三機工 Research Memo(7):STeP計画が本格的に始動
[18/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■中期経営計画
1. “Century 2025”計画
三機工業<1961>は2016年度から創立100周年の2025年度に向けて、10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この長期ビジョンの最終目標を「選ばれる会社」と定め、その目標達成のために10年間を以下の3つのPhaseに分け、中期経営計画に基づく事業戦略を推進していく方針を掲げている。
2. 三機大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)の進捗状況
この中期経営計画“Century 2025”Phase1における重要施策の一つとして掲げられているのが「大和地区の再開発」だが、同社は、この再開発計画を「STeP:Sanki Techno Park計画」と名づけてその概要を発表している。まずこの計画は、大きく(1)三機テクノセンターの構築、(2)機械システム事業部門の製造工場の再編、(3)保有資産の有効活用に分けられているが、以下が各事業の現在の進捗状況と今後の予定である。
(1) 「三機テクノセンター」の構築
“Century 2025”Phase1の目標の一つは、「技術と人の質の向上」であるが、その目標達成のために「三機テクノセンター」構築計画を発表済みである。この計画では、旧三機大和ビルA館(SRC造地上6階地下1階、延床面積約45千平米)を改修して総合研究・研修施設「三機テクノセンター」として活用するものだが、既に2018年3月には新たな技術研究所の運営が開始され、2018年10月頃には全館運営開始の予定だ。
(2) 機械システム工場の再編
「機械システム事業部門製造工場の再編」では、新しい機械システム製造工場(敷地面積約11千平米、建屋面積約5.5千平米)を旧標準品工場の位置に建替えることを発表しているが、この建替えのために機械システム工場は既に湘南地区に仮移転済みである。新工場については、2018年5月に着工予定で、その後2019年8月頃に新工場の運営が開始される見込みである。
(3) 大和事業所の工場施設の解体が終了
上記の機械システム製造工場や技術研究所等からなる旧大和事業所各施設の解体工事を進めていたが、2018年4月に解体が完了した。この解体工事のための費用や固定資産除却損を2018年3月期決算に計上済み。この解体工事完了後、その土地の一部に上記機械システムの新工場を今年度から建設予定であるが、残りの敷地については保有資産の有効活用の観点から賃貸用不動産として整備することが決定している。約41千平米のこの土地については近日中に日本生命向けに賃貸を開始する予定で、今後は不動産事業の売上高・利益がさらに上積みされる見込みだ。
3. 各種施策や活動の進捗状況
この“Century 2025”Phase1では、上記の「大和地区の再開発」が重要施策の一つとして掲げられているが、それ以外の様々な定性的な施策も掲げられている。以下は、それらの2017年度進捗状況である。
(1) 新技術開発
a) アルミニウム冷媒配管工法「アルミンジャー工法」の市場展開
b) 世界最速の搬送仕分け装置(クロスベルトソータ)の開発
c) 新設工事を伴うエネルギー回収型廃棄物処理施設をDBO方式で初受注
d) 木質バイオマスガス化発電市場への本格参入
(2) 働き方改革
a) 部門長と若手社員との意見交換会を開催
b) 第2回「三機レディ座談会」を開催(今回は女性技術者対象、社長も出席)
c) 「女性ほっとライン」開設
d) 三機スーパーマイスター・三機ベストパートナー表彰を継続実施
(3) 社会貢献
a) 「SANKI YOU エコ貢献ポイント」制度による寄付・植林活動を継続実施
b) 「三機の森」での下草刈りイベントを実施
c) 東京都環境局主催イベント「打ち水日和」への参画
d) 日本盲導犬協会への募金活動を実施
e) 東京都赤十字血液センターによる献血への協力
(4) 情報発信
a) 各種展示会へ出展
「HVAC&R JAPAN 2018」、「第4回インターフェックス大阪」、「ENEX2018」、「下水道展’17東京」等
b) 各種メディアからの発信
日本経済新聞等での広告、当社紹介テレビ番組の放映
(5) ESGの切り口から
また同社では、ESGの視点から、以下のような施策を進めている。
a) 環境(E)
1) 「SANKI YOUエコ貢献ポイント」制度による寄付を継続実施
2) 新設のエネルギー回収型廃棄物処理施設をDBO方式で受注
3) 木質バイオマスガス化発電施設納入(再生可能エネルギー関連)
4) NEDO等と共同で中国上海市に高度省エネルギー設備納入
5) 経済産業省が2017年度に新設した「ZEBプランナー」登録
b) 社会(S)
1) 同社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」が3年目に
2) 施工現場での働き方に特化した上記プロジェクトの分科会として「スマイル・サイト・プラン」発足
3) 女性専用相談窓口「女性ほっとライン」新設
4) 部門長と若手社員との意見交換会開催
5) 第2回三機レディ座談会で女性技術員の交流会開催
c) 企業統治(G)
1) 取締役会評価内容の充実
2) 議決権電子行使プラットフォームへの参加
3) コーポレートガバナンスに特化した役員意見交換会実施
4) 取締役会に対する議案上程基準の見直し着手
5) 株主との対話の充実(体制増強し回数増、個人投資家向け説明会)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<MH>
