アクロディア Research Memo(1):IoT分野の収益貢献で2019年8月期以降、業績は新たな成長ステージへ
[18/06/25]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
アクロディア<3823>は、携帯電話用ミドルウェア※1開発からゲームアプリの開発、IoTソリューションへと事業を展開。IoT分野ではIoT野球ボール※2やIoTインターホン※3を開発、販売を開始している。また、不採算事業等の売却による収益構造改革を実施した一方で、安定収益源として2017年8月期以降サブリース事業、教育関連事業をM&Aで取得。ミドルウェアの開発力が生かせるIoT事業に点投資を行い、再成長を目指していく。
※1 デジタル機器の基本的な制御を行うオペレーティングシステム(OS)と、アプリケーションソフトの中間に入るソフトウェアのこと。
※2 硬式野球ボールの中心部に加速度センサ、地磁気センサ、角速度センサを組み合わせたモジュール製品を埋め込み、投手の投球データ(球速、回転数、回転軸、球種、変化量、腕の振りの軌跡や強さ等)を正確に計測、専用アプリケーションを使ってスマートフォンなどで結果を確認する仕組み。投手育成用やスカウト用途での需要が見込まれている。製造は外部委託。Amazonで販売しており価格は27,500円/個(税別)。
※3 LTE SIM搭載インターホンを開発。スマートフォンとの連携により屋内配線工事が不要となるほか、外出先からの来訪者の確認・対応が可能となる。マンションや戸建て住宅のほか、無人駅、病院・介護施設などでの需要が見込まれる。
1. 2018年8月期第2四半期累計業績
2018年8月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比52.7%減の674百万円、経常利益で25百万円(前年同期は304百万円の損失)となった。売上高については子会社及びゲーム関連の一部事業譲渡を行ったこと、ふるさと納税事業の売上計上方法を変更したことで減収となったものの、同要因を除けば実質横ばい水準となった。利益に関しては不採算事業等の売却や、新規事業となるIoT野球ボールがヒットし1億円弱の売上を計上したこと、前期に子会社化した(株)渋谷肉横丁におけるサブリース事業が収益貢献したことにより大幅改善した。
2. 2018年8月期業績見通し
2018年8月期の連結業績は、売上高で前期比44.1%減の1,487百万円、経常利益で28百万円(前期は401百万円の損失)と10期ぶりに黒字転換する見通し。第3四半期はIoT野球ボールの販売を一時停止した影響により業績は前四半期比で減益となる見込みだが、2018年6月6日付でスポーツ用品メーカー大手の(株)エスエスケイ(以下、SSK)と協業を発表、新たにOEM供給することが決まり、第4四半期からの売上貢献が見込まれている。また、ゲームアプリの主要タイトルである「サッカー日本代表2020ヒーローズ」についてもワールドカップ効果で過去最高の売上が期待されており、通期業績は経常利益ベースで会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. IoTへ重点投資
IoT分野ではセンサ内蔵野球ボールとインターホンの成長が期待される。センサ内蔵野球ボールは国内でSSK、韓国でスカイラインと販売チャネルを獲得したほか、米国でも大手メーカーと現在、協議中で原価低減が進めば契約締結の可能性が高まる。米国市場が開拓できれば2019年8月期の販売目標2万個も射程圏内に入ってくる。また、2018年中にもスマートフォンアプリでの有料課金サービスも開始する予定。他の投手データとの比較や過去データとの分析が容易にできるようにするなどのサービスを盛り込んでいく予定で、ストック型ビジネスとして収益貢献が期待される。インターホンについてはLTE SIM搭載インターホンを2018年8月期中に販売開始する予定で、住宅メーカーやマンションデベロッパー向けの販売だけでなく、警備会社向けの展開も進めていく。また、大手運送会社と共同で配達効率を高めるための実証実験を進めていく予定にしている。これら新規事業が収益に貢献してくれば、長らく低迷していた同社の業績も新たな成長ステージに入ることが期待される。
■Key Points
・2018年8月期第2四半期累計業績はIoT野球ボールの好調で会社計画を上回り、黒字化を達成
・2018年8月期は10期振りに経常黒字に転じる見通し
