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ODK Research Memo(1):2018年3月期は増収増益、新領域への参入やM&Aにより新たな成長ステージへ

注目トピックス 日本株
■要約

1. 事業領域
ODKソリューションズ<3839>は、機密性の高いデータの大量処理に強みを持つ独立系ITサービス会社。大学入試業務をはじめとする教育業務と、証券会社等のバックオフィス業務の受託といった独自のビジネス領域で情報処理アウトソーシングサービスを提供する。直近では強みを活かして医療やAIといった新たな領域にも進出し始めている。2018年の入試では、約108万人の志願者データを処理、11年連続して大学入試センター試験の志願者数を上回る処理実績を有し、民間企業でシェアトップ。学校法人、証券会社、一般事業会社等に対するシステム運用、システム開発及び保守と機械販売の3事業を手掛ける。業務別では、教育業務、証券・ほふり業務、一般業務、金融業務の4つの業務に分類される。同社の主力は、教育業務と証券・ほふり業務。このほか一般業務を第3の成長ドライバーとしている。

2. 業績動向
2018年3月期連結決算は、売上高は4,898百万円で前期比13.6%増、営業利益は365百万円で同125.1%増、経常利益は387百万円で同110.9%増、親会社株主に帰属する当期純利益は258百万円で同113.3%増であった。
増収要因は、教育業務における新規受託や処理件数増、ファルコバイオシステムズ(ファルコホールディングス<4671>のグループ企業)の臨床検査システムの運用業務等により、システム運用が4,373百万円(前期比12.2%増)となったこと、システム開発が証券総合システム「SENS21」の導入開発等により514百万円(同26.0%増)となったこと等である。

2019年3月期の連結業績予想については、売上高で前期比6.2%増の5,200百万円、営業利益は同9.8%減の330百万円、経常利益で同12.2%減の340百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同7.2%減の240百万円と増収減益の計画になっている。増収ながら減益になる要因は、1)2018年3月期に教育業務において臨時対応にともなう一時的な収益計上があったこと、2)金融業務(日本証券金融向け業務)の終了等を挙げることができる。しかし、直近の取組みの成果が出つつあり、増収傾向が鮮明になっているため、想定外の大きな減益要因が発生しない限りは、おおむね前期と同等以上の利益水準は確保できるものと考える。

3. 中期経営計画
同社は、2018年3月期実績の状況を踏まえて経営環境変化に対応し、前年の中期経営計画を見直し、ロールオーバーした新中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期)を公表した。新中期経営計画では、目標を「新しいODKへのモデルチェンジ」から「ODKを次のステージへ」と変更。2018年3月期の好業績で、それまでの証券金融グループ主体の事業モデルから脱却し、独立系ITサービス企業としての収益基盤が確立できたことにより、新たな事業成長ステージに向けて、既存事業の収益性のさらなる向上と新規事業を将来の中核事業へと成長促進を図る段階へ移行する、という意味合いに考えられる。

■Key Points
・2017年3月期に続き2018年3月期は増収増益、新たな成長ステージへ
・積極的なアライアンス・M&A等で、医療分野・AI等の新規事業・サービスに注力
・2019年3月期も主力業務の拡大で増収

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)



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