1. “Century 2025”計画
三機工業<1961>は2016年度から創立100周年の2025年度に向けて、10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この長期ビジョンの最終目標を「選ばれる会社」と定め、その目標達成のために10年間を以下の3つのPhaseに分け、中期経営計画に基づく事業戦略を推進していく方針を掲げている。
2. 三機大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)の進捗状況
この中期経営計画“Century 2025”Phase1における重要施策の一つとして掲げられているのが「大和地区の再開発」だが、同社は、この再開発計画を「STeP:Sanki Techno Park計画」と名づけてその概要を発表している。まずこの計画は、大きく(1)三機テクノセンターの構築、(2)機械システム事業部門の製造工場の再編、(3)保有資産の有効活用に分けられているが、以下が各事業の現在の進捗状況と今後の予定である。
(1) 「三機テクノセンター」の構築
“Century 2025”Phase1の目標の一つは、「技術と人の質の向上」であるが、その目標達成のために「三機テクノセンター」構築計画を発表済みである。この計画では、旧三機大和ビルA館(SRC造地上6階地下1階、延床面積約45千平米)を改修して総合研究・研修施設「三機テクノセンター」として活用するものだが、既に2018年3月には新たな技術研究所の運営が開始され、2018年10月頃には全館運営開始の予定だ。
(2) 機械システム工場の再編
「機械システム事業部門製造工場の再編」では、新しい機械システム製造工場(敷地面積約11千平米、建屋面積約5.5千平米)を旧標準品工場の位置に建替えることを発表しているが、この建替えのために機械システム工場は既に湘南地区に仮移転済みである。新工場については、2018年5月に着工予定で、その後2019年8月頃に新工場の運営が開始される見込みである。
(3) 大和事業所の工場施設の解体が終了
上記の機械システム製造工場や技術研究所等からなる旧大和事業所各施設の解体工事を進めていたが、2018年4月に解体が完了した。この解体工事のための費用や固定資産除却損を2018年3月期決算に計上済み。この解体工事完了後、その土地の一部に上記機械システムの新工場を今年度から建設予定であるが、残りの敷地については保有資産の有効活用の観点から賃貸用不動産として整備することが決定している。約41千平米のこの土地については近日中に日本生命向けに賃貸を開始する予定で、今後は不動産事業の売上高・利益がさらに上積みされる見込みだ。
3. 各種施策や活動の進捗状況
この“Century 2025”Phase1では、上記の「大和地区の再開発」が重要施策の一つとして掲げられているが、それ以外の様々な定性的な施策も掲げられている。以下は、それらの2017年度進捗状況である。
(1) 新技術開発
a) アルミニウム冷媒配管工法「アルミンジャー工法」の市場展開
b) 世界最速の搬送仕分け装置(クロスベルトソータ)の開発
c) 新設工事を伴うエネルギー回収型廃棄物処理施設をDBO方式で初受注
d) 木質バイオマスガス化発電市場への本格参入
(2) 働き方改革
a) 部門長と若手社員との意見交換会を開催
b) 第2回「三機レディ座談会」を開催(今回は女性技術者対象、社長も出席)
c) 「女性ほっとライン」開設
d) 三機スーパーマイスター・三機ベストパートナー表彰を継続実施
(3) 社会貢献
a) 「SANKI YOU エコ貢献ポイント」制度による寄付・植林活動を継続実施
b) 「三機の森」での下草刈りイベントを実施
c) 東京都環境局主催イベント「打ち水日和」への参画
d) 日本盲導犬協会への募金活動を実施
e) 東京都赤十字血液センターによる献血への協力
(4) 情報発信
a) 各種展示会へ出展
「HVAC&R JAPAN 2018」、「第4回インターフェックス大阪」、「ENEX2018」、「下水道展’17東京」等
b) 各種メディアからの発信
日本経済新聞等での広告、当社紹介テレビ番組の放映
(5) ESGの切り口から
また同社では、ESGの視点から、以下のような施策を進めている。
a) 環境(E)
1) 「SANKI YOUエコ貢献ポイント」制度による寄付を継続実施
2) 新設のエネルギー回収型廃棄物処理施設をDBO方式で受注
3) 木質バイオマスガス化発電施設納入(再生可能エネルギー関連)
4) NEDO等と共同で中国上海市に高度省エネルギー設備納入
5) 経済産業省が2017年度に新設した「ZEBプランナー」登録
b) 社会(S)
1) 同社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」が3年目に
2) 施工現場での働き方に特化した上記プロジェクトの分科会として「スマイル・サイト・プラン」発足
3) 女性専用相談窓口「女性ほっとライン」新設
4) 部門長と若手社員との意見交換会開催
5) 第2回三機レディ座談会で女性技術員の交流会開催
c) 企業統治(G)
1) 取締役会評価内容の充実
2) 議決権電子行使プラットフォームへの参加
3) コーポレートガバナンスに特化した役員意見交換会実施
4) 取締役会に対する議案上程基準の見直し着手
5) 株主との対話の充実(体制増強し回数増、個人投資家向け説明会)
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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