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EMシステムズ Research Memo(5):各事業分野の施策が奏功し、前中期経営計画の目標利益を前倒しで達成

注目トピックス 日本株
■EMシステムズ<4820>の業績動向

1. 2018年3月期業績概要
2018年3月期は、調剤・医科・介護それぞれの分野でソリューションの強化、販路の拡大、情報連携の実現が進んだこと、新規事業の発掘と拡大及び経営の見える化が推進できたことに加え、社内の業務プロセス再構築によりコストダウンが進んだ。加えて、2018年4月の医療・介護保険の同時報酬改定の業績への影響が想定より少なかったこともあり、売上、各利益とも過去最高額を達成した。2018年3月期の業績は、売上高13,953百万円(前期比2.0%増)、営業利益3,063百万円(同17.9%増)、経常利益3,618百万円(同14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,369百万円(同12.0%増)と前期比で増収増益となった。

2. 事業別概要
(1) 調剤システム事業及びその関連事業
調剤システム事業及びその関連事業についてサービス別に売上高を見ると、初期売上4,960百万円(前期比3.0%増)、課金売上3,778百万円(同1.7%増)、サプライ&保守売上2,568百万円(同1.0%減)である。この結果、調剤システム事業の売上高は11,307百万円(同1.7%増)、営業利益は2,870百万円(同8.5%増)と増収増益となった。

インストラクター講習料の売上が増加し、また、電子薬歴付システムへの移行や、プリンタの入替えが順調に進捗したことにより増益となった。2017年1月に利用料を下げたが課金売上の増加が上回っており、同社の影響力が確実に広がっていると推察される。

(2) 医科システム事業及びその関連事業
医科システム事業及びその関連事業は、売上高1,765百万円(前期比5.7%増)、営業利益237百万円(同1253.7%増)となった。サービス別に見ると、初期売上889百万円(同2.3%増)、課金売上407百万円(同35.3%増)、サプライ&保守売上468百万円(同6.2%減)である。販売チャネルが着実に拡大し、営業リソースを重点的に再配置したことでMRNのシステム販売件数が着実に増加し、課金売上もユーザー数の増加に応じて順調に推移している。

(3) その他の事業
その他事業は、売上高1,029百万円(前期比4.8%増)、営業利益9百万円(前期は32百万円の営業損失)と増収増益となった。介護システム事業にて、予定していた機能追加の時期を遅らせたこともあり、売上高及び利益が計画を大幅に下回ったが、薬局経営の事業では調剤報酬及び薬価の改定の影響にも関わらず、営業努力により売上高・営業利益ともに前期及び計画を上回った。


財務の健全化がさらに進歩
3. 財務状況と経営指標
2018年3月末における総資産を見ると、減価償却により有形固定資産が83百万円及び投資不動産が197百万円減少したが、現金及び預金が627百万円及び投資有価証券が169百万円増加したことなどで、前期末に比べ545百万円増加し、21,893百万円となった。

負債合計は1,444百万円減少し5,840百万円となった。未払法人税等が217百万円増加する一方で、支払手形及び買掛金が270百万円減少し、更に繰上返済を含む借入金1,426百万円が減少したためである。

純資産合計は、主に利益剰余金の増加などにより前期末に比べ1,989百万円増加し16,052百万円となった。

経営指標について見ると、業績拡大に伴い利益の蓄積が進み、健全性を表す自己資本比率は72.7%へ上昇(前期末は65.4%)した。その他、流動比率も311.0%(同264.0%)へ上昇し、長期借入金の返済により有利子負債比率が4.1%(同14.9%)へ低下するなど、財務の健全化が着実に進んでいる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)


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