ベネ・ワン Research Memo(4):福利厚生事業が順調に拡大、インセンティブ事業とヘルスケア事業の好調も寄与
[18/06/13]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■業績動向
1. 2018年3月期の業績概要
ベネフィット・ワン<2412>の2018年3月期の業績は、福利厚生事業が順調に拡大、インセンティブ事業とヘルスケア事業の好調も寄与し、売上高が前期比8.9%増の32,089百万円、営業利益が同6.2%増の6,212百万円、経常利益が同9.4%増の6,263百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.7%増の4,190百万円となった。計画比では、売上高が8.3%減、営業利益が11.2%減、経常利益が9.9%減、親会社株主に帰属する当期純利益が8.9%減と予想を下回った。
営業利益が未達となった最大の要因は、パーソナル事業において個人会員の獲得が計画未達であったことによる。既存の大手協業先の会員減少が続いたことと、新規協業のローンチ遅れが響いた。新規協業の本格的な寄与は、2019年3月期に入ってからとなる見通しだ。「インセンティブ事業」は、既存顧客を中心にポイント交換が順調に進み、前期比13.2%の増収、同34.1%の営業増益を実現した。取扱規模の拡大により在庫リスクが低減したため、交換商品の仕入れの買取り比率を高めコストダウンを図っている。「ヘルスケア事業」は、大型案件を順調に消化し、売上高が前期比43.4%増、営業利益が同55.1%増の好成績を上げた。売上高営業利益率は、前期比0.5ポイント増の6.4%に引き上げたが、他の事業と比べるとまだ低く、今後IT活用の推進等により更なる向上が期待される。
経営の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)が26.4%、ROA(総資産経常利益率)は22.0%と、
いずれも20%を超す好成績であった。
2. 財務状況
2018年3月期末の総資産は、前期末比3,455百万円増の30,235百万円となった。流動資産は、3,298百万円増加し、23,565百万円であった。現金及び預金とたな卸資産がそれぞれ3,027百万円、344百万円増加した。一方、前払費用が355百万円減少した。固定資産は、157百万円増の6,669百万円であった。流動比率が193.0%、自己資本比率は56.5%と大きな変動がなく、財務の安全性は高水準を維持した。
3. キャッシュ・フロー計算書
当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比3,027百万円増加して、14,924百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは6,289百万円の増加となり、投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローによる支出、それぞれ1,079百万円と2,189百万円を大きく上回った。同社は、増配などによる株主還元を厚くしている。
■今後の見通し
● 2019年3月期の業績予想
ベネフィット・ワン<2412>の2019年3月期は、売上高が前期比15.0%増の36,900百万円、営業利益が同20.7%増の7,500百万円、経常利益が同20.1%増の7,520百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.0%増の5,030百万円を予想している。
主力の福利厚生事業は、売上高が前期比11.7%増の16,677百万円を見込む。2019年4月の会員数は、前年比17.9%増の560万人を見込んでいる。当期に入って大手企業との業務提携や大型受注に成功している。日本郵便(株)(日本郵政<6178>のグループ会社)は、2018年4月から全国約2万局の郵便局で法人顧客を対象に同社の福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の販売を開始した。中小企業向け市場の開拓が期待される。さらに、5月からは、NTT(日本電信電話<9432>)グループに所属する約18万人の従業員向けに、「育児・介護・健康支援メニュー」を拡充し、カスタマイズした「ベネフィット・ステーション」の提供を始めた。
パーソナル事業は、2018年4月の会員数が前年同月比20.4%減の152万人となった。期中での下げ止まりを見込み、2019年4月には219万人へ引き上げることを計画しているものの、期首の発射台が低くなっているので当期の売上高は前期比10.2%減の3,239百万円とした。CRM事業は代理店活用により17.9%の増収を予想している。「福利厚生+パーソナル+CRM」の営業利益は、前期比17.8%増の6,444百万円としている。インセンティブは成功モデルの横展開により、予想増収率が17.1%となる。ヘルスケアは、新規開拓の拡大等により26.1%の増収を見込む。2018年10月には明治安田システム・テクノロジー(株)からヘルスケアトータルサポート事業を譲受し、保健指導員の体制も強化される見通しだ。オペレーションを人海戦術型からITシステムの利活用に転換して、利益率を改善することを企図しており、38.9%の営業増益を見込む。海外は顧客基盤を拡大して、営業損失を174百万円に縮小する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 2018年3月期の業績概要
