テリロジー Research Memo(2):6事業部門が「パートナリング、独自開発、M&A」により、運営されている
[18/06/20]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要と強み
テリロジー<3356>は、1989年7月の創業以来、IPネットワーク関連製品やネットワークセキュリティ分野の最先端製品及びソリューションの提供を行ってきたIT企業である。2004年12月にジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ)への新規上場を果たしている。
同社は、ICT(2018年3月期の売上高構成比14.9%。ネットワーク製品の販売、企業内情報通信システムやインフラの設計・構築など)、セキュリティ(同31.5%、ネットワークセキュリティ製品の販売やセキュリティシステムの販売・構築など)、モニタリング(同10.6%、ネットワーク上のトラフィックデータの収集・分析・可視化するソリューションの販売・構築など)、グローバル(同0.2%、自社製品の台湾展開など)、サービス(同35.4%、保守サービス・クラウドサービスの提供など)、ソリューションサービス(同7.4%、ITXの法人向けICTサービス事業を買収)の6事業部門を展開している。
同社の特徴・強みは、先の6事業部門が「パートナリング、独自開発、M&A」により、運営されていることである。
パートナリングについては、商材開発(海外新興企業が開発した最先端技術の導入)から保守(東芝ITサービス(株)への業務委託)、販売(国内外のSIerによる間接販売)に至るバリューチェーンにおける各機能で推進している。とりわけ、高く評価できるのが、海外新興企業が開発したIPネットワーク/セキュリティ領域の最先端製品及びソリューションをいち早く発掘し、代理店契約等に結びつけてきた実績であり、代表例としては、2004年10月に当時独立系であった米TippingPoint(2010年に米ヒューレット・パッカードが買収、2015年にはトレンドマイクロ<4704>が買収)との日本国内総販売代理店契約締結があげられる。2018年4月現在、同社は20社程度の海外企業と代理店契約等を締結しているが、同社取扱輸入商材(VASCO(VASCO Data Security International(2018年6月よりOneSpan Inc.に社名変更))、RedSeal、Lastline、Infoblox 、eG Innovations、Aerohive(Aerohive Networks)、KELA、Tempered (Tempered Networks)など)を日本でGoogle検索すると、「テリロジー」が検索結果上位に表示され、同社の存在感の大きさを示している(なお、同社はSEO=サーチエンジン最適化を行っていない)。
ではなぜ、同社が海外企業をパートナーとして発掘できるのか。その理由は、セキュリティ・モニタリング・認証のスペシャリスト企業を標榜する経営戦略(事業領域の的確な絞り込み)と創業来磨き上げてきたディストリビューション能力(優れた顧客情報、24時間365日の保守体制、直販と間接販売を組み合わせたネットワーク)にある。事業領域の絞り込みによって、注目すべき技術トレンド・最先端技術が明確になり、最先端技術ゆえ新興企業の手で開発され、新興企業ゆえ日本におけるディストリビューション能力に魅力を感じる、という好循環が生み出されてきたわけだ。2007年2月に販売代理店契約を締結したOneSpan(旧VASCO)社のワンタイムパスワード技術が、日本のメガバンクにそろって採用され、今やインターネットバンキングに不可欠な存在となっていることは、その好例と言えるだろう。
独自開発としては、モニタリング事業部門の核となる「momentum」(完全自社開発のネットワークパケットキャプチャ製品)や月額課金モデルを導入しサポート事業部門の一部を成す「CloudTriage」(自社ブランド運用のITシステム運用監視クラウドサービス)がある。「momentum」はネットワーク上でやり取りされたデータ(パケット)を記憶装置(ストレージ)に収集し、分析・可視化することで、サービス品質の検証と不具合場所の特定、対策の支援を行う、言わばネットワーク上のドライブレコーダーのようなソリューションであり、大手携帯通信事業者など重要顧客の開拓に成功している。また、「CloudTriage」はITシステムの運用状況をユーザー視点で測定し、リモートアクセスの遅延といったパフォーマンス低下が発生した場合、その原因を特定するソリューション月額課金のクラウドサービスとすることで安価に提供するものである。
