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ダイナムジャパンHD Research Memo(3):ローコストオペレーションの徹底で、4期ぶりの増益を達成

注目トピックス 日本株
■業績動向

ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2018年3月期決算は、営業収入152,092百万円(前期比3.0%減)、営業利益17,349百万円(同9.1%増)、税引前当期利益16,804百万円(同13.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益10,870百万円(同16.1%増)と減収ながら増益で着地した。各利益項目は4期ぶりに増益となった。

2018年3月期は最高射幸性の機種が1/320機という環境でスタートした。同社はかねてより“射幸性に頼らない営業”を掲げて高射幸性の機種の設置比率が他社に比べて低い店づくりを行ってきたが、射幸性の低下による影響は避けられず、グロス収入である貸玉収入は、前期比5.2%減の775,060百万円となった。貸玉収入の減少に伴い景品出庫額も前期比5.7%減の622,968百万円となった。この結果、営業収入は前期比4,777百万円減収の152,092百万円となった。

一方費用面では、機械費や部品代を含めた遊技機関連費用を前期比約30億円削減した。また人件費においても、本部や間接部門における業務見直しや、システム化による労働時間短縮など、一段の合理化・コスト削減に努めた。こうした、同社の強みであるローコストオペレーションの徹底により、営業費用を前期比6,227百万円削減(店舗営業費用、一般管理費、その他収入、及びその他費用の増減の合計額)し、営業利益の前期比1,450百万円の増益へとつなげた。

店舗の出退店については、2018年3月期の新規出店は6店舗(上期5店舗、下期1店舗)にとどまった。新規出店はいずれも基幹事業会社である(株)ダイナムが実施した。他方、(株)キャビンプラザと夢コーポレーションで1店舗ずつ退店があったため、グループ全体の純増店舗数は4店舗となり、2018年3月末店舗数は450店となった。

前述のように、同社の営業利益は前期比9.1%増の17,349百万円となり、減価償却費等を戻したEBITDAも前期比3.7%増の29,524百万円と300億円に迫った。これに対してキャッシュアウトは配当金と設備投資、法人税の支払いなどがあるが、資金が大幅に余剰となる。同社はこれを原資に借入金の返済を進め、2018年3月期末の有利子負債残高は8,572百万円と、1年前の30,049百万円から一気に200億円以上減少した。

弊社では、2018年3月期決算について、同社が強みを最大限発揮した決算であり、厳しい事業環境のなかで増益を達成したという点で、素直に好決算と評価できる内容だったと考えている。同社はパチンコホールのあり方について、早くから“時間消費型レジャー”へとコンセプトの転換を図り、また、チェーンストア理論に基づき、ローコストオペレーションを始めとする先進的な取り組みを実践してきた。その強みをいかんなく発揮して増益を達成したことは、将来予想される業界再編において同社が勝ち組として主導的役割を果たしていくことを示唆していると考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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