サンワテクノス Research Memo(4):『Challenge 1500』の着実な達成を目指す
[18/06/15]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画の概要と進捗状況
1. 中期経営計画の概要
サンワテクノス<8137>は3ヶ年中期経営計画を策定し、その着実な計画達成を通じて中長期的な成長を実現することを目指している。同社にとって、中長期の成長戦略と3ヶ年中期経営計画とは同義であると言える。
その同社が現在取り組むのは2017年3月期から2019年3月期までの第9次3ヶ年中期経営計画『Challenge 1500』だ。2016年3月期に終了した前中期経営計画『JUMP 1200』の実績を踏まえて、それをさらに深耕・進化させた新3ヶ年中期経営計画という性格を有している。名称の『Challenge 1500』には、同社の創立70周年に当たる2020年3月期において、売上高1,500億円を達成するための基盤をしっかり作るという意思が込められている。
目標達成に向けた具体的な事業戦略はとして同社は、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』、『エンジニアリング事業』、及び『グローバルSCMソリューション事業』の3つを掲げている。このうち、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』とは現状の3部門それぞれの事業と重なるものと言える。成長戦略の中で今中期経営計画に特徴的なものとしては注目すべきは、エンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業の2つだ。詳細は後述するが、エンジニアリング事業というのは、既存の3事業が有機的に結合して相乗効果を発揮して収益を拡大するための“触媒”的な機能を期待されていると弊社では理解している。また、グローバルSCMソリューション事業は、エンジニアリング事業同様、既存3部門に横串を通すような役割であり、将来に独立した事業部門に発展するポテンシャルを秘めたチャレンジだと弊社では考えている。
中期経営計画2年目までは順調に進捗。2019年3月期は最終年度の目標達成に挑む
2. 中期経営計画の業績計画と進捗状況
『Challenge1500』の経営目標(業績目標)とこれまでの実績を見ると、初年度の2017年3月期は、期の後半にかけて需要が急回復・急拡大し、計画を上回って着地した。2年目の2018年3月期も、3度の上方修正の末に経営目標を大きく上回って着地した。売上高は最終年度の経営目標である137,000百万円を上回り、経常利益も最終年度の目標値に肉薄した。
これを受けた最終年度である2019年3月期の業績予想は、売上高157,500百万円、経常利益4,500百万円となっている。売上高は2018年3月期実績とその後の事業環境を踏まえて、当初の経営目標を大きく上回った値となっている。一方経常利益は中期経営計画の経営目標と同じ4,500百万円となっている。これには2つの要因があると弊社ではみている。1つは為替レートの前提が経営目標の117円/ドルに対して業績予想は足元の110円/ドルに変更された影響だ。もう1つは、最終年度の業績計画が前回までの中期経営計画では未達に終わってきたことを踏まえ、今回は必ず達成するとの意気込みを示すために経営目標の値と一致させたということだ。
詳細は後述するが、結論から言えば、2019年3月期の業績予想は達成される可能性は十分高いと弊社では考えている。むしろ、4,500百万円にどの程度上積みできるかに注目している。その理由は、2019年3月期の業績や期中のセンチメントが、次期中期経営計画の土台となるためだ。同社は2019年3月期から次期中期経営計画(2020年3月期からの3ヶ年中期経営計画)の策定を開始したが、2019年3月期の途中経過及び結果により、次期中期経営計画が迫力のあるものになるかどうか、大きく左右されてくると弊社では推測している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
<MH>
1. 中期経営計画の概要
サンワテクノス<8137>は3ヶ年中期経営計画を策定し、その着実な計画達成を通じて中長期的な成長を実現することを目指している。同社にとって、中長期の成長戦略と3ヶ年中期経営計画とは同義であると言える。
その同社が現在取り組むのは2017年3月期から2019年3月期までの第9次3ヶ年中期経営計画『Challenge 1500』だ。2016年3月期に終了した前中期経営計画『JUMP 1200』の実績を踏まえて、それをさらに深耕・進化させた新3ヶ年中期経営計画という性格を有している。名称の『Challenge 1500』には、同社の創立70周年に当たる2020年3月期において、売上高1,500億円を達成するための基盤をしっかり作るという意思が込められている。
目標達成に向けた具体的な事業戦略はとして同社は、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』、『エンジニアリング事業』、及び『グローバルSCMソリューション事業』の3つを掲げている。このうち、『システム、装置、部品・コンポーネント販売事業』とは現状の3部門それぞれの事業と重なるものと言える。成長戦略の中で今中期経営計画に特徴的なものとしては注目すべきは、エンジニアリング事業とグローバルSCMソリューション事業の2つだ。詳細は後述するが、エンジニアリング事業というのは、既存の3事業が有機的に結合して相乗効果を発揮して収益を拡大するための“触媒”的な機能を期待されていると弊社では理解している。また、グローバルSCMソリューション事業は、エンジニアリング事業同様、既存3部門に横串を通すような役割であり、将来に独立した事業部門に発展するポテンシャルを秘めたチャレンジだと弊社では考えている。
中期経営計画2年目までは順調に進捗。2019年3月期は最終年度の目標達成に挑む
2. 中期経営計画の業績計画と進捗状況
『Challenge1500』の経営目標(業績目標)とこれまでの実績を見ると、初年度の2017年3月期は、期の後半にかけて需要が急回復・急拡大し、計画を上回って着地した。2年目の2018年3月期も、3度の上方修正の末に経営目標を大きく上回って着地した。売上高は最終年度の経営目標である137,000百万円を上回り、経常利益も最終年度の目標値に肉薄した。
これを受けた最終年度である2019年3月期の業績予想は、売上高157,500百万円、経常利益4,500百万円となっている。売上高は2018年3月期実績とその後の事業環境を踏まえて、当初の経営目標を大きく上回った値となっている。一方経常利益は中期経営計画の経営目標と同じ4,500百万円となっている。これには2つの要因があると弊社ではみている。1つは為替レートの前提が経営目標の117円/ドルに対して業績予想は足元の110円/ドルに変更された影響だ。もう1つは、最終年度の業績計画が前回までの中期経営計画では未達に終わってきたことを踏まえ、今回は必ず達成するとの意気込みを示すために経営目標の値と一致させたということだ。
詳細は後述するが、結論から言えば、2019年3月期の業績予想は達成される可能性は十分高いと弊社では考えている。むしろ、4,500百万円にどの程度上積みできるかに注目している。その理由は、2019年3月期の業績や期中のセンチメントが、次期中期経営計画の土台となるためだ。同社は2019年3月期から次期中期経営計画(2020年3月期からの3ヶ年中期経営計画)の策定を開始したが、2019年3月期の途中経過及び結果により、次期中期経営計画が迫力のあるものになるかどうか、大きく左右されてくると弊社では推測している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)
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