M&Aについては、2017年12月に買収したノジマグループのITXの法人向けICTサービス事業を(株)テリロジーサービスウェアに商号変更し、同社のソリューションサービス事業部門として、リアルタイム映像通訳サービス(みえる通訳)やWeb会議サービス、法人向けインターネット接続サービス、レンタルサーバサービス、光回線インターネットサービス、などを展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田 吉弘)
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テリロジー<3356>は、1989年7月の創業以来、IPネットワーク関連製品やネットワークセキュリティ分野の最先端製品及びソリューションの提供を行ってきたIT企業である。2004年12月にジャスダック証券取引所(現東京証券取引所JASDAQ)への新規上場を果たしている。
同社は、ICT(2018年3月期の売上高構成比14.9%。ネットワーク製品の販売、企業内情報通信システムやインフラの設計・構築など)、セキュリティ(同31.5%、ネットワークセキュリティ製品の販売やセキュリティシステムの販売・構築など)、モニタリング(同10.6%、ネットワーク上のトラフィックデータの収集・分析・可視化するソリューションの販売・構築など)、グローバル(同0.2%、自社製品の台湾展開など)、サービス(同35.4%、保守サービス・クラウドサービスの提供など)、ソリューションサービス(同7.4%、ITXの法人向けICTサービス事業を買収)の6事業部門を展開している。
同社の特徴・強みは、先の6事業部門が「パートナリング、独自開発、M&A」により、運営されていることである。
パートナリングについては、商材開発(海外新興企業が開発した最先端技術の導入)から保守(東芝ITサービス(株)への業務委託)、販売(国内外のSIerによる間接販売)に至るバリューチェーンにおける各機能で推進している。とりわけ、高く評価できるのが、海外新興企業が開発したIPネットワーク/セキュリティ領域の最先端製品及びソリューションをいち早く発掘し、代理店契約等に結びつけてきた実績であり、代表例としては、2004年10月に当時独立系であった米TippingPoint(2010年に米ヒューレット・パッカードが買収、2015年にはトレンドマイクロ<4704>が買収)との日本国内総販売代理店契約締結があげられる。2018年4月現在、同社は20社程度の海外企業と代理店契約等を締結しているが、同社取扱輸入商材(VASCO(VASCO Data Security International
ではなぜ、同社が海外企業をパートナーとして発掘できるのか。その理由は、セキュリティ・モニタリング・認証のスペシャリスト企業を標榜する経営戦略(事業領域の的確な絞り込み)と創業来磨き上げてきたディストリビューション能力(優れた顧客情報、24時間365日の保守体制、直販と間接販売を組み合わせたネットワーク)にある。事業領域の絞り込みによって、注目すべき技術トレンド・最先端技術が明確になり、最先端技術ゆえ新興企業の手で開発され、新興企業ゆえ日本におけるディストリビューション能力に魅力を感じる、という好循環が生み出されてきたわけだ。2007年2月に販売代理店契約を締結したOneSpan(旧VASCO)社のワンタイムパスワード技術が、日本のメガバンクにそろって採用され、今やインターネットバンキングに不可欠な存在となっていることは、その好例と言えるだろう。
独自開発としては、モニタリング事業部門の核となる「momentum」(完全自社開発のネットワークパケットキャプチャ製品)や月額課金モデルを導入しサポート事業部門の一部を成す「CloudTriage」(自社ブランド運用のITシステム運用監視クラウドサービス)がある。「momentum」はネットワーク上でやり取りされたデータ(パケット)を記憶装置(ストレージ)に収集し、分析・可視化することで、サービス品質の検証と不具合場所の特定、対策の支援を行う、言わばネットワーク上のドライブレコーダーのようなソリューションであり、大手携帯通信事業者など重要顧客の開拓に成功している。また、「CloudTriage」はITシステムの運用状況をユーザー視点で測定し、リモートアクセスの遅延といったパフォーマンス低下が発生した場合、その原因を特定するソリューション月額課金のクラウドサービスとすることで安価に提供するものである。
M&Aについては、2017年12月に買収したノジマグループのITXの法人向けICTサービス事業を(株)テリロジーサービスウェアに商号変更し、同社のソリューションサービス事業部門として、リアルタイム映像通訳サービス(みえる通訳)やWeb会議サービス、法人向けインターネット接続サービス、レンタルサーバサービス、光回線インターネットサービス、などを展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 前田 吉弘)
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