日本調剤 Research Memo(2):18/3期は増収増益。売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新
[18/06/11]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績の動向
● 2018年3月期決算の概要
日本調剤<3341>の2018年3月期決算は、売上高241,274百万円(前期比8.0%増)、営業利益10,587百万円(同24.3%増)、経常利益10,138百万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,104百万円(同31.6%増)と増収増益で着地した。
事前の会社予想との比較では、売上高が2.8%計画を上回ったほか、営業利益以下の各利益項目も会社予想を5%前後上回った。売上高、営業利益、経常利益については過去最高を更新した。
(1) 調剤薬局事業
2018年3月期は新規に36店(門前型20店、ハイブリッド型16店)を出店する一方8店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は前期末から28店増加し、585店(物販店舗2店舗を含む)となった。
主要KPI(重要経営評価指標)については、全社ベースの処方箋応需枚数は前期比6.1%増の13,739千枚、処方箋単価は同2.5%増の14,739円となった。その内訳として、既存店ベースでは処方箋枚数が同0.9%増、処方箋単価が同2.8%増、既存店売上高が同3.7%増となり、収益力拡大の着実な進捗を確認できた。
利益面では、技術料改善に継続的に取り組んだことで、売上総利益率が16.0%と前期比0.8%ポイント改善した。その結果、売上総利益は同14.6%(4,189百万円)の増益となり、販管費の伸び(同7.0%、1,338百万円の増加)を吸収して営業利益の2,851百万円の増益につなげた。
これらの結果、調剤薬局事業は売上高205,192百万円(前期比8.4%増)、営業利益12,411百万円(同29.8%増)で着地した。売上高、営業利益ともに当初計画を上回った。
(2) 医薬品製造販売事業
医薬品製造販売事業は、売上高は前期比3.4%増の38,066百万円、営業利益は同30.5%減の1,194百万円と、増収減益となった。期初計画に対しては売上高、営業利益ともに下回った。
売上高は、自社薬局チェーン向けの内部販売と、外部販売の2つに大別される。このうち内部販売は調剤薬局事業の拡大に伴い売上高を順調に伸ばした。一方外部販売は採算性を重視するよう販売戦略を見直した結果、微増にとどまった。
利益面では、増収効果による利益増はあったものの、研究開発費の増加や既存設備の更新等に伴う減価償却費負担の増加で、前期比減益となった。減益自体は当初から見込んでいたが、売上高が計画に未達だったことで、減益幅が想定よりも拡大した。
(3) 医療従事者派遣・紹介事業
医療従事者派遣・紹介事業は、売上高は前期比14.0%増の11,970百万円、営業利益は同7.7%増の1,842百万円と増収増益で着地した。計画対比でも、売上高はほぼ計画どおり、営業利益はわずかに未達と順調な進捗を見せた。
売上高については、薬剤師不足を背景に派遣需要が強まるなか、派遣数を増やして増収につなげた。また、業界全体でかかりつけ薬剤師・薬局の取り組みを強化していることなどを背景に紹介件数が伸び、増収に貢献した。
利益面では、増収効果による利益増と粗利益率の高い紹介事業の拡大による利益増があった反面、求人費用の増加や医師紹介事業への取り組み強化に伴う費用増加があり、利益の伸びが計画を若干下回った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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● 2018年3月期決算の概要
日本調剤<3341>の2018年3月期決算は、売上高241,274百万円(前期比8.0%増)、営業利益10,587百万円(同24.3%増)、経常利益10,138百万円(同27.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,104百万円(同31.6%増)と増収増益で着地した。
事前の会社予想との比較では、売上高が2.8%計画を上回ったほか、営業利益以下の各利益項目も会社予想を5%前後上回った。売上高、営業利益、経常利益については過去最高を更新した。
(1) 調剤薬局事業
2018年3月期は新規に36店(門前型20店、ハイブリッド型16店)を出店する一方8店舗を閉鎖した結果、期末店舗数は前期末から28店増加し、585店(物販店舗2店舗を含む)となった。
主要KPI(重要経営評価指標)については、全社ベースの処方箋応需枚数は前期比6.1%増の13,739千枚、処方箋単価は同2.5%増の14,739円となった。その内訳として、既存店ベースでは処方箋枚数が同0.9%増、処方箋単価が同2.8%増、既存店売上高が同3.7%増となり、収益力拡大の着実な進捗を確認できた。
利益面では、技術料改善に継続的に取り組んだことで、売上総利益率が16.0%と前期比0.8%ポイント改善した。その結果、売上総利益は同14.6%(4,189百万円)の増益となり、販管費の伸び(同7.0%、1,338百万円の増加)を吸収して営業利益の2,851百万円の増益につなげた。
これらの結果、調剤薬局事業は売上高205,192百万円(前期比8.4%増)、営業利益12,411百万円(同29.8%増)で着地した。売上高、営業利益ともに当初計画を上回った。
(2) 医薬品製造販売事業
医薬品製造販売事業は、売上高は前期比3.4%増の38,066百万円、営業利益は同30.5%減の1,194百万円と、増収減益となった。期初計画に対しては売上高、営業利益ともに下回った。
売上高は、自社薬局チェーン向けの内部販売と、外部販売の2つに大別される。このうち内部販売は調剤薬局事業の拡大に伴い売上高を順調に伸ばした。一方外部販売は採算性を重視するよう販売戦略を見直した結果、微増にとどまった。
利益面では、増収効果による利益増はあったものの、研究開発費の増加や既存設備の更新等に伴う減価償却費負担の増加で、前期比減益となった。減益自体は当初から見込んでいたが、売上高が計画に未達だったことで、減益幅が想定よりも拡大した。
(3) 医療従事者派遣・紹介事業
医療従事者派遣・紹介事業は、売上高は前期比14.0%増の11,970百万円、営業利益は同7.7%増の1,842百万円と増収増益で着地した。計画対比でも、売上高はほぼ計画どおり、営業利益はわずかに未達と順調な進捗を見せた。
売上高については、薬剤師不足を背景に派遣需要が強まるなか、派遣数を増やして増収につなげた。また、業界全体でかかりつけ薬剤師・薬局の取り組みを強化していることなどを背景に紹介件数が伸び、増収に貢献した。
利益面では、増収効果による利益増と粗利益率の高い紹介事業の拡大による利益増があった反面、求人費用の増加や医師紹介事業への取り組み強化に伴う費用増加があり、利益の伸びが計画を若干下回った。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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