Jリース Research Memo(1):家賃債務保証専業大手、積極的な出店と地域密着戦略で高成長を実現
[18/06/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ジェイリース<7187>は、2004年に現 代表取締役社長の中島拓(なかしまひらく)氏が大分県で設立した。当初から地域に密着した家賃債務保証サービスを行い、宮崎、熊本と支店を増やし九州の基盤を固める。2010年には、東京、新潟をはじめ東日本進出に着手し、全国の主要都市に拠点を拡げている(2018年5月時点で全国24拠点)。2016年6月に東証マザーズに上場、2018年3月には東証1部に昇格した。
1. 事業内容
家賃債務保証会社の利用率は年々高まっており、国土交通省資料によると2010年で39%、2014年で56%、2016年で69%と急速に高まっている。今後は民法改正(債権法、2020年4月1日施行)も追い風になりそうだ。この改正では、連帯保証人が保証する金額の極度額(上限)が設定されるため、連帯保証人の担保価値が低下する。結果として家賃保証会社の利用を必須とする不動産オーナーが増加することが予想される。
同社のビジネスモデルは、店舗と人で都市部を中心に面展開し、顧客のニーズに徹底的に応えることで信頼を勝取り、入居者審査では科学的なアプローチも取入れてリスクを管理するという“地域密着+リスク管理徹底ビジネスモデル”である。同業他社と比較して、高い成長性が特徴であり、都市部での出店攻勢がその原動力である。
2. 業績動向
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の5,022百万円、営業利益で同20.9%増の407百万円、経常利益で同12.5%増の351百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.9%増の251百万円となり、5年連続の増収増益を達成した。期末(主に3月)に引っ越し時期の分散化による繁忙期のずれ込みがあり、若干想定よりも下回ったものの、都市部を中心に過去出店してきた営業所の順調な営業拡大が寄与し、大幅増収となった。また、今期は札幌、岡山、茨城、東京西の各支店を新規出店し、将来に向けての成長の布石も打つことができた。
2019年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比21.0%増の6,080百万円、営業利益で同20.2%増の490百万円、経常利益で同25.3%増の440百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.4%増の310百万円と大幅な増収増益の見通しだ。売上面では、引続き首都圏をはじめとする大都市圏エリアでの営業拡大が継続する見込みである。コスト面では、今期も継続して中長期債権の削減に取組むとともに、業務効率化・集約化への投資等を行うため、一時的な経費増加を見込むが、中期では収益性の改善を図る計画だ。売上高・営業利益ともに伸び率は前期並みの目標設定であり、大きな外部環境変化がなければ達成可能な数字と判断する。
3. 成長戦略
同社は3年後の2021年3月期の中期数値目標を策定している。売上高においては、毎年1,000百万円程度の増加を継続することを目標としており、順調にいけば8,000百万円(2021年3月期)を超える。営業利益率は8%以上を継続することを目標とし、概算で640百万円(2021年3月期)が目安となる。店舗網の拡充に関しては、2021年3月期までに39店舗体制(3年間で15店舗増)とする計画であり、47都道府県での地域密着戦略の基盤を完成させたい考えである。2018年3月期までに地盤である九州(9店舗)と関東(8店舗)は拠点網の構築が完了した。2019年3月期からは地方都市にも展開を行う予定であるが、元々地方都市(九州)を地盤としてきたことから、地方都市攻略にも自信を持つ同社は収益力の向上を課題に挙げており、店舗運営の考え方も進化させる。従来、各店舗は独立した存在であり、営業、事務、管理のすべてをこなしていたが、今後は、基幹店に事務作業(事務・管理機能)を集約し、その周りの店舗(サテライト店)は営業に特化する。
4. 株主還元策
同社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の1つとして位置付けており、財務体質の強化や事業拡大のための内部留保の充実を図りつつ、安定的かつ継続的な配当を行う方針である。 配当は、中間と期末の年2回を基本的な方針としており、 配当性向20%程度を当面の基準とする。2018年3月期の配当金は7円(中間2.5円、期末4.5円)、配当性向24.1%となった。2019年3月期の配当金は7.2円(中間3.6円、期末3.6円)、配当性向20.4%を予想する。
■Key Points
・九州地盤から全国展開する家賃債務保証専業大手、東証1部昇格
・積極的な出店と地域密着戦略で高成長を実現
・2018年3月期は3期連続増収増益。新規出店4店で全国24店舗体制に
