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ALBERT Research Memo(1):経営体制の刷新により、新生ALBERTが再成長に向けて動き出す

注目トピックス 日本株
■要約

ALBERT<3906>は、ディープラーニング等の機械学習技術をベースとしたビッグデータの分析サービスや分析モデルの開発を行うAI関連テクノロジー企業。ビッグデータの分析に必要とされるデータサイエンティストは約100名と業界でトップクラスの規模。売上形態は顧客ごとのニーズに合わせて分析サービスを提供するプロジェクト型と、自社開発した製品を販売するプロダクト型に分かれる。

1. 経営体制刷新と事業構造改革で2018年12月期は黒字転換見通し
同社は2015年の株式上場以来、営業損失を継続的に計上し続けてきたが、2016年12月に(株)ウィズ・パートナーズのファンドから資金を得ると同時に、共同で企業価値向上に向けた施策に取り組む方針を発表、経営体制や事業戦略の見直しを1年かけて進めてきた。2017年12月期の業績は売上高で前期比7.3%増の872百万円、営業損失で161百万円(前期は107百万円の損失)と損失計上となったものの、2018年12月期は経営体制も刷新し、2017年12月期(下期)からの事業構造改革の効果も出て、売上高は前期比37.6%増の1,200百万円と過去最高を3期ぶりに更新、営業利益は20百万円と黒字に転換する見通しとなっている。自動車業界や通信業界からの引き合いが想定以上に好調であることから、業績予想が上振れする可能性もあると弊社では見ている。

2. 2018年12月期の事業方針
2018年12月期は「体制の改編」「重点産業・顧客のスコープ」「ケーパビリティの確保」の3つの基本戦略を実行していく。「体制の改編」では、今までマーケティング分野及びプロダクト型売上に偏っていた事業構造を見直し、引き合いが旺盛なIoTや自動運転技術領域等の成長分野に事業領域を広げ、プロジェクト型のビッグデータ分析サービスで収益拡大に注力していく。そのための社内組織体制および管理体制も大きく変更し、内部稼働率を向上させることで利益率も同時に改善していく。重点顧客ターゲットとなるのは自動車(自動運転)、通信・流通、製造、金融分野のリーディングカンパニーで、顧客の数を追わずに1社当たりの売上高拡大に注力していく方針だ。旺盛なニーズに対応するためデータサイエンティストの育成基盤も整備する(=ケーパビリティの確保)。2017年に提携した技術派遣サービス会社の(株)テクノプロと共同で、同社の開発する教育プログラムにより2018年は200名程度の育成対象者を見込んでいる。

3. AI・高性能チャットボット「Proactive AI」も導入が進む
2017年4月に正式版をリリースしたAI・高性能チャットボット「Proactive AI」も今後の成長が期待される。既に、キリン(株)(キリンホールディングス<2503>)や渋谷区等への導入実績があるが、自然言語処理技術や高精度な機械学習技術によって、高い認識率と回答率が得られているようで、顧客からの評価も高く、引き合いも大手企業を中心に増えているようだ。BtoCだけでなく、BtoBやBtoE(社内向け)等、様々な領域での活用が可能で、人手不足が慢性化するなか、更なるニーズの拡大が見込まれる。同製品は初期導入費用とPV数に合わせた月額の従量課金制のため、導入件数が拡大すれば安定したストック型の収益基盤として同社の収益の下支え役になることが期待される。

■Key Points
・2005年創業のAI技術を用いたデータ分析・コンサルティング会社で、データサイエンティストの質と量では業界トップクラス
・組織改編とデータサイエンティストの育成、重点産業・顧客の絞り込みにより、利益を稼ぎながら高成長を実現する戦略にシフト
・データサイエンティストの総合力を強みとした拡大戦略を推進

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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