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フォーバル Research Memo(1):2018年3月期は10期連続増益達成

注目トピックス 日本株
■要約

フォーバル<8275>は、「中小・中堅企業の利益に貢献する次世代経営コンサルタント集団」を旗印に事業展開を行う。IP統合システム、情報セキュリティ、Web構築などの情報通信コンサルティングを得意とし、総合コンサルティング、海外進出、人材・教育、環境、事業承継などの経営コンサルティング等を行う。従来は情報通信機器の卸売販売を主に行っていたが、2000年代半ばに大きな売上・利益減に直面し、アイコンサービスを主軸としたコンサルティング業態に転換。このビジネスモデルの転換が成功し、2018年3月期まで営業利益は10期連続の増益を達成している。情報化や経営改善、海外進出など中小企業が抱える様々な課題を解決するユニークな企業である。

1. 事業概要
同社は、情報通信分野のコンサルティングを主としたアイコンサービスを2008年に導入。現在のアイコンサービスは、経営のよろず相談サービス、定期訪問や通信技術を使用した遠隔サポートなどの基本セットと各種メニューを取りそろえ、充実した内容に進化した。同サービスは粗利率が高く、アイコンサービスの売上高と同社全体の営業利益には高い相関性があり、同社の業績向上のドライバーとなっている。近年では、既存の情報通信分野だけでなく、環境や人材・教育、海外進出にまで事業領域を拡大しており、より幅広いサービスを提供する次世代経営コンサルティングも開始し、経営のプロによるコンサルティングを強化している。全国で従業員20名以下の小規模事業者(約320万社)の7割が厳しい経営状況ということを考慮すると、同社サービスの拡大余地は大きい。

2. 業績動向
2018年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比2.2%増の51,351百万円、営業利益が同12.1%増の2,854百万円、経常利益が同13.2%増の2,960百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.8%増の1,743百万円となっており、売上高は堅調に成長、各利益は2ケタの増益で着地した。売上高に関しては、総合環境コンサルティングビジネスグループの減収が大きかったものの、他事業の増収で補った。営業利益に関しては、フォーバルビジネスグループの利益成長の貢献が大きく、アイコンサービスを始めとする付加価値の高いサービスが伸びたことが要因である。

2019年3月期通期の連結業績は、売上高が前期比3.2%増の53,000百万円、営業利益が同5.1%増の3,000百万円、経常利益が同4.7%増の3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同4.9%増の1,830百万円と増収増益を予想している。実現すれば、11期連続の営業・経常増益となる。主力のフォーバルビジネスグループが好調に推移し全社を引っ張る構造は今期も続く見込みだ。その中でアイコンサービスはパートナー企業経由の導入(OEM)を増やす戦略を継続する。前期に苦戦した総合環境コンサルティングビジネスグループでは依然として太陽光パネルに関する外部環境は厳しいものの、前期後半からはLEDや蓄電池などが伸び始めたため、利益額は上向く予想。同社の事業は約4割がストック型ビジネスであり、売上・利益が積み上がる傾向にある。特に主力2事業は堅牢なビジネスモデルを築いており、増収増益計画の達成に向けて視界は良好である。

3. 成長戦略
同社は、日本の中小企業の働き方改革を推進する上でも大きな役割を担っている。働き方改革がうたわれる以前から、自社でITの活用による生産性向上や残業削減などに取り組み、成果を上げてきた。自社で効果が検証されたノウハウのみを顧客である中小企業に提案していくのが同社の基本スタンスである。一例を挙げると、社員の健康が生産性向上に直結することを認識し、健康経営を推進。2018年2月には「健康経営優良法人2018(ホワイト500)※」に選ばれた。同社では、労働時間の適正化、メンタルヘルスなどのストレス関連疾患の発生予防、生活習慣病などの発生予防を重点課題と捉え、積極的に取り組んでいる。

※経済産業省と日本健康会議が共同で実施する認定制度。地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みをもとに、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する。


■Key Points
・情報通信分野を得意とする中小・中堅企業向けコンサルタント集団
・2018年3月期は計画どおり増収増益。フォーバルビジネスグループが牽引し10期連続増益達成
・ビッグデータの蓄積によりアイコンサービスの質が向上、パートナー企業による提供(OEM)が成長

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)


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