・IoT等の高成長分野に重点投資し、再成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<MW>
アクロディア<3823>は、携帯電話用ミドルウェア※1開発からゲームアプリの開発、IoTソリューションへと事業を展開。IoT分野ではIoT野球ボール※2やIoTインターホン※3を開発、販売を開始している。また、不採算事業等の売却による収益構造改革を実施した一方で、安定収益源として2017年8月期以降サブリース事業、教育関連事業をM&Aで取得。ミドルウェアの開発力が生かせるIoT事業に点投資を行い、再成長を目指していく。
※1 デジタル機器の基本的な制御を行うオペレーティングシステム(OS)と、アプリケーションソフトの中間に入るソフトウェアのこと。
※2 硬式野球ボールの中心部に加速度センサ、地磁気センサ、角速度センサを組み合わせたモジュール製品を埋め込み、投手の投球データ(球速、回転数、回転軸、球種、変化量、腕の振りの軌跡や強さ等)を正確に計測、専用アプリケーションを使ってスマートフォンなどで結果を確認する仕組み。投手育成用やスカウト用途での需要が見込まれている。製造は外部委託。Amazonで販売しており価格は27,500円/個(税別)。
※3 LTE SIM搭載インターホンを開発。スマートフォンとの連携により屋内配線工事が不要となるほか、外出先からの来訪者の確認・対応が可能となる。マンションや戸建て住宅のほか、無人駅、病院・介護施設などでの需要が見込まれる。
1. 2018年8月期第2四半期累計業績
2018年8月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比52.7%減の674百万円、経常利益で25百万円(前年同期は304百万円の損失)となった。売上高については子会社及びゲーム関連の一部事業譲渡を行ったこと、ふるさと納税事業の売上計上方法を変更したことで減収となったものの、同要因を除けば実質横ばい水準となった。利益に関しては不採算事業等の売却や、新規事業となるIoT野球ボールがヒットし1億円弱の売上を計上したこと、前期に子会社化した(株)渋谷肉横丁におけるサブリース事業が収益貢献したことにより大幅改善した。
2. 2018年8月期業績見通し
2018年8月期の連結業績は、売上高で前期比44.1%減の1,487百万円、経常利益で28百万円(前期は401百万円の損失)と10期ぶりに黒字転換する見通し。第3四半期はIoT野球ボールの販売を一時停止した影響により業績は前四半期比で減益となる見込みだが、2018年6月6日付でスポーツ用品メーカー大手の(株)エスエスケイ(以下、SSK)と協業を発表、新たにOEM供給することが決まり、第4四半期からの売上貢献が見込まれている。また、ゲームアプリの主要タイトルである「サッカー日本代表2020ヒーローズ」についてもワールドカップ効果で過去最高の売上が期待されており、通期業績は経常利益ベースで会社計画を上回る可能性が高いと弊社では見ている。
3. IoTへ重点投資
IoT分野ではセンサ内蔵野球ボールとインターホンの成長が期待される。センサ内蔵野球ボールは国内でSSK、韓国でスカイラインと販売チャネルを獲得したほか、米国でも大手メーカーと現在、協議中で原価低減が進めば契約締結の可能性が高まる。米国市場が開拓できれば2019年8月期の販売目標2万個も射程圏内に入ってくる。また、2018年中にもスマートフォンアプリでの有料課金サービスも開始する予定。他の投手データとの比較や過去データとの分析が容易にできるようにするなどのサービスを盛り込んでいく予定で、ストック型ビジネスとして収益貢献が期待される。インターホンについてはLTE SIM搭載インターホンを2018年8月期中に販売開始する予定で、住宅メーカーやマンションデベロッパー向けの販売だけでなく、警備会社向けの展開も進めていく。また、大手運送会社と共同で配達効率を高めるための実証実験を進めていく予定にしている。これら新規事業が収益に貢献してくれば、長らく低迷していた同社の業績も新たな成長ステージに入ることが期待される。
■Key Points
・2018年8月期第2四半期累計業績はIoT野球ボールの好調で会社計画を上回り、黒字化を達成
・2018年8月期は10期振りに経常黒字に転じる見通し
・IoT等の高成長分野に重点投資し、再成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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