シャノン Research Memo(1):マーケティングオートメーションサービス市場の拡大を追い風に、高成長を目指す
[18/07/18]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
シャノン<3976>は2000年創業のITベンチャー。インターネットを活用したイベント・セミナーの申込受付管理システムを国内で初めて開発し、その後、企業のマーケティング業務の自動化・効率化を実現するマーケティングオートメーション分野へと展開。統合型マーケティング支援サービス(SaaS型)では2010年度以降、7年連続でトップシェアを獲得するなど大手の一角を占める。2017年1月に東証マザーズ市場に上場。
1. 2018年10月期第2四半期累計業績
2018年10月期第2四半期累計(2017年11月-2018年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.3%増の847百万円、営業損失で53百万円(前年同期は29百万円の損失)となった。マーケティングオートメーションサービス(以下、MAサービス)は契約アカウント数の増加によりサブスクリプション売上(月額課金収入)が増収となったものの、プロフェッショナルサービスが低迷したことにより、前年同期比0.3%増収にとどまった。一方、イベントマーケティングサービス(以下、EMサービス)は前下期から開始したイベントプロデュース関連が順調に推移し同43.5%増収と好調に推移した。利益面では、業容拡大に向けた人件費増や教育費の増加を主因として、前年同期よりも若干損失額が拡大した。なお、MAサービスの新規契約件数は前年同期の29件から49件と5割以上増加し、契約アカウント数も前期末比で4.7%増の353件と着実に増加している。新規案件獲得に一定の成果が出ていることや、まだ成果にはつながっていないものの解約件数の改善を目指した施策の実施など、営業力の強化に取り組んできた成果が徐々に顕在化してきていると見られる。
2. 2018年10月期業績見通し
2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の1,934百万円、営業利益で9百万円と期初会社計画を据え置いた。下期もMAサービスの新規顧客獲得によるサブスクリプション売上の積み上げにより、2期ぶり黒字転換を目指す。課題となっていた中堅企業をターゲットとした営業組織の体制が整備され、採用した人材の戦力強化が進んできたことから、下期以降も新規顧客の開拓ペースを加速化し、計画の達成を目指していく。第2四半期までの売上進捗率が43.8%となっており、売上高は計画を下振れする可能性も考えられるが、少なくともサブスクリプション売上の積み上げと経費削減により、営業利益の黒字化は達成可能と見られる。
3. 成長戦略
企業の営業活動においてデジタルマーケティング戦略の重要性が増すなかで、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)の市場は今後も年率2ケタ成長が続くものと予想される。同社は機能面やコンサルティング力を強みに中大企業を中心に顧客を開拓してきたが、今後は中堅企業に対しても販売を強化していくことで、サブスクリプション売上の積み上げを図り、収益を拡大していく戦略となる。サブスクリプション売上については年間20百万円ペースで積み上げていくことを目標としている。同ペースで売上げを拡大していくことができれば、固定費増を増収効果が上回ることになり収益性も右肩上がりに上昇することになる。また、一方で最近ではマーケティング施策において、デジタルとアナログの融合という概念も強く叫ばれており、MAツールとしての機能だけでなく、展示会・イベント向けサービスも提供可能な同社の製品は、競合他社製品に対して優位性を発揮するかもしれない。同社では売上高営業利益率で10%前後の水準を当面の経営目標として掲げている。
■Key Points
・MAツールで2010年度から7年連続トップシェアを獲得、2017年度はBtoB市場でトップシェアを維持
・2018年10月期はMAツールの顧客獲得動向が計画達成のカギを握る
・サブスクリプション売上の積み上げによって、営業利益率で10%前後を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<NB>
シャノン<3976>は2000年創業のITベンチャー。インターネットを活用したイベント・セミナーの申込受付管理システムを国内で初めて開発し、その後、企業のマーケティング業務の自動化・効率化を実現するマーケティングオートメーション分野へと展開。統合型マーケティング支援サービス(SaaS型)では2010年度以降、7年連続でトップシェアを獲得するなど大手の一角を占める。2017年1月に東証マザーズ市場に上場。
1. 2018年10月期第2四半期累計業績
2018年10月期第2四半期累計(2017年11月-2018年4月)の連結業績は、売上高で前年同期比11.3%増の847百万円、営業損失で53百万円(前年同期は29百万円の損失)となった。マーケティングオートメーションサービス(以下、MAサービス)は契約アカウント数の増加によりサブスクリプション売上(月額課金収入)が増収となったものの、プロフェッショナルサービスが低迷したことにより、前年同期比0.3%増収にとどまった。一方、イベントマーケティングサービス(以下、EMサービス)は前下期から開始したイベントプロデュース関連が順調に推移し同43.5%増収と好調に推移した。利益面では、業容拡大に向けた人件費増や教育費の増加を主因として、前年同期よりも若干損失額が拡大した。なお、MAサービスの新規契約件数は前年同期の29件から49件と5割以上増加し、契約アカウント数も前期末比で4.7%増の353件と着実に増加している。新規案件獲得に一定の成果が出ていることや、まだ成果にはつながっていないものの解約件数の改善を目指した施策の実施など、営業力の強化に取り組んできた成果が徐々に顕在化してきていると見られる。
2. 2018年10月期業績見通し
2018年10月期の連結業績は、売上高で前期比21.9%増の1,934百万円、営業利益で9百万円と期初会社計画を据え置いた。下期もMAサービスの新規顧客獲得によるサブスクリプション売上の積み上げにより、2期ぶり黒字転換を目指す。課題となっていた中堅企業をターゲットとした営業組織の体制が整備され、採用した人材の戦力強化が進んできたことから、下期以降も新規顧客の開拓ペースを加速化し、計画の達成を目指していく。第2四半期までの売上進捗率が43.8%となっており、売上高は計画を下振れする可能性も考えられるが、少なくともサブスクリプション売上の積み上げと経費削減により、営業利益の黒字化は達成可能と見られる。
3. 成長戦略
企業の営業活動においてデジタルマーケティング戦略の重要性が増すなかで、マーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)の市場は今後も年率2ケタ成長が続くものと予想される。同社は機能面やコンサルティング力を強みに中大企業を中心に顧客を開拓してきたが、今後は中堅企業に対しても販売を強化していくことで、サブスクリプション売上の積み上げを図り、収益を拡大していく戦略となる。サブスクリプション売上については年間20百万円ペースで積み上げていくことを目標としている。同ペースで売上げを拡大していくことができれば、固定費増を増収効果が上回ることになり収益性も右肩上がりに上昇することになる。また、一方で最近ではマーケティング施策において、デジタルとアナログの融合という概念も強く叫ばれており、MAツールとしての機能だけでなく、展示会・イベント向けサービスも提供可能な同社の製品は、競合他社製品に対して優位性を発揮するかもしれない。同社では売上高営業利益率で10%前後の水準を当面の経営目標として掲げている。
■Key Points
・MAツールで2010年度から7年連続トップシェアを獲得、2017年度はBtoB市場でトップシェアを維持
・2018年10月期はMAツールの顧客獲得動向が計画達成のカギを握る
・サブスクリプション売上の積み上げによって、営業利益率で10%前後を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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