・2021年3月期に売上高8,000百万円前後目標。攻め(出店)と守り(店舗効率化、債権管理)を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
<NB>
ジェイリース<7187>は、2004年に現 代表取締役社長の中島拓(なかしまひらく)氏が大分県で設立した。当初から地域に密着した家賃債務保証サービスを行い、宮崎、熊本と支店を増やし九州の基盤を固める。2010年には、東京、新潟をはじめ東日本進出に着手し、全国の主要都市に拠点を拡げている(2018年5月時点で全国24拠点)。2016年6月に東証マザーズに上場、2018年3月には東証1部に昇格した。
1. 事業内容
家賃債務保証会社の利用率は年々高まっており、国土交通省資料によると2010年で39%、2014年で56%、2016年で69%と急速に高まっている。今後は民法改正(債権法、2020年4月1日施行)も追い風になりそうだ。この改正では、連帯保証人が保証する金額の極度額(上限)が設定されるため、連帯保証人の担保価値が低下する。結果として家賃保証会社の利用を必須とする不動産オーナーが増加することが予想される。
同社のビジネスモデルは、店舗と人で都市部を中心に面展開し、顧客のニーズに徹底的に応えることで信頼を勝取り、入居者審査では科学的なアプローチも取入れてリスクを管理するという“地域密着+リスク管理徹底ビジネスモデル”である。同業他社と比較して、高い成長性が特徴であり、都市部での出店攻勢がその原動力である。
2. 業績動向
2018年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の5,022百万円、営業利益で同20.9%増の407百万円、経常利益で同12.5%増の351百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同13.9%増の251百万円となり、5年連続の増収増益を達成した。期末(主に3月)に引っ越し時期の分散化による繁忙期のずれ込みがあり、若干想定よりも下回ったものの、都市部を中心に過去出店してきた営業所の順調な営業拡大が寄与し、大幅増収となった。また、今期は札幌、岡山、茨城、東京西の各支店を新規出店し、将来に向けての成長の布石も打つことができた。
2019年3月期通期の連結業績は、売上高で前期比21.0%増の6,080百万円、営業利益で同20.2%増の490百万円、経常利益で同25.3%増の440百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.4%増の310百万円と大幅な増収増益の見通しだ。売上面では、引続き首都圏をはじめとする大都市圏エリアでの営業拡大が継続する見込みである。コスト面では、今期も継続して中長期債権の削減に取組むとともに、業務効率化・集約化への投資等を行うため、一時的な経費増加を見込むが、中期では収益性の改善を図る計画だ。売上高・営業利益ともに伸び率は前期並みの目標設定であり、大きな外部環境変化がなければ達成可能な数字と判断する。
3. 成長戦略
同社は3年後の2021年3月期の中期数値目標を策定している。売上高においては、毎年1,000百万円程度の増加を継続することを目標としており、順調にいけば8,000百万円(2021年3月期)を超える。営業利益率は8%以上を継続することを目標とし、概算で640百万円(2021年3月期)が目安となる。店舗網の拡充に関しては、2021年3月期までに39店舗体制(3年間で15店舗増)とする計画であり、47都道府県での地域密着戦略の基盤を完成させたい考えである。2018年3月期までに地盤である九州(9店舗)と関東(8店舗)は拠点網の構築が完了した。2019年3月期からは地方都市にも展開を行う予定であるが、元々地方都市(九州)を地盤としてきたことから、地方都市攻略にも自信を持つ同社は収益力の向上を課題に挙げており、店舗運営の考え方も進化させる。従来、各店舗は独立した存在であり、営業、事務、管理のすべてをこなしていたが、今後は、基幹店に事務作業(事務・管理機能)を集約し、その周りの店舗(サテライト店)は営業に特化する。
4. 株主還元策
同社は、株主への利益還元を経営の最重要課題の1つとして位置付けており、財務体質の強化や事業拡大のための内部留保の充実を図りつつ、安定的かつ継続的な配当を行う方針である。 配当は、中間と期末の年2回を基本的な方針としており、 配当性向20%程度を当面の基準とする。2018年3月期の配当金は7円(中間2.5円、期末4.5円)、配当性向24.1%となった。2019年3月期の配当金は7.2円(中間3.6円、期末3.6円)、配当性向20.4%を予想する。
■Key Points
・九州地盤から全国展開する家賃債務保証専業大手、東証1部昇格
・積極的な出店と地域密着戦略で高成長を実現
・2018年3月期は3期連続増収増益。新規出店4店で全国24店舗体制に
・2021年3月期に売上高8,000百万円前後目標。攻め(出店)と守り(店舗効率化、債権管理)を強化
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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