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ネクステージ Research Memo(4):新たな店舗業態の推進により、高い成長性を回復

注目トピックス 日本株
■ネクステージ<3186>の事業概要

(2) 新業態店舗の導入
2016年11月期に重点課題を抽出し、店舗構成の見直しを図った。新しい店舗業態は、エッジを効かせた専門店「SUV LAND」と顧客の生涯価値「ライフタイム・バリュー」の獲得を目指す、以前より大型の「総合店」の展開である。新たな店舗展開は、2016年11月期の経常利益が期初予想を39.1%上回り、前期比55.7%増となり、効果が出た。

a) エッジを効かせた専門店「SUV LAND」
2015年8月に愛知県名古屋市に展示車両数で日本最大級のSUV専門店「SUV LAND名古屋」をオープンした。店舗の新しいコンセプトは、SUVを主要商材とする大型専門店である。品ぞろえは、国産SUV、軽SUV、輸入SUVと幅広く取りそろえ、SUVとニーズが近いミニバンも置く。展示車数は常時約250台と、近隣店舗の50〜100台程度を大きく上回り、商品の豊富さで他店の追随を許さない。

1号店が極めて好調に推移したことから、既存の複合店を前倒しで業態変更した。2016年11月期末には、新規出店を含め、期初計画よりも2店舗多い6店舗とした。

「SUV LAND」は大型専門店になるため、ターゲットとなるエリアは人口100万人以上の政令指定都市となる。2017年11月期末の店舗数は6店舗であるが、2018年11月期に2店舗の新規出店を計画している。

「SUV LAND」のビジネスコンセプトをSTPで見る。市場セグメントは、アウトドアや家族で野外活動を楽しむ顧客ニーズに対応するSUV専門店となる。ターゲット層は、『モノ』より『コト』を重視する活動的な消費者となる。顧客層を狭めないため、品ぞろえはSUVだけでなくコンパクト、ミニバン、スバル車、軽自動車、輸入車から消費者の特性に沿う車種を取りそろえる。ポジショニングは、圧倒的な在庫台数の多さを誇る地域一番店となる。専門店を大型化しても、趣味性が高いため通常より広い商圏の顧客を対象とすることができる。

「SUV LAND」は、SUVと新たなライフスタイルを提案する体験型店舗であることから、車両を単に展示販売するだけでなく、来場者が楽しめる企画を打ち出している。「SUV LAND 金沢」は、店内にテントやBBQグリルをディスプレイし、ログハウスのシアタールームを設けることでキャンプ場に居るような臨場感を演出している。顧客との商談スペースは、すべてキャンプ用テーブルとイスを使用するなど遊び心にあふれている。消費者は、ショッピングにおいて購買プロセスを楽しむことができる。来店を誘引するために毎月開催するイベントを通して、SUVを所有する喜びを伝える。消費者に『モノ』から『コト』へ、ライフスタイルを提案している。SUV LANDやSUV専門店を複数店運営していることから、訪問店舗の展示車だけでなく、同社グループの在庫が選択対象となる。

「SUV LAND」の1号店を出店してから2年経過した2017年8月に、店舗数は6店舗に増え、同業態店舗による累計販売台数が1万台に達した。購買層の年齢別構成比を調べたところ、SUV LANDの店舗では20代が30%、30代が31%を占め、20・30代で計61%となった。同社の全店ベースの同様の構成比は20代が22%、30代が24%、都合46%であった。若者のクルマ離れが言われて久しいが、SUV LANDは店舗のコンセプト通りにターゲットとする購買層を引き付けることに成功している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)


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