を目的とする有形固定資産約618億円に分かれる(2017年11月末)。なお、主な商業施設等には歴史のある「天橋立ホテル」のほか、2014年12月にリニューアルオープンした琵琶湖畔の大型商業施設の「ピエリ守山」なども含まれている。
(3) その他の事業
主にホテルの運営、分譲マンション管理事業、建設・リフォーム業を行っている。ホテル事業については、「エスペリアホテル長崎」(長崎県長崎市、客室数153室)、「GOZAN HOTEL」(京都市東山区、同21室)※を保有するほか、2016年11月期に売却(及びリースバック)した「センターホテル東京」(東京都中央区日本橋、同107室)及び2017年11月期に売却(及びリースバック)した「センターホテル大阪」(大阪市中央区北浜、同84室)の運営を子会社のサン・トーアが行っている。また、子会社のサムティプロパティマネジメント(株)によって、分譲マンション管理(同社分譲物件を中心に外部物件を含む)及び建設・リフォームなども手掛けている。
※2017年6月に新たに取得した物件。
2. 特長
同社の特長は、不動産事業と不動産賃貸事業の2つの事業の組み合わせによる一気通貫型のビジネスモデルにあり、事業としての優位性や収益構造における強みを形成している。
(1) ビジネスモデルの優位性
同社のビジネスモデルの特長は、仕入、開発、賃貸、販売、販売後のマネジメントフィーをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、不動産賃貸事業で培ってきたリーシングノウハウ(賃貸付け)の高さが、不動産事業でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係や交渉力においてもプラスの効果を生み出している。
また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(アセットマネジメント業務やプロパティマネジメント業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。
(2) 収益構造における強み
不動産賃貸事業(ストックビジネス)による安定収入と不動産事業(フロービジネス)による成長加速のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応できるところも強みとなっている。すなわち、景気後退時には不動産賃貸事業が業績の下支えとなる一方、景気拡大(回復)時では不動産事業によって成長を加速することが可能となる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用(そのためのネットワークやノウハウが存在)により固定費を低く抑えていることも景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響等)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さが要因である。一方、好調な事業環境が続いている現状においては、不動産事業が同社の業績の伸びを大きくけん引している。
3. 沿革
同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。森山茂(もりやましげる)氏(現会長)と松下一郎(まつしたいちろう)氏(現副会長)、谷口清春(たにぐちきよはる)氏の3名を中心に不動産の売買・賃貸・管理を開始した。最初は、分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。
2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月からは不動産ファンド向け賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2006年8月にはビジネスホテルを保有及び運営するサン・トーアの株式を取得してホテル事業にも進出。2007年7月には大証ヘラクレス市場(現東証JASDAQ)に上場を果たした。
また、更なる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店を開設し、5年間で着実に事業エリアの拡大も進めてきた。
事業領域の拡大にも積極的に取り組んできた。2006年8月にビジネスホテルを保有・運営するサン・トーアの株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(現サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月にサムティアセットマネジメントを100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはサムティ・レジデンシャル投資法人を東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えた。2015年10月には東証1部へ市場変更となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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