プレサンス Research Memo(1):2018年3月期業績予想は上方修正し大幅な増収増益の見込み
[18/03/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
プレサンスコーポレーション<3254>は、ファミリーマンション及びワンルームマンションの企画・開発・分譲を手掛ける独立系デベロッパーである。近畿圏及び中京・東海圏ではマンション供給戸数No.1であり、全国でも準大手となる。都心主要駅から徒歩10分以内の利便性の良い立地に、自社で企画開発するプレサンスシリーズのマンションを展開する。士気の高い販売部隊が強みであり、完成在庫の売れ残りは極めて少ない。1997年の設立以来、順調な成長を続けており、2007年に東証2部上場、リーマンショックにも大きな影響を受けずに2013年には東証1部上場を果たし、2015年に「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に選定されている。
1. 事業内容
主力事業はワンルームマンション及びファミリーマンションの開発及び販売である。創業からの中核事業であるワンルームマンション販売は、住戸専用面積で20〜50平方メートル、都心の主要駅より徒歩5分圏内で利便性に富む立地に建設され、「プレサンス」ブランドで販売される。売上構成比は28.1%(2018年3月期第3四半期)である。ファミリーマンション販売は、住戸専用面積で50〜100平方メートル、主要駅より徒歩10分圏内で環境性に富む立地に建設され、「プレサンス ロジェ」などのブランドで販売される。売上構成比で44.7%(同)を占める。この他に一棟販売16.9%(同)、ホテル販売2.7%(同)、その他3.4%(同)などがある。
同社のビジネスモデルは、社内競争が活発で士気の高い営業部隊が在庫を売り切る「販売力」、金融機関から有利な条件を引き出す「財務力」、積極的な土地の「仕入れ力」、コストパフォーマンスの高い「商品力」が相互に好循環し、強固な優位性が形成されている点に特長がある。
2. 業績動向
2018年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前期比38.5%増の101,024百万円、営業利益が同35.7%増の16,891百万円、経常利益が同34.7%増の16,557百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同36.6%増の11,247百万円となり、売上・各利益ともに30%を超える成長となった。主力のワンルームマンション販売とファミリーマンション販売が順調に売上高を伸ばし、仕入れ強化により一棟販売も大幅増、さらに今期からホテル販売(2棟)の引き渡しが始まり売上計上された。特にファミリーマンションにおいては想定を超える伸びとなり上方修正につながった。
2018年3月期通期の連結業績予想は、第3四半期時点で上方修正された。売上高が前期比29.3%増の130,664百万円、営業利益が同28.7%増の20,144百万円、経常利益が同27.0%増の19,572百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.0%増の13,368百万円と増収及び増益が拡大する予想だ。期中に予定されている大型ファミリーマンション「プレサンス レジェンド 堺筋本町タワー(337戸)」の引き渡しは契約済が300戸を越えて順調。売上高実績と売上計上予定を合わせると第3四半期時点で上方修正した売上高予想に対する進捗率は99.2%に達している。2018年3月期売上高予想に対する第3四半期実績の進捗率は77.3%(前期72.4%)、営業利益予想に対する第3四半期実績の進捗率は83.9%(前期80.5%)であることや同社の計画精度の高さを勘案すると、修正予想の達成は確実性が高いと判断できる。
3. 成長戦略
同社は潤沢な内部留保を背景に、マンション用地の取得強化を継続してきた。2018年3月期第3四半期末の仕掛販売用不動産は157,900百万円、販売用不動産は15,646百万円。これらの合計から工事代などを差し引いた取得済用地の資産額は106,173百万円である。これらの土地をマンション戸数に換算すると、ファミリーマンション3.4年分、ワンルームマンション3.1年分、一棟販売2.9年分に相当する。積極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、情報力が寄与している。リーマンショック時も用地を買い続けた実績や審査・回答の早さが同社の強みであり、地場の不動産業者からの一次情報を獲得するうえで有利に働く。
4. 株主還元
2018年3月期の1株当たり配当金予想は年間29.40円(上期末12.50円、下期末16.90円)に上方修正され3期連続の増配を予想する。これは利益予想の上方修正(第3四半期)を受けて行われたものであり、期初予想は年間25.00円(上期末12.50円、下期末12.50円)だった。同社は配当性向を継続的に向上させていく方向性も示している。2016年3月期に9.8%だった配当性向を2018年3月期には13.0%まで上げる予想だ。利益増加と配当性向上昇の両方が重なるため、増配ペースの加速が期待できる。
■Key Points
・2018年3月期業績予想は上方修正。大幅な増収増益の見込み
・2018年3月期配当予想は年29.40円配当に上方修正。増益と配当性向上昇の両面で増配ペース加速
・首都圏に比べてマンション市場の過熱感がない近畿圏、中京・東海圏で、価格競争力のあるマンションを提供
