飯野海運 Research Memo(2):約120年の歴史を誇る海運会社、海運業と不動産業が両輪
[18/07/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
飯野海運<9119>は1899年の創業(飯野商会、京都府舞鶴市)以来約120年の歴史を誇る海運会社である。現在は資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディングを主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪として事業展開し、永続的な安定成長を目指している。
2018年3月期末の資本金は13,092百万円、自己資本比率は32.9%、1株当たり純資産は653円29銭、発行済株式数は111,075,980株(うち自己株式数5,267,927株)である。なお2018年2月1日に、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって5,160,000株を自己株式として取得した。
2. 沿革
1899年、創業者の飯野寅吉(いいのとらきち)氏が京都府舞鶴市に飯野商会を設立して港湾荷役業及び石炭運送業に着手、1931年に日本初の本格的外航タンカー「富士山丸」が竣工し、1944年に現商号の飯野海運株式会社に改称した。
1949年、東京証券取引所に上場、1951年に定期航路経営に本格進出、1964年海運集約に際して定期船部門を分離・譲渡(以来、タンカー・不定期貨物船経営が主力)。
1991年にはインドネシア産LNGプロジェクトに参画してLNG輸送に進出し、1993年にはカタール産LNGプロジェクトに参画、1999年に創立100周年を迎えた。2001年、世界最大級のサウジアラビア・メタノール製造プロジェクトに参画。
2003年、自主運航LNGタンカー「SK SUNRISE」竣工。
2004年、海上運送業においてISO9001及びISO14001の同時認証取得。
2005年、ビル賃貸業においてISO9001及びISO14001同時認証取得。
2009年、ケミカルタンカーによるバイオETBE(エチル・ターシャリ・ブチル・エーテル)輸送開始。
2011年、飯野ビルディング建替え1期工事が完了して開業。本社オフィスが日本初の「LEEDプラチナ認証」を取得。
2014年、飯野ビルディング2期工事が完了しグランドオープン。
2017年、創立125周年(2024年)に向けた新中期経営計画を策定。
2018年、旧東京桜田ビルを含む新橋田村町地区市街地再開発事業が本格始動した。
なお2019年7月に創立120周年を迎える。
3. 事業内容
セグメント区分は外航海運業、内航・近海海運業、不動産業の3セグメントとしている。2018年3月期の売上高構成比は外航海運業76.0%、内航・近海海運業11.0%、不動産業13.0%、営業利益構成比は外航海運業30.3%、内航・近海海運業12.4%、不動産業57.3%だった。海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を収益の両輪としていることが特徴だ。
海運業(外航海運業、内航・近海海運業)の収益は、為替、海運市況、燃料油価格などの影響を受けて変動しやすいが、2017年度は全社利益の約4割を確保している。不動産業は2017年3月期及び2018年3月期の売上高と営業利益が、再開発事業参画に伴う所有ビル解体などの影響で一時的に減少したが、安定収益源であることに変化はない。
海運業のうち外航海運業は、全世界にわたる水域で原油、石油製品、石油化学製品、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、発電用石炭、肥料、木材チップ等の海上輸送を行っている。内航・近海海運業は、国内及び近海を中心とした水域でLNG、LPG、石油化学系ガス等の海上輸送を行っている。ケミカルタンカーや大型・小型ガスキャリア(LNG・LPG輸送船)による資源・エネルギー関連輸送を主力として、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供していることが特徴だ。また、船舶管理業や船用品販売業なども行っている。
不動産業は、東京都内においてオフィスビル賃貸・管理・メンテナンスと、フォトスタジオ運営を中心とした不動産関連事業を行っている。本社ビルである飯野ビルディング(イイノホール&カンファレンスセンター含む)の賃貸を主力として、東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。
4. グループ会社
2018年3月期末のグループ会社は、同社及びグループ会社72社(連結対象子会社58社、持分法適用会社4社、連結対象外の関係会社10社)の合計73社で構成されている。海外は現地法人や駐在員事務所など合計8拠点(シンガポール、ヒューストン、ロンドン、コネチカット、ドバイ、大連、釜山、マニラ)に展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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1. 会社概要
