BBT Research Memo(5):2019年3月期は主力2事業がそろって2ケタ増収となる見通し
[18/07/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■今後の見通し
1. 2019年3月期の業績見通し
ビジネス・ブレークスルー<2464>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比13.9%増の5,796百万円、営業利益が同1.2%増の437百万円、経常利益が同0.4%減の436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.7%増の284百万円となる見通し。売上高は主力のマネジメント教育サービス事業、プラットフォームサービス事業ともに2ケタ増収を見込んでいる。一方、営業利益が微増益にとどまるのは、プラットフォームサービス事業において2018年4月より開校した「AJB三鷹キャンパス」の初期投資負担や計画する新規拠点の開設準備費用など合わせて110百万円の費用増を見込んでいるためだ。
広告宣伝費に関しては今期も抑制方針だが、人件費については法人向け教育サービスの体制強化により増加する見込みとなっている。経営コンテンツメディアサービス事業については前期並みの収益水準で計画に織り込んでいる。親会社株主期に帰属する当期純利益に関しては、前期に計上した特別損失が無くなるため2ケタ増益となる見通し。
(1) マネジメント教育サービス事業
マネジメント教育サービス事業の業績は、2ケタ増収増益となる見通し。売上高は前期比で約3.5億円の増収を見込んでいる。個人向け、法人向けともに同額程度の増収となる。個人向けに関しては、BBT大学/大学院の春期入学生が前年比で若干減にとどまり、本科コースの減収が続く見通しだが、2018年4月にフルリニューアルした問題解決力トレーニングプログラムのほか、ビジネス英会話プログラム、管理職養成のためのリーダーシップ・アクションプログラムなどオープンカレッジの受講生増加でカバーし、3期ぶりの増収を目指している。
法人向け教育サービスについては、企業におけるグローバル人材やマネジメントリーダー育成のための教育研修ニーズが旺盛で、特にeラーニングを活用する企業が増加傾向となっている。こうしたなかで、同社は営業体制の強化を図ることで需要を取り込んでいく戦略となる。法人営業の人員増員を計画しているほか、デジタルマーケティングも活用していくことで、新規顧客の開拓並びに既存顧客の深耕に取り組んでいく方針となっている。
同社の強みは顧客企業のニーズに合わせて遠隔型教育コンテンツと集合型研修を組み合わせ、最適な教育研修プログラムを提案できることにある。こうした営業ノウハウを持った人材を育成するには従来、1〜2年程度の期間を要していたが、トレーニングプログラムやSFAツール(営業支援システム)等の見直しによって早期の戦力化を図り、また、見込み顧客獲得のためセミナー開催やWebサイトのリニューアルなどにも積極的に取り組んでいくことで、売上拡大につなげていく。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の業績は、2ケタ増収1ケタ減益を見込んでいる。売上高については既存校における生徒数増加に加えて、2018年4月より開校した「AJB三鷹キャンパス」が寄与することにより前期比で4億円弱の増収となる見通し。一方、セグメント利益は「AJB三鷹キャンパス」の立ち上げ負担で損失を見込んでいるほか、新規拠点開設のための準備費用を計画に織込んでいることが減益要因となる。ただ、新拠点については具体的な候補がまだ見つかっていないため、準備費用については減額となる可能性もある。
2018年4月時点のグループ全体の生徒数は約870名と前期比2ケタ増でスタートしている。このうち、「AJB三鷹キャンパス」は当初計画を上回り69名となった。同社としては23区以外で初進出となったが、教育熱心な土地柄もあって順調な滑り出しを見せたようだ。「AJB芝浦キャンパス」は前年同期比倍増の45名となり、損益分岐点まであと少しのところまできている。「AJB早稲田キャンパス」は計画通りの99名となり、2019年3月期は黒字化する見通し。「AJB晴海キャンパス」は126名となり前年比でやや減少したものの堅調に推移している状況に変わりない。また、インターナショナルスクールの「A-JIS」や「サマーヒルインターナショナルスクール」については新年度が始まる8月以降、更なる生徒数の増加を見込んでいる。
一方、新拠点の候補としては今後、若年層の人口増加が見込まれているエリアが中心となるほか、「AJB芝浦キャンパス」の定員数が58名と他のプリスクール(定員数120〜150名)よりも手狭なことから、近隣地で収容能力の大きい物件が見つかれば、移転リニューアルすることも選択肢の1つとして挙がっている。
なお、IBの認定取得については「A-JIS」が既にフルラインで取得しているほか、「AJB晴海キャンパス」、「AJB芝浦キャンパス」、「サマーヒルインターナショナルスクール」でPYPを取得している。また、2018年度末までに「AJB早稲田キャンパス」もPYPの取得を目指している。国際バカロレアの教育方針は、アクティブラーニングや探究型学習といった主体的な学びを基本としており、2020年度から実施される教育制度改革でも重点ポイントとして挙げられている。特に、英会話能力についてはより一層重視されることとなり、同社が展開するバイリンガルプリスクールへの関心度もさらに高まっていくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<TN>
