アーバネット Research Memo(7):2018年6月期上期は減収減益ながら、おおむね計画どおりの進捗
[18/03/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
2. 2018年6月期上期決算の概要
アーバネットコーポレーション<3242>の2018年6月期上期の業績は、売上高が前年同期比17.4%減の8,834百万円、営業利益が同30.8%減の1,218百万円、経常利益が同32.3%減の1,105百万円、親会社株主に帰属する純利益が同32.2%減の758百万円と減収減益となったが、おおむね計画どおりの進捗である。
減収となった最大の要因は、「不動産開発販売」の縮小である。自社開発による投資用マンションの販売戸数は7棟295戸(前年同期比10戸増)と微増したものの、前期の特殊要因(大型事業用地の転売)の剥落による反動減(約10億円の減収要因)が大きかったほか、1棟一括直接販売が1棟29戸(前年同期は4棟232戸)と少なかったことが販売単価を押し下げた。もっとも、そこは予定どおりの進捗である。したがって、計画を若干下回ったのは、販売時期の遅れ(期ずれ)※1によるものであり、下期には解消されるものとみられる。また、「不動産仕入販売」及び「その他」も縮小したが、どちらも計画どおりの進捗のようだ。「不動産仕入販売」は買取再販案件が減少したこと、「その他」はホテル事業等の寄与により不動産賃貸収入※2が増えたものの、用地転売の手数料等が減少したことが影響した。
※1 特に、テラスハウスやアパートメントの個別販売に期ずれが生じたようだが、既にめどがついているようだ。
※2 不動産賃貸収入は、前期取得分が期初から寄与したことやホテル事業の開始、今期取得分の貢献などにより、前年同期比約80百万円の増加になったようだ。
利益面でも、減収による収益の押し下げに加えて、1棟一括直接販売がなかったことが売上総利益率の低下(常態化)を招いたが想定内。むしろ、仲介手数料(支払手数料)等の減少を含めて販管費の削減を図ったことから計画を上回る利益水準を確保した。
財務面では、「販売用不動産」や「仕掛販売用不動産」、「固定資産」の増加等により総資産は26,077百万円(前期末比10.7%増)に拡大した一方、株主資本は内部留保の積み増しにより7,388百万円(前期末比6.9%増)となったことから、自己資本比率は28.3%(前期末は29.3%)に若干低下した。ただ、流動比率は260.5%と高い水準にあり財務の安全性に懸念はない。なお、「販売用不動産」(商品在庫)が1,076百万円(前期末比980百万円増)に増えているのは販売時期の期ずれによるものであり、下期の売上高につながるものとして捉えることができる。また、「固定資産」の増加分(前期末比1,067百万円増)はホテル及び収益物件※の取得によるものである。
※ホテル事業への進出により既存6施設を取得したことに加え、収益物件1棟(中古賃貸マンション)も追加取得。
キャッシュ・フローの状況については、営業キャッシュ・フローが今後の成長に向けた「仕掛販売用不動産」の増加(積極的な用地仕入を含む)等によりマイナスとなったほか、投資キャッシュ・フローも賃貸収益物件の取得によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュ・フローは長期借入金により大きくプラスとなったが、「現金及び現金同等物の四半期末残高」は若干減少した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<NB>
2. 2018年6月期上期決算の概要
アーバネットコーポレーション<3242>の2018年6月期上期の業績は、売上高が前年同期比17.4%減の8,834百万円、営業利益が同30.8%減の1,218百万円、経常利益が同32.3%減の1,105百万円、親会社株主に帰属する純利益が同32.2%減の758百万円と減収減益となったが、おおむね計画どおりの進捗である。
減収となった最大の要因は、「不動産開発販売」の縮小である。自社開発による投資用マンションの販売戸数は7棟295戸(前年同期比10戸増)と微増したものの、前期の特殊要因(大型事業用地の転売)の剥落による反動減(約10億円の減収要因)が大きかったほか、1棟一括直接販売が1棟29戸(前年同期は4棟232戸)と少なかったことが販売単価を押し下げた。もっとも、そこは予定どおりの進捗である。したがって、計画を若干下回ったのは、販売時期の遅れ(期ずれ)※1によるものであり、下期には解消されるものとみられる。また、「不動産仕入販売」及び「その他」も縮小したが、どちらも計画どおりの進捗のようだ。「不動産仕入販売」は買取再販案件が減少したこと、「その他」はホテル事業等の寄与により不動産賃貸収入※2が増えたものの、用地転売の手数料等が減少したことが影響した。
※1 特に、テラスハウスやアパートメントの個別販売に期ずれが生じたようだが、既にめどがついているようだ。
※2 不動産賃貸収入は、前期取得分が期初から寄与したことやホテル事業の開始、今期取得分の貢献などにより、前年同期比約80百万円の増加になったようだ。
利益面でも、減収による収益の押し下げに加えて、1棟一括直接販売がなかったことが売上総利益率の低下(常態化)を招いたが想定内。むしろ、仲介手数料(支払手数料)等の減少を含めて販管費の削減を図ったことから計画を上回る利益水準を確保した。
財務面では、「販売用不動産」や「仕掛販売用不動産」、「固定資産」の増加等により総資産は26,077百万円(前期末比10.7%増)に拡大した一方、株主資本は内部留保の積み増しにより7,388百万円(前期末比6.9%増)となったことから、自己資本比率は28.3%(前期末は29.3%)に若干低下した。ただ、流動比率は260.5%と高い水準にあり財務の安全性に懸念はない。なお、「販売用不動産」(商品在庫)が1,076百万円(前期末比980百万円増)に増えているのは販売時期の期ずれによるものであり、下期の売上高につながるものとして捉えることができる。また、「固定資産」の増加分(前期末比1,067百万円増)はホテル及び収益物件※の取得によるものである。
※ホテル事業への進出により既存6施設を取得したことに加え、収益物件1棟(中古賃貸マンション)も追加取得。
キャッシュ・フローの状況については、営業キャッシュ・フローが今後の成長に向けた「仕掛販売用不動産」の増加(積極的な用地仕入を含む)等によりマイナスとなったほか、投資キャッシュ・フローも賃貸収益物件の取得によりマイナスとなった。一方、財務キャッシュ・フローは長期借入金により大きくプラスとなったが、「現金及び現金同等物の四半期末残高」は若干減少した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
<NB>