JIGーSAW Research Memo(1):成長続く継続課金モデルのマネジメントサービス事業
[18/03/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
JIG-SAW<3914>は、自動検知・自動制御をコンセプトとするシステムのマネジメントサービス事業を展開している。
1. 会社概要と強み
同社は主に各種物理サーバ・クラウドサーバ・ハイブリッドサーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュール等を対象としたインターネットシステム自動運用等の提供を主力事業としている。顧客特性の詳細な開示はないが、通信キャリアや放送局、セキュリティ・ソフト会社などの大手企業から中小企業まで、同社が監視しているサーバ数は数万に達するとしている。
同社の強みは、1)ストック型・月額課金モデルの事業展開、2)独自の基盤技術をベースにしたオリジナル・ツールだからこその柔軟性・拡張性、3)M&Aを含むパートナー戦略、などである。
2. A&AとE2Eをコンセプトとする多種多様なマネジメントサービスの提供を目指す
オートセンサリング&オートディレクション(Auto Sensor-ing & Auto Direction、以下、A&A)は自動検知及び自動制御という意味、End-to-End(以下、E2E)は端から端までという意味であり、同社はこの2つをコンセプトとして、あらゆる種類のマネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュールまで通信・ネットワークの全体(Internet of Everything、IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。
A&AとE2Eというコンセプトを実際のサービスに落とし込むことを可能としているのが、OS技術を核とする「ソフトウェア、ハードウェア、信号制御」という3つの基盤技術である。独自技術によるオリジナル・ツールだからこその高い柔軟性と拡張性により、顧客が求める多種多様なマネジメントサービスを提供できる。
3. パートナー戦略を活用したイノベーションが成長の推進力
同社は、独自技術をコアコンピタンスとしながらも、事業拡大やイノベーションを加速するために、M&Aを含むパートナー戦略を推進している。
2015年以降、同社グループのホームページに開示されているものだけでも、ispase、kudan、モビコム、ラピスセミコンダクター(ロームグループ)、Altair Semiconductor、冨田岩手大教授、Litmus Automation、など有力企業を含むパートナーとの連携が見て取れる。また、セールス・マーケティング分野においても、200社程度のパートナーと連携しているもようである。その結果、連結売上のうち、パートナー経由の比率は40%程度にまで達している感触である。
4. 2017年12月期決算と2018年12月期業績見通し
同社の2017年12月期連結業績は、売上高が前期比16.8%増の1,296百万円、営業利益が同27.3%増の325百万円で着地した。マネジメントサービスは堅調な受注積み上げと低い解約率を維持、継続的成長を実現している。売上高営業利益率は25.1%、ROEは24.7%、ROA(総資産経常利益率)22.7%といずれも高水準を維持しつつ前期から良化している。2018年12月期は、同社を取り巻く事業環境が大きく伸長することを鑑み、業績予想を非開示としているが引き続き増収増益による最高益の更新を見込んでいる。
■Key Points
・典型的なストック型・月額課金モデルのマネジメントサービス事業は、高い継続率とアップセルの両立実現で着実に成長。それを支えているのが、独自技術をベースにしたオリジナル・ツールの柔軟性と拡張性である。
・同社が推進するパートナー戦略の方向性がはっきりしてきた。IoTデバイスそのものに同社のソフトウェア技術を組み込むための布石は着実に打たれつつある。
・2017年12月期連結業績は売上高及び営業利益ともに過去最高を更新。売上高営業利益率は25.1%、ROEは24.7%と高水準を維持しつつ、前期から良化している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
<MW>
JIG-SAW<3914>は、自動検知・自動制御をコンセプトとするシステムのマネジメントサービス事業を展開している。
1. 会社概要と強み
同社は主に各種物理サーバ・クラウドサーバ・ハイブリッドサーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュール等を対象としたインターネットシステム自動運用等の提供を主力事業としている。顧客特性の詳細な開示はないが、通信キャリアや放送局、セキュリティ・ソフト会社などの大手企業から中小企業まで、同社が監視しているサーバ数は数万に達するとしている。
同社の強みは、1)ストック型・月額課金モデルの事業展開、2)独自の基盤技術をベースにしたオリジナル・ツールだからこその柔軟性・拡張性、3)M&Aを含むパートナー戦略、などである。
2. A&AとE2Eをコンセプトとする多種多様なマネジメントサービスの提供を目指す
オートセンサリング&オートディレクション(Auto Sensor-ing & Auto Direction、以下、A&A)は自動検知及び自動制御という意味、End-to-End(以下、E2E)は端から端までという意味であり、同社はこの2つをコンセプトとして、あらゆる種類のマネジメントサービスをクラウドサーバや物理サーバ、IoTデバイス及び通信チップ・モジュールまで通信・ネットワークの全体(Internet of Everything、IoE市場)を対象に提供していくことを目指している。
A&AとE2Eというコンセプトを実際のサービスに落とし込むことを可能としているのが、OS技術を核とする「ソフトウェア、ハードウェア、信号制御」という3つの基盤技術である。独自技術によるオリジナル・ツールだからこその高い柔軟性と拡張性により、顧客が求める多種多様なマネジメントサービスを提供できる。
3. パートナー戦略を活用したイノベーションが成長の推進力
同社は、独自技術をコアコンピタンスとしながらも、事業拡大やイノベーションを加速するために、M&Aを含むパートナー戦略を推進している。
2015年以降、同社グループのホームページに開示されているものだけでも、ispase、kudan、モビコム、ラピスセミコンダクター(ロームグループ)、Altair Semiconductor、冨田岩手大教授、Litmus Automation、など有力企業を含むパートナーとの連携が見て取れる。また、セールス・マーケティング分野においても、200社程度のパートナーと連携しているもようである。その結果、連結売上のうち、パートナー経由の比率は40%程度にまで達している感触である。
4. 2017年12月期決算と2018年12月期業績見通し
同社の2017年12月期連結業績は、売上高が前期比16.8%増の1,296百万円、営業利益が同27.3%増の325百万円で着地した。マネジメントサービスは堅調な受注積み上げと低い解約率を維持、継続的成長を実現している。売上高営業利益率は25.1%、ROEは24.7%、ROA(総資産経常利益率)22.7%といずれも高水準を維持しつつ前期から良化している。2018年12月期は、同社を取り巻く事業環境が大きく伸長することを鑑み、業績予想を非開示としているが引き続き増収増益による最高益の更新を見込んでいる。
■Key Points
・典型的なストック型・月額課金モデルのマネジメントサービス事業は、高い継続率とアップセルの両立実現で着実に成長。それを支えているのが、独自技術をベースにしたオリジナル・ツールの柔軟性と拡張性である。
・同社が推進するパートナー戦略の方向性がはっきりしてきた。IoTデバイスそのものに同社のソフトウェア技術を組み込むための布石は着実に打たれつつある。
・2017年12月期連結業績は売上高及び営業利益ともに過去最高を更新。売上高営業利益率は25.1%、ROEは24.7%と高水準を維持しつつ、前期から良化している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田吉弘)
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