1. 2019年3月期の業績見通し
ビジネス・ブレークスルー<2464>の2019年3月期の連結業績は、売上高が前期比13.9%増の5,796百万円、営業利益が同1.2%増の437百万円、経常利益が同0.4%減の436百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同19.7%増の284百万円となる見通し。売上高は主力のマネジメント教育サービス事業、プラットフォームサービス事業ともに2ケタ増収を見込んでいる。一方、営業利益が微増益にとどまるのは、プラットフォームサービス事業において2018年4月より開校した「AJB三鷹キャンパス」の初期投資負担や計画する新規拠点の開設準備費用など合わせて110百万円の費用増を見込んでいるためだ。
広告宣伝費に関しては今期も抑制方針だが、人件費については法人向け教育サービスの体制強化により増加する見込みとなっている。経営コンテンツメディアサービス事業については前期並みの収益水準で計画に織り込んでいる。親会社株主期に帰属する当期純利益に関しては、前期に計上した特別損失が無くなるため2ケタ増益となる見通し。
(1) マネジメント教育サービス事業
マネジメント教育サービス事業の業績は、2ケタ増収増益となる見通し。売上高は前期比で約3.5億円の増収を見込んでいる。個人向け、法人向けともに同額程度の増収となる。個人向けに関しては、BBT大学/大学院の春期入学生が前年比で若干減にとどまり、本科コースの減収が続く見通しだが、2018年4月にフルリニューアルした問題解決力トレーニングプログラムのほか、ビジネス英会話プログラム、管理職養成のためのリーダーシップ・アクションプログラムなどオープンカレッジの受講生増加でカバーし、3期ぶりの増収を目指している。
法人向け教育サービスについては、企業におけるグローバル人材やマネジメントリーダー育成のための教育研修ニーズが旺盛で、特にeラーニングを活用する企業が増加傾向となっている。こうしたなかで、同社は営業体制の強化を図ることで需要を取り込んでいく戦略となる。法人営業の人員増員を計画しているほか、デジタルマーケティングも活用していくことで、新規顧客の開拓並びに既存顧客の深耕に取り組んでいく方針となっている。
同社の強みは顧客企業のニーズに合わせて遠隔型教育コンテンツと集合型研修を組み合わせ、最適な教育研修プログラムを提案できることにある。こうした営業ノウハウを持った人材を育成するには従来、1〜2年程度の期間を要していたが、トレーニングプログラムやSFAツール(営業支援システム)等の見直しによって早期の戦力化を図り、また、見込み顧客獲得のためセミナー開催やWebサイトのリニューアルなどにも積極的に取り組んでいくことで、売上拡大につなげていく。
(2) プラットフォームサービス事業
プラットフォームサービス事業の業績は、2ケタ増収1ケタ減益を見込んでいる。売上高については既存校における生徒数増加に加えて、2018年4月より開校した「AJB三鷹キャンパス」が寄与することにより前期比で4億円弱の増収となる見通し。一方、セグメント利益は「AJB三鷹キャンパス」の立ち上げ負担で損失を見込んでいるほか、新規拠点開設のための準備費用を計画に織込んでいることが減益要因となる。ただ、新拠点については具体的な候補がまだ見つかっていないため、準備費用については減額となる可能性もある。
2018年4月時点のグループ全体の生徒数は約870名と前期比2ケタ増でスタートしている。このうち、「AJB三鷹キャンパス」は当初計画を上回り69名となった。同社としては23区以外で初進出となったが、教育熱心な土地柄もあって順調な滑り出しを見せたようだ。「AJB芝浦キャンパス」は前年同期比倍増の45名となり、損益分岐点まであと少しのところまできている。「AJB早稲田キャンパス」は計画通りの99名となり、2019年3月期は黒字化する見通し。「AJB晴海キャンパス」は126名となり前年比でやや減少したものの堅調に推移している状況に変わりない。また、インターナショナルスクールの「A-JIS」や「サマーヒルインターナショナルスクール」については新年度が始まる8月以降、更なる生徒数の増加を見込んでいる。
一方、新拠点の候補としては今後、若年層の人口増加が見込まれているエリアが中心となるほか、「AJB芝浦キャンパス」の定員数が58名と他のプリスクール(定員数120〜150名)よりも手狭なことから、近隣地で収容能力の大きい物件が見つかれば、移転リニューアルすることも選択肢の1つとして挙がっている。
なお、IBの認定取得については「A-JIS」が既にフルラインで取得しているほか、「AJB晴海キャンパス」、「AJB芝浦キャンパス」、「サマーヒルインターナショナルスクール」でPYPを取得している。また、2018年度末までに「AJB早稲田キャンパス」もPYPの取得を目指している。国際バカロレアの教育方針は、アクティブラーニングや探究型学習といった主体的な学びを基本としており、2020年度から実施される教育制度改革でも重点ポイントとして挙げられている。特に、英会話能力についてはより一層重視されることとなり、同社が展開するバイリンガルプリスクールへの関心度もさらに高まっていくものと予想される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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