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<NB>
プレサンスコーポレーション<3254>は、ファミリーマンション及びワンルームマンションの企画・開発・分譲を手掛ける独立系デベロッパーである。近畿圏及び中京・東海圏ではマンション供給戸数No.1であり、全国でも準大手となる。都心主要駅から徒歩10分以内の利便性の良い立地に、自社で企画開発するプレサンスシリーズのマンションを展開する。士気の高い販売部隊が強みであり、完成在庫の売れ残りは極めて少ない。1997年の設立以来、順調な成長を続けており、2007年に東証2部上場、リーマンショックにも大きな影響を受けずに2013年には東証1部上場を果たし、2015年に「JPX日経インデックス400」の構成銘柄に選定されている。
1. 事業内容
主力事業はワンルームマンション及びファミリーマンションの開発及び販売である。創業からの中核事業であるワンルームマンション販売は、住戸専用面積で20〜50平方メートル、都心の主要駅より徒歩5分圏内で利便性に富む立地に建設され、「プレサンス」ブランドで販売される。売上構成比は28.1%(2018年3月期第3四半期)である。ファミリーマンション販売は、住戸専用面積で50〜100平方メートル、主要駅より徒歩10分圏内で環境性に富む立地に建設され、「プレサンス ロジェ」などのブランドで販売される。売上構成比で44.7%(同)を占める。この他に一棟販売16.9%(同)、ホテル販売2.7%(同)、その他3.4%(同)などがある。
同社のビジネスモデルは、社内競争が活発で士気の高い営業部隊が在庫を売り切る「販売力」、金融機関から有利な条件を引き出す「財務力」、積極的な土地の「仕入れ力」、コストパフォーマンスの高い「商品力」が相互に好循環し、強固な優位性が形成されている点に特長がある。
2. 業績動向
2018年3月期第3四半期の連結業績は、売上高が前期比38.5%増の101,024百万円、営業利益が同35.7%増の16,891百万円、経常利益が同34.7%増の16,557百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同36.6%増の11,247百万円となり、売上・各利益ともに30%を超える成長となった。主力のワンルームマンション販売とファミリーマンション販売が順調に売上高を伸ばし、仕入れ強化により一棟販売も大幅増、さらに今期からホテル販売(2棟)の引き渡しが始まり売上計上された。特にファミリーマンションにおいては想定を超える伸びとなり上方修正につながった。
2018年3月期通期の連結業績予想は、第3四半期時点で上方修正された。売上高が前期比29.3%増の130,664百万円、営業利益が同28.7%増の20,144百万円、経常利益が同27.0%増の19,572百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同27.0%増の13,368百万円と増収及び増益が拡大する予想だ。期中に予定されている大型ファミリーマンション「プレサンス レジェンド 堺筋本町タワー(337戸)」の引き渡しは契約済が300戸を越えて順調。売上高実績と売上計上予定を合わせると第3四半期時点で上方修正した売上高予想に対する進捗率は99.2%に達している。2018年3月期売上高予想に対する第3四半期実績の進捗率は77.3%(前期72.4%)、営業利益予想に対する第3四半期実績の進捗率は83.9%(前期80.5%)であることや同社の計画精度の高さを勘案すると、修正予想の達成は確実性が高いと判断できる。
3. 成長戦略
同社は潤沢な内部留保を背景に、マンション用地の取得強化を継続してきた。2018年3月期第3四半期末の仕掛販売用不動産は157,900百万円、販売用不動産は15,646百万円。これらの合計から工事代などを差し引いた取得済用地の資産額は106,173百万円である。これらの土地をマンション戸数に換算すると、ファミリーマンション3.4年分、ワンルームマンション3.1年分、一棟販売2.9年分に相当する。積極的な仕入れを可能にしているのは資金力だけではなく、情報力が寄与している。リーマンショック時も用地を買い続けた実績や審査・回答の早さが同社の強みであり、地場の不動産業者からの一次情報を獲得するうえで有利に働く。
4. 株主還元
2018年3月期の1株当たり配当金予想は年間29.40円(上期末12.50円、下期末16.90円)に上方修正され3期連続の増配を予想する。これは利益予想の上方修正(第3四半期)を受けて行われたものであり、期初予想は年間25.00円(上期末12.50円、下期末12.50円)だった。同社は配当性向を継続的に向上させていく方向性も示している。2016年3月期に9.8%だった配当性向を2018年3月期には13.0%まで上げる予想だ。利益増加と配当性向上昇の両方が重なるため、増配ペースの加速が期待できる。
■Key Points
・2018年3月期業績予想は上方修正。大幅な増収増益の見込み
・2018年3月期配当予想は年29.40円配当に上方修正。増益と配当性向上昇の両面で増配ペース加速
・首都圏に比べてマンション市場の過熱感がない近畿圏、中京・東海圏で、価格競争力のあるマンションを提供
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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