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サンワテクノス Research Memo(1):好調な需要が続き、2019年3月期も増収増益の見通し。財務基盤の強化で

注目トピックス 日本株
■要約

サンワテクノス<8137>は独立系技術商社。電機・電子・機械の3分野にまたがって事業を展開している点と、それを生かした「双方向取引」(顧客メーカーに生産ラインの機器を納入し、そこで生産された製品を仕入れる)の2つの特徴を生かして業容を拡大してきた。近年はエンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業に注力している。

1. 2018年3月期は下期にさらに収益が拡大し、大幅増収増益で着地
同社の2018年3月期決算は、売上高146,759百万円(前期比25.9%増)、営業利益4,135百万円(同37.2%増)と大幅な増収増益で着地した。同社は期中に収益見通しを3度上方修正したが、最終的にはそれをさらに上回った。中国のローカルスマートフォンメーカーの設備投資や国内外での半導体生産能力増強、自動車業界でのEV、ADAS(先進運転支援システム)を見据えた設備投資など、上期に好業績をもたらした各需要業界の好調が下期も継続し、収益は下期にさらに拡大することとなった。

2. 好調な事業環境は好調が継続する見通し。2019年3月期も増収増益を予想
2019年3月期について同社は、売上高157,500百万円(前期比7.3%増)、営業利益4,450百万円(同7.6%増)と増収増益を予想している。スマートフォン業界では販売台数の成長率鈍化がみられるが、生産現場ではコスト削減に向けた自動化投資が続いており、同社はその恩恵を享受できる立場にある。自動化投資への強い需要は自動車関連業界なども同様だ。半導体関連業界においても、最終製品である半導体メモリーの価格動向に影響されることなく、生産能力増強投資が続いており、同社には追い風だ。FPD(フラットパネルディスプレイ)の分野では有機ELの製造ラインが着実に増えてくると期待される。同社の主要な需要先業界は全般に活況が続いており、この動きが長期化することが期待されている。

3. 現行中期経営計画『Challenge 1500』は順調に進捗。2019年3月期の総仕上げに注目
同社は現在、第9次3ヶ年中期経営計画『Challenge 1500』に取り組んでいる。2019年3月期はその最終年度に当たる。2020年3月期からは次期中期経営計画に移行する予定で、同社はその策定作業を開始した。次期中期経営計画期間においても好調な事業環境が中期的に継続すると期待されるが、それを生かした迫力ある成長シナリオを描くには、発射台となる2019年3月期の仕上がり具合が極めて重要となってくる。過去の中期経営計画では、最終年度が需要サイクルの谷間と重なり業績計画が未達に終わってきた。『Challenge 1500』における業績目標は「経常利益45億円」だ。現状では達成可能性は十分高いと思われるが、まずはその進捗を見守りたい。

■Key Points
・電子部門では車載用部材の売上高が急成長中
・エンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業で『Challenge 1500』の着実な達成を目指す
・付加価値創造と収益性拡大に向けて、エンジニアリング事業への取り組みが続く

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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