グリムス Research Memo(6):エネルギーソリューションカンパニーとして小売電気事業を原動力に成長を目指す
[18/03/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中長期の成長戦略
1. 新中期経営計画の定量目標
グリムス<3150>では2017年6月28日に「2017中期経営計画」を発表した。今後3年間は、これまで築いてきた顧客基盤を活用し、新たな事業領域としてスタートした小売電気事業を推進することで、売上と利益の増加を目指す。2020年3月期には、売上高15,100百万円(2017年3月期実績比2.12倍)、営業利益1,300百万円(同1.73倍)、経常利益1,318百万円(同1.64倍)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(同1.58倍)への拡大を計画する。
前述のとおり、同社は2018年3月期の営業利益予想を上方修正し、2019年3月期計画の1,000百万円を1年前倒しで達成する見通しであることから、中期経営計画の達成確度は高いと考えられる。
2. 事業別の戦略
エネルギーコストソリューション事業では、既存事業を着実に拡充していき、電力の取次の新規開拓を推進することで、リプレイス収益や電力取次手数料といったストック収益の強化を図り、収益基盤を強化する。また、既存顧客へのLED照明等のクロスセルを促進し、収益力の増強を図る。2020年3月期には売上高3,831百万円(2017年3月期実績比1.14倍)、全社費用控除前の営業利益1,003百万円(同1.11倍)を見込む。
スマートハウスプロジェクト事業においては、引き続き催事販売による住宅用太陽光発電システムの販売拡充や蓄電池のセット販売を強化するとともに、ハウスメーカー等との提携販売の推進や、VPP参画により、収益機会を拡大する。2020年3月期に売上高4,103百万円(2017年3月期実績比1.11倍)、全社費用控除前の営業利益299百万円(同1.28倍)を計画する。
中期利益計画を達成するうえでの原動力である小売電気事業は、割安な電気を供給するのはもちろんのこと、これまでエネルギーコストソリューション事業にて開拓してきた既存顧客への販売に注力することを戦略とする。電力コスト削減のコンサルティングにより実際に電力コストの削減を体感している顧客を対象とするため非常に成約率が高い。また、一般家庭に比べて負荷率が低く電力使用量が多い事業者を対象としているため、他の小売電気事業者に対し収益性の面で差別化を図っている。そのように、顧客基盤を活用した販売を促進することで、同社グループ全体の強みを最大限生かし、売上高及び利益を拡大することを計画している。2020年3月期には売上高7,165百万円とセグメント中で最大規模になり、営業利益も537百万円に成長すると予想する。今後3年間は、エネルギーコストソリューション事業とスマートハウスプロジェクト事業では売上高・利益ともに緩やかな増加にとどまるのに対し、小売電気事業の急成長が同社全体の成長に大きく貢献する見通しである。
2016年4月からの電力小売全面自由化により、同社にとって電力市場は拡大すると見込まれる。同社グループは一般家庭や町工場等が対象の低圧電力市場(契約電力50kW未満)から、工場、スーパー、ビル等が対象の高圧電力市場(同50kW以上)までの全ての領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。低圧電力から高圧電力まですべてにラインアップを備えており、かつ営業力もあるのが同社グループの特徴である。
現状、同社グループは低圧需要家(電子ブレーカー)約4万3千件、高圧需要家(電力取次)約1,600件、一般家庭(太陽光発電)約1万2千件など豊富な顧客基盤を有する。また、既存顧客(低圧需要家)へ小売提案を行う際の電力会社からの乗り換え率約80%と、高い顧客満足度を実現している。さらには、住宅用太陽光発電の2019年問題(現行の自家消費分を上回る余剰電力を電力会社が買い取る制度が、制度導入から10年後の2019年10月に保証期間が切れ始める問題)により蓄電池市場が急拡大すると見込まれるなか、同社グループは2016年には蓄電池約1千台を販売し(市場全体では約4万台)、成長分野への展開力に優れている。弊社では、同社グループの強みである「豊富な顧客基盤」、「高い顧客満足度」、「成長分野への展開力」を生かせば、会社計画を上回る業績の達成も可能と考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 新中期経営計画の定量目標
