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SBSHD Research Memo(1):成長戦略と、EC市場の拡大を追い風に安定成長が続く見通し

注目トピックス 日本株
■要約

SBSホールディングス<2384>は、3PL(物流一括受託サービス)の大手で、積極的なM&Aと物流施設の開発及び流動化による独自ビジネスモデルで成長を続けている。国内物流事業の売上高構成比は食品物流が56%、一般物流が37%、即日配送が7%を占める。2016年3月にインドの国際物流会社SBS Transpole Logistics Pvt. Ltd.(以下、Transpole)を含む海外6社の株式を売却し、海外戦略は一旦後退したが、体制を整えた上で再度アジア市場をターゲットに海外展開も進めてく方針だ。

1. 2017年12月期は不動産開発事業を除いたベースで増収増益を継続
2017年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.6%増の152,870百万円、営業利益で同17.1%減の6,229百万円となった。物流事業は新規案件の獲得が3PLも含め順調に進んだほか、EC市場の拡大を受け即日配送事業も好調に推移したことから増収増益となったが、不動産開発事業における物流施設の売却案件が前期よりも小規模にとどまったことにより、全体では営業減益となった。ただ、期初会社計画比では売上高、営業利益ともに若干上回って着地している。また、不動産開発事業を除いたベースで見れば、売上高で前期比5.9%増、営業利益で同18.8%増と増収増益基調が続いている。

2. 2018年12月期は増収増益に転じる見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比4.7%増の160,000百万円、営業利益で同12.4%増の7,000百万円となる見通し。このうち、物流事業の売上高はEC需要の拡大を追い風に前期比3.6%増となり、営業利益も人件費や燃料費等のコスト増要因はあるものの、効率の改善を進めることで同20.7%増と2ケタ増益が見込まれる。不動産事業も大規模物流センターの売却予定があることから、売上高で同30.5%増、営業利益で同5.2%増の増収増益に転じる見通し。物流事業のうち、3PLの売上高は前期比3.7%増と前期の7.6%増収から鈍化する見込みとなっているが、これは新規契約分を織り込んでいない保守的な計画となっているため。市場環境に変化がなければ前期並みの増収率は可能と見られる。

3. 2020年にグループ最大規模の物流施設を開設予定
新規物流施設の建設計画としては、2018年4月に阿見物流センター(茨城県)、2019年1月に仮称・大阪南港物流センター(大阪府)がそれぞれ竣工予定となっている。また、千葉県内でグループ最大規模となる野田市瀬戸センター(仮称)の建設プロジェクトが進んでいる。総投資額350億円をかけ、2020年秋に第1棟、2022年に第2棟が完成する予定で、合計約7万坪の倉庫面積となる。既に、複数の顧客から引き合いが入っており、竣工後も順調に立ち上がることが見込まれる。2017年12月末時点の同社グループの倉庫面積は約33万坪で、これら3つの物流施設が完成すれば倉庫能力は約28%拡大することになる。このため、3PL事業を含めて同社の物流事業は今後も着実な成長が続くものと予想される。

4. ITを活用したマッチングサービスにも注目
同社はトラック物流の効率化に寄与する新規事業として、配車マッチングのプラットフォームサービス「iGOQ(イゴーク)」を2017年秋より開始した。荷主からの配送依頼に対し、あらかじめiGOQに登録した車両の中から条件が合致する空車に発注するマッチングサービスとなる。条件交渉のプロセスを排除し物流事業者の最低受注金額を保障する点が、他の類似サービスとは一線を画し、登録事業者にとっては効率的な売上拡大が期待できる。マッチングを活用しないときは、事業者内で完結する動態管理システムとして無償利用が可能。2018年2月時点で約100社の物流事業者が導入している。無償で利用できる動態管理機能で事業者の登録を促進しつつ、空車の登録数を増加させていきたい考え。シェアリングエコノミーの一例として今後の動向が注目される。

■Key Points
・ 2018年12月期は全ての事業セグメントで増収増益となり、売上高で過去最高を更新、営業利益、経常利益は2期ぶりに増益に転じる見通し
・過去最大規模の物流拠点を2020年に千葉県内に開設予定、倉庫面積は2017年末から2022年にかけて大幅増となる見通し
・物流シェアリング・プラットフォームサービス「iGOQ」を本格スタート

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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