飯野海運<9119>は1899年の創業(飯野商会、京都府舞鶴市)以来約120年の歴史を誇る海運会社である。現在は資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディングを主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪として事業展開し、永続的な安定成長を目指している。
2018年3月期末の資本金は13,092百万円、自己資本比率は32.9%、1株当たり純資産は653円29銭、発行済株式数は111,075,980株(うち自己株式数5,267,927株)である。なお2018年2月1日に、東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)によって5,160,000株を自己株式として取得した。
2. 沿革
1899年、創業者の飯野寅吉(いいのとらきち)氏が京都府舞鶴市に飯野商会を設立して港湾荷役業及び石炭運送業に着手、1931年に日本初の本格的外航タンカー「富士山丸」が竣工し、1944年に現商号の飯野海運株式会社に改称した。
1949年、東京証券取引所に上場、1951年に定期航路経営に本格進出、1964年海運集約に際して定期船部門を分離・譲渡(以来、タンカー・不定期貨物船経営が主力)。
1991年にはインドネシア産LNGプロジェクトに参画してLNG輸送に進出し、1993年にはカタール産LNGプロジェクトに参画、1999年に創立100周年を迎えた。2001年、世界最大級のサウジアラビア・メタノール製造プロジェクトに参画。
2003年、自主運航LNGタンカー「SK SUNRISE」竣工。
2004年、海上運送業においてISO9001及びISO14001の同時認証取得。
2005年、ビル賃貸業においてISO9001及びISO14001同時認証取得。
2009年、ケミカルタンカーによるバイオETBE(エチル・ターシャリ・ブチル・エーテル)輸送開始。
2011年、飯野ビルディング建替え1期工事が完了して開業。本社オフィスが日本初の「LEEDプラチナ認証」を取得。
2014年、飯野ビルディング2期工事が完了しグランドオープン。
2017年、創立125周年(2024年)に向けた新中期経営計画を策定。
2018年、旧東京桜田ビルを含む新橋田村町地区市街地再開発事業が本格始動した。
なお2019年7月に創立120周年を迎える。
3. 事業内容
セグメント区分は外航海運業、内航・近海海運業、不動産業の3セグメントとしている。2018年3月期の売上高構成比は外航海運業76.0%、内航・近海海運業11.0%、不動産業13.0%、営業利益構成比は外航海運業30.3%、内航・近海海運業12.4%、不動産業57.3%だった。海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を収益の両輪としていることが特徴だ。
海運業(外航海運業、内航・近海海運業)の収益は、為替、海運市況、燃料油価格などの影響を受けて変動しやすいが、2017年度は全社利益の約4割を確保している。不動産業は2017年3月期及び2018年3月期の売上高と営業利益が、再開発事業参画に伴う所有ビル解体などの影響で一時的に減少したが、安定収益源であることに変化はない。
海運業のうち外航海運業は、全世界にわたる水域で原油、石油製品、石油化学製品、LNG(液化天然ガス)、LPG(液化石油ガス)、発電用石炭、肥料、木材チップ等の海上輸送を行っている。内航・近海海運業は、国内及び近海を中心とした水域でLNG、LPG、石油化学系ガス等の海上輸送を行っている。ケミカルタンカーや大型・小型ガスキャリア(LNG・LPG輸送船)による資源・エネルギー関連輸送を主力として、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供していることが特徴だ。また、船舶管理業や船用品販売業なども行っている。
不動産業は、東京都内においてオフィスビル賃貸・管理・メンテナンスと、フォトスタジオ運営を中心とした不動産関連事業を行っている。本社ビルである飯野ビルディング(イイノホール&カンファレンスセンター含む)の賃貸を主力として、東京都心部の一等地に賃貸オフィスビルを複数所有していることが特徴だ。
4. グループ会社
2018年3月期末のグループ会社は、同社及びグループ会社72社(連結対象子会社58社、持分法適用会社4社、連結対象外の関係会社10社)の合計73社で構成されている。海外は現地法人や駐在員事務所など合計8拠点(シンガポール、ヒューストン、ロンドン、コネチカット、ドバイ、大連、釜山、マニラ)に展開している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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