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APAMAN Research Memo(4):2018年9月期の営業利益は小幅な増益を見込む

注目トピックス 日本株
■今後の見通し

1. 2018年9月期の業績見通し
APAMAN<8889>の2018年9月期の連結業績は、売上高が前期比0.6%増の40,500百万円、営業利益が同1.7%増の2,600百万円、経常利益が同4.1%増の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同38.5%減の800百万円となる見通し。当期純利益については保有不動産売却に伴う法人税等の増加により期初計画の1,300百万円から引き下げたが、売上高、営業利益、経常利益は期初計画を据え置いた。

第2四半期までの進捗率を見ると、売上高で51.3%、営業利益で38.5%となっており、直近3年間の平均(売上高50.7%、営業利益48.3%)と比較すると営業利益の進捗がやや低くなっている。これはSharing economy事業への先行投資を実施したことが主因。同社では下期についても、先行投資費用として5億円程度を見込んでおり減益要因となるが、一方で、Platform事業における管理戸数の増加や付帯商品サービスの販売増、Cloud technology事業におけるFC店向けシステム利用料の増加等が継続すること、Sharing economy事業も6月15日より民泊事業がスタートするなど売上増が見込めること、費用面では業務効率向上のためRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールを直営店で本格的に導入していくことで生産性向上を図り、業績計画の達成を目指していく方針だ。

RPAツールは持分法適用関連会社のシステムソフトが開発したもので、店舗において日々、スタッフが手作業で行っている不動産物件や顧客管理情報等の入力作業工程の一部をRPAツールで自動化するというもの。2018年2月より直営店5店舗で試験運用を実施したところ、同作業にかかる時間が大幅に短縮されたほか、入力データの正確性も向上するなど生産性の大幅な向上につながる結果が得られたことで、2018年4月より直営店での本格導入が始まっている。

なお、同社は2018年5月に子会社のApaman Property(株)がプレストサービスの全株式を取得し、孫会社化したことを発表している。プレストサービスは東京、名古屋、大阪、福岡等の主要都市でサブリース、賃貸管理等を展開している会社で、2018年4月末時点の管理戸数は12,143戸(うちサブリース11,052戸、賃貸管理1,091戸)、駐車場台数は2,094台となっている。管理物件のうち、1,606戸の賃貸管理をApaman Propertyで受託している。

直近年度である2017年12月期の売上高は950百万円(APAMANグループ会計方針での売上高7,208百万円)、営業損失は198百万円となっており、収益性の低さが懸念されるが、これはプレストサービスの親会社で住宅販売など他の不動産事業も展開しており、収益性を重要視していなかったことに原因があると見られる。同社では今後、不動産オーナーとの契約内容の見直しを進めていくこと、あるいは家賃保証サービス等の不動産オーナー向け付帯サービスの拡充や業務の内製化を進めていくことで、収益化していくことは可能と判断した。また、管理物件のうち不動産オーナーから民泊運用の内諾を得ている物件が3,353戸(賃貸借契約に基づく入居中含む)と全戸数の約3割に達しており、今後、民泊事業を中心にSharing economy事業を拡大していくうえで、プレストサービスの子会社化は大きく貢献してくるものと予想される。今回の子会社化によって、同社グループの管理戸数は3月末の約7.5万戸から約8.7万戸に拡大することになる。

プレストサービスの業績については売上計上基準が同社と異なっており、サブリースについても賃料収入から売上原価を差し引いた利益額相当を売上に計上している。今回、子会社化によって同社の会計方針に合わせることになるが、同基準で2017年12月期の売上実績を試算すると7,208百万円となる。連結業績には当第3四半期の途中(2018年6月)から組み込まれることになるが、今回の会社計画には織り込んでおらず、特に、売上高については上振れ要因となる見通しだ。利益面では不動産オーナーとの契約見直しが一巡するのに1〜2年程度要すると見られるため、当面は見込みにくいものの、民泊事業の立ち上がり状況によっては早期に収益化する可能性もある。なお、のれんについては発生していない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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