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高千穂交易 Research Memo(1):グローバルビジネスの拡大、新規ビジネスの創出を推進

注目トピックス 日本株
■要約

高千穂交易<2676>は、セキュリティ関連などのシステム機器、機構部品、半導体などのデバイス機器を主として海外メーカーから仕入れて国内のユーザーに提供するBtoBの商社である。特に「安全・安心・快適」を提供する商品監視システムや機構部品のスライドレールでは国内トップクラスの高いシェアを持っており、近年は海外企業の買収によりセキュリティシステムや防火システムの東南アジア地区での拡販にも力を入れている。

1. 2018年3月期の業績動向
2018年3月期は、売上高19,570百万円(前期比2.8%増)、営業利益663百万円(同32.6%増)、経常利益706百万円(同0.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益130百万円(同53.2%減)となった。売上高は、外資系企業向け入退室管理システムの増収や商品監視システムの更新需要等により前期比で増収にはなったが、タイの子会社Guardfire社(以下、GF社)や産機プロダクトの中国向けATM用、遊技機器(パチンコ機)用機構部品などが不振であったことから計画を下回った。営業利益も前期比での増益率は高いが計画以下で、経常利益は為替差益が減少したことからほぼ前期並みにとどまった。海外子会社の減損損失(253百万円)を特別損失に計上(13ページ記載の業績動向2. 2018年3月期のセグメント別状況参照)したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅減益となった。

2. 2019年3月期の見通し
進行中の2019年3月期は、売上高で22,500百万円(前期比15.0%増)、営業利益で1,200百万円(同80.8%増)、経常利益で1,200百万円(同69.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益で800百万円(同511.2%増)と予想している。ほぼすべての製品で増収を予想しているが、特に期待されるのはタイ子会社GF社が扱う高度防火システム、商品監視システムの更新需要、採用が遅れていた大型封入封函機のリプレース、車載用のエンターテイメントを中心として各種機器向けのシリコンマイク、米国向けの住設機器用機構部品などである。また、過去数年間に積極的に行ってきたM&Aによるのれん償却もピークを過ぎ減少に向かうことも増益要因だ。

3. 中期経営計画
同社は2019年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表。最終年度の経常利益15億円の目標を掲げていた。セキュリティ事業では、入退室管理や防犯システムは計画を上回る見込みだが、ATM市場縮小の影響や「グローバル事業の拡大」の遅れを考慮し修正。経常利益12億円を予想している。ただし、定量的な目標は修正したものの、定性的な方向性は変えておらず、主にグローバルビジネスの拡大や付加価値による競争力強化により計画の実現を図る。また今回新たに井出尊信氏が社長に就任。前社長の戸田氏よりも20歳近く若く、このトップ若返り効果もどうなってくるかは引続き注目する必要がありそうだ。

■Key Points
・中期経営計画最終年度の2019年3月期は経常利益12億円を目指す
・東南アジア防火システムの復調

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



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