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サンリツ Research Memo(1):強みの梱包技術を背景に収益改善が進んでいる

注目トピックス 日本株
■要約

サンリツ<9366>は、梱包事業を核に運輸事業や倉庫事業、賃貸ビル事業を展開する、一気通貫型の総合物流企業である。梱包事業では、小型精密機器から超重量貨物まで多岐にわたる製品に対し、カスタマイズした梱包を手掛けている。また、運輸事業は低コストでの配送、倉庫事業は流通加工などに特徴があり、3PLや国際物流の分野にも進出している。取扱製品群別では、通信機器・制御機器といった精密機器や大型工作機械の輸出用梱包と、医療機器の保管に強みがある。事業別の売上高構成比は、梱包事業72.7%、運輸事業14.6%、倉庫事業10.9%、賃貸ビル事業1.7%となっている。

2018年3月期の業績は、売上高16,623百万円(前期比13.7%増)、営業利益817百万円(同30.3%増)となった。期初計画から大幅な超過達成となり、期初に描いた中期経営計画に対して、売上高とROEは1年で既に達成、利益も目標に急接近している。大幅増益の要因は、制御システムでの新規案件獲得、中国の黒転、米国の好調に加え、販管費を抑制できたことなどである。2019年3月期について、同社は売上高16,500百万円(同0.7%減)、営業利益900百万円(同10.2%増)を見込んでいる。2ケタ増益の要因は、低採算案件見直しの継続や制御システム新規案件の通期フル寄与などと考えられる。また、新たに導入した最新のマテハン「AutoStore」の収益貢献も期待される。なお、採算を考え、売上げは無理に追わない方針である。

現中期経営計画は非常に順調に進捗している。したがって、更なる採算改善と次なる成長戦略にも期待したくなる。同社は基幹システムの更新がそろそろ必要な時期になっており、更新すれば全社的に作業効率の改善が進む。また、好調の米国市場において、単なる調達物流から高度な梱包技術を使ったサービスへの展開も可能性として出てきた。今後、同社がこのような成長余地に目を向けてくる可能性は十分にあると考える。

■Key Points
・強みの梱包事業を核に運輸事業から倉庫事業まで物流のトータルサービスを提供
・2018年3月期営業利益は販管費の抑制などにより817百万円(前期比30.3%増)と好調
・2019年3月期も好調継続で中期経営計画にある2020年3月期営業利益950百万円は射程圏内

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)



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