ベネフィット・ワン<2412>の2018年3月期の業績は、福利厚生事業が順調に拡大、インセンティブ事業とヘルスケア事業の好調も寄与し、売上高が前期比8.9%増の32,089百万円、営業利益が同6.2%増の6,212百万円、経常利益が同9.4%増の6,263百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.7%増の4,190百万円となった。計画比では、売上高が8.3%減、営業利益が11.2%減、経常利益が9.9%減、親会社株主に帰属する当期純利益が8.9%減と予想を下回った。
営業利益が未達となった最大の要因は、パーソナル事業において個人会員の獲得が計画未達であったことによる。既存の大手協業先の会員減少が続いたことと、新規協業のローンチ遅れが響いた。新規協業の本格的な寄与は、2019年3月期に入ってからとなる見通しだ。「インセンティブ事業」は、既存顧客を中心にポイント交換が順調に進み、前期比13.2%の増収、同34.1%の営業増益を実現した。取扱規模の拡大により在庫リスクが低減したため、交換商品の仕入れの買取り比率を高めコストダウンを図っている。「ヘルスケア事業」は、大型案件を順調に消化し、売上高が前期比43.4%増、営業利益が同55.1%増の好成績を上げた。売上高営業利益率は、前期比0.5ポイント増の6.4%に引き上げたが、他の事業と比べるとまだ低く、今後IT活用の推進等により更なる向上が期待される。
経営の総合指標となるROE(自己資本当期純利益率)が26.4%、ROA(総資産経常利益率)は22.0%と、
いずれも20%を超す好成績であった。
2. 財務状況
2018年3月期末の総資産は、前期末比3,455百万円増の30,235百万円となった。流動資産は、3,298百万円増加し、23,565百万円であった。現金及び預金とたな卸資産がそれぞれ3,027百万円、344百万円増加した。一方、前払費用が355百万円減少した。固定資産は、157百万円増の6,669百万円であった。流動比率が193.0%、自己資本比率は56.5%と大きな変動がなく、財務の安全性は高水準を維持した。
3. キャッシュ・フロー計算書
当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比3,027百万円増加して、14,924百万円となった。営業活動によるキャッシュ・フローは6,289百万円の増加となり、投資活動と財務活動によるキャッシュ・フローによる支出、それぞれ1,079百万円と2,189百万円を大きく上回った。同社は、増配などによる株主還元を厚くしている。
■今後の見通し
● 2019年3月期の業績予想
ベネフィット・ワン<2412>の2019年3月期は、売上高が前期比15.0%増の36,900百万円、営業利益が同20.7%増の7,500百万円、経常利益が同20.1%増の7,520百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同20.0%増の5,030百万円を予想している。
主力の福利厚生事業は、売上高が前期比11.7%増の16,677百万円を見込む。2019年4月の会員数は、前年比17.9%増の560万人を見込んでいる。当期に入って大手企業との業務提携や大型受注に成功している。日本郵便(株)(日本郵政<6178>のグループ会社)は、2018年4月から全国約2万局の郵便局で法人顧客を対象に同社の福利厚生サービス「ベネフィット・ステーション」の販売を開始した。中小企業向け市場の開拓が期待される。さらに、5月からは、NTT(日本電信電話<9432>)グループに所属する約18万人の従業員向けに、「育児・介護・健康支援メニュー」を拡充し、カスタマイズした「ベネフィット・ステーション」の提供を始めた。
パーソナル事業は、2018年4月の会員数が前年同月比20.4%減の152万人となった。期中での下げ止まりを見込み、2019年4月には219万人へ引き上げることを計画しているものの、期首の発射台が低くなっているので当期の売上高は前期比10.2%減の3,239百万円とした。CRM事業は代理店活用により17.9%の増収を予想している。「福利厚生+パーソナル+CRM」の営業利益は、前期比17.8%増の6,444百万円としている。インセンティブは成功モデルの横展開により、予想増収率が17.1%となる。ヘルスケアは、新規開拓の拡大等により26.1%の増収を見込む。2018年10月には明治安田システム・テクノロジー(株)からヘルスケアトータルサポート事業を譲受し、保健指導員の体制も強化される見通しだ。オペレーションを人海戦術型からITシステムの利活用に転換して、利益率を改善することを企図しており、38.9%の営業増益を見込む。海外は顧客基盤を拡大して、営業損失を174百万円に縮小する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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