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nms Research Memo(1):変化を好機に 攻めの施策で成長基盤を構築

注目トピックス 日本株
■要約

nmsホールディングス<2162>は、2017年4月に持株会社制に移行し、第二の創業期入りした。各グループ会社の最適化ではなく、各社の特長を生かしたサービスの組み合わせによる独自性の発揮やグループワイドでの相乗効果を優先する方向に改めた。チャイナ・プラスワンへの対応などで、国内外の生産拠点などの統廃合・再編を経て、新たなステージに向かっている。

1. 新中期3ヶ年経営計画
同社は2018年5月14日に2019年3月期を初年度とする新中期3ヶ年経営計画を発表した。売上高は、2018年3月期の542億円から2021年3月期に1,000億円へ、同様にEBITDAを20億円から45億円に引き上げることを目標とする。先行投資期間を経るため、利益の成長は最終年度に集中することが予想されている。

稼ぎ頭の人材ソリューション事業は、人手不足を背景に、外国人技能実習生の送出しから受入れ支援、研修・教育、受入受託、帰国後の就職支援までバリューサイクルを構築する新スキームを立ち上げる。インドネシア国政府認定の技能実習生送出し機関を含む、7ヶ国・8つの政府系送出し機関と戦略的提携でネットワークを構築している。入国前・入国後の研修・教育システムの提供により、実習生の早期定着を図る。日本に専用の研修施設を設け、受入先の選定には製造派遣のノウハウを活用し、グループのEMS企業による受入れ支援もする。

EMS事業は、省人化・省力化装置の開発・導入に注力する。高解像度カメラを組み込んだ外観検査措置は、従来の労働集約型検査工程の省力化に大きな効果をもたらすだろう。新市場としては、TKRがベトナムに新工場を立ち上げる計画をしており、2021年3月期の業績に大きく寄与することが期待される。顧客の生産及び生産拠点計画にのっとり、要望を受けて進出するため、早期に事業が軌道に乗ることが見込まれる。

パワーサプライ事業は、ここ2年間を端境期としたが、地道な改善・営業努力が実り、2019年3月期は反転の年となるだろう。電池パックの量産工場として開設した松阪工場は、顧客からの手応えが良く、この夏に2ヶ月前倒しで稼働する予定でいる。電動化の波に乗る新製品を開発しており、日本メーカーならではの安全・安心を保証する製品を提供する。

2. 2018年3月期の決算概況と2019年3月期の見通し
2018年3月期は、売上高が前期比横ばいであったものの、営業利益は同32.6%増、経常利益が同2.7倍となった。グループ一体経営により、借入金と為替差損の縮小に成功した。2019年3月期は、設備投資を前期比倍増させるなど、成長基盤構築の先行投資期間と位置付けている。増収率を12.6%としているものの、営業利益は微増の見込みだ。

3. 連続増配
2018年3月期の配当金は、株式分割(1株に対し2株の割合)調整後で前期比1円増の1株当たり4.5円とした。期初計画では2.5円であったが、好業績を反映して増配した。2019年3月期は、連続増配により1株当たり5.0円を計画している。積極的な投資計画により、予想配当性向は7.8%にとどまる。新中期経営計画では、配当性向20%を目指している。

■Key Points
・変化を好機に 攻めの施策で成長基盤を構築
・新中期経営計画の目標値は、売上高1,000億円、EBITDA 45億円
・2019年3月期は連続増配を計画

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



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