グリムス<3150>では2017年6月28日に「2017中期経営計画」を発表した。今後3年間は、これまで築いてきた顧客基盤を活用し、新たな事業領域としてスタートした小売電気事業を推進することで、売上と利益の増加を目指す。2020年3月期には、売上高15,100百万円(2017年3月期実績比2.12倍)、営業利益1,300百万円(同1.73倍)、経常利益1,318百万円(同1.64倍)、親会社株主に帰属する当期純利益800百万円(同1.58倍)への拡大を計画する。
前述のとおり、同社は2018年3月期の営業利益予想を上方修正し、2019年3月期計画の1,000百万円を1年前倒しで達成する見通しであることから、中期経営計画の達成確度は高いと考えられる。
2. 事業別の戦略
エネルギーコストソリューション事業では、既存事業を着実に拡充していき、電力の取次の新規開拓を推進することで、リプレイス収益や電力取次手数料といったストック収益の強化を図り、収益基盤を強化する。また、既存顧客へのLED照明等のクロスセルを促進し、収益力の増強を図る。2020年3月期には売上高3,831百万円(2017年3月期実績比1.14倍)、全社費用控除前の営業利益1,003百万円(同1.11倍)を見込む。
スマートハウスプロジェクト事業においては、引き続き催事販売による住宅用太陽光発電システムの販売拡充や蓄電池のセット販売を強化するとともに、ハウスメーカー等との提携販売の推進や、VPP参画により、収益機会を拡大する。2020年3月期に売上高4,103百万円(2017年3月期実績比1.11倍)、全社費用控除前の営業利益299百万円(同1.28倍)を計画する。
中期利益計画を達成するうえでの原動力である小売電気事業は、割安な電気を供給するのはもちろんのこと、これまでエネルギーコストソリューション事業にて開拓してきた既存顧客への販売に注力することを戦略とする。電力コスト削減のコンサルティングにより実際に電力コストの削減を体感している顧客を対象とするため非常に成約率が高い。また、一般家庭に比べて負荷率が低く電力使用量が多い事業者を対象としているため、他の小売電気事業者に対し収益性の面で差別化を図っている。そのように、顧客基盤を活用した販売を促進することで、同社グループ全体の強みを最大限生かし、売上高及び利益を拡大することを計画している。2020年3月期には売上高7,165百万円とセグメント中で最大規模になり、営業利益も537百万円に成長すると予想する。今後3年間は、エネルギーコストソリューション事業とスマートハウスプロジェクト事業では売上高・利益ともに緩やかな増加にとどまるのに対し、小売電気事業の急成長が同社全体の成長に大きく貢献する見通しである。
2016年4月からの電力小売全面自由化により、同社にとって電力市場は拡大すると見込まれる。同社グループは一般家庭や町工場等が対象の低圧電力市場(契約電力50kW未満)から、工場、スーパー、ビル等が対象の高圧電力市場(同50kW以上)までの全ての領域で、エネルギーに関する幅広い商品・サービスを提供している。低圧電力から高圧電力まですべてにラインアップを備えており、かつ営業力もあるのが同社グループの特徴である。
現状、同社グループは低圧需要家(電子ブレーカー)約4万3千件、高圧需要家(電力取次)約1,600件、一般家庭(太陽光発電)約1万2千件など豊富な顧客基盤を有する。また、既存顧客(低圧需要家)へ小売提案を行う際の電力会社からの乗り換え率約80%と、高い顧客満足度を実現している。さらには、住宅用太陽光発電の2019年問題(現行の自家消費分を上回る余剰電力を電力会社が買い取る制度が、制度導入から10年後の2019年10月に保証期間が切れ始める問題)により蓄電池市場が急拡大すると見込まれるなか、同社グループは2016年には蓄電池約1千台を販売し(市場全体では約4万台)、成長分野への展開力に優れている。弊社では、同社グループの強みである「豊富な顧客基盤」、「高い顧客満足度」、「成長分野への展開力」を生かせば、会社計画を上回る業績の達成も可能と考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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