ソルクシーズ Research Memo(1):不採算プロジェクトの一巡により、収益は回復軌道へ
[18/08/17]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ソルクシーズ<4284>は、金融業界向けを中心としたソフトウェア開発を手掛け、子会社に業界特化型のIT企業を持つ。そのうちの1社である(株)エクスモーション<4394>が2018年7月に、また、出資先企業である(株)エーアイ<4388>も、同年6月に東証マザーズ市場に上場している。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.0%減の6,446百万円、営業利益で同5.5%減の221百万円と減収減益決算となった。2017年12月期に発生した不採算プロジェクトの収束に時間を要したのが要因だが、ほぼ期初会社計画(売上高6,500百万円、営業利益200百万円)どおりの進捗となった。四半期ベースの営業利益で見れば、第1四半期の60百万円から第2四半期は160百万円に増加し、また、前年同期比でも12.5%増と5四半期ぶりの増益に転じるなど、収益は底入れしたと見られる。なお、不採算プロジェクトに関しては既に検収を終えているが、一部追加で発生した工程に関してのコストをどのように負担するかについての協議を進めており、第3四半期までにはすべて決着する見込みだ。また、当該顧客からの次期開発プロジェクトについても継続して入る見込みとなっている。
2. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の13,600百万円、営業利益で同21.8%増の610百万円と期初計画を据え置いている。金融業界向けの大型開発プロジェクトが一巡したことや不採算プロジェクト収束を優先するため、新規受注活動を手控えていたことで売上高は減収となるものの、営業利益はエクスモーションや(株)イー・アイ・ソルなど子会社の収益が拡大することもあって、2期ぶりに営業増益に転じる見通しだ。
3. 重点5分野に積極展開
同社は、FinTech、IoT、自動運転、AI、クラウドを重点5分野として位置付け、積極的な事業展開を進めていく方針。FinTech分野では2018年7月に金融システムツールの開発・運用を行うジーフィット(株)との資本業務提携を発表。FX用のシステムトレード用アプリケーション運用サービス「シストレクラウド」の機能強化に向けた開発支援を行っていく。IoT分野ではイー・アイ・ソルが「IoT/予知保全システム」の提供を開始しており、電装品大手への導入を皮切りに今後の受注拡大を目指している。クラウドサービスではファイル共有サービスである「Fleekdrive」シリーズについて、豊田通商<8015>のシンガポール子会社と販売代理店契約を締結し、海外の日系現地法人向けへの拡販を開始する。また、「Fleekdrive」シリーズについては資本業務提携先である(株)アックスのAI技術を活用した新機能の開発にも着手しており、今後の成長が期待される。自動運転分野についてはエクスモーションでの受注が好調で今後も高成長が見込まれている。同社は3ヶ年の中期計画として、2020年12月期に売上高で14,500百万円、経常利益で1,100百万円の目標を掲げているが、これら重点5分野を拡大していくことで達成していくことになる。
■Key Points
・不採算プロジェクトの影響が一巡し、2018年12月期は2期ぶりの営業増益に転じる見通し
・FinTech、IoT、自動運転、クラウド、AIを重点5分野と定め、積極的なビジネス展開を図る
・株主優待を廃止し、配当による株主還元を一層充実させていく方針に変更
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソルクシーズ<4284>は、金融業界向けを中心としたソフトウェア開発を手掛け、子会社に業界特化型のIT企業を持つ。そのうちの1社である(株)エクスモーション<4394>が2018年7月に、また、出資先企業である(株)エーアイ<4388>も、同年6月に東証マザーズ市場に上場している。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月-6月)の連結業績は、売上高で前年同期比8.0%減の6,446百万円、営業利益で同5.5%減の221百万円と減収減益決算となった。2017年12月期に発生した不採算プロジェクトの収束に時間を要したのが要因だが、ほぼ期初会社計画(売上高6,500百万円、営業利益200百万円)どおりの進捗となった。四半期ベースの営業利益で見れば、第1四半期の60百万円から第2四半期は160百万円に増加し、また、前年同期比でも12.5%増と5四半期ぶりの増益に転じるなど、収益は底入れしたと見られる。なお、不採算プロジェクトに関しては既に検収を終えているが、一部追加で発生した工程に関してのコストをどのように負担するかについての協議を進めており、第3四半期までにはすべて決着する見込みだ。また、当該顧客からの次期開発プロジェクトについても継続して入る見込みとなっている。
2. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期の連結業績は、売上高で前期比2.9%減の13,600百万円、営業利益で同21.8%増の610百万円と期初計画を据え置いている。金融業界向けの大型開発プロジェクトが一巡したことや不採算プロジェクト収束を優先するため、新規受注活動を手控えていたことで売上高は減収となるものの、営業利益はエクスモーションや(株)イー・アイ・ソルなど子会社の収益が拡大することもあって、2期ぶりに営業増益に転じる見通しだ。
3. 重点5分野に積極展開
同社は、FinTech、IoT、自動運転、AI、クラウドを重点5分野として位置付け、積極的な事業展開を進めていく方針。FinTech分野では2018年7月に金融システムツールの開発・運用を行うジーフィット(株)との資本業務提携を発表。FX用のシステムトレード用アプリケーション運用サービス「シストレクラウド」の機能強化に向けた開発支援を行っていく。IoT分野ではイー・アイ・ソルが「IoT/予知保全システム」の提供を開始しており、電装品大手への導入を皮切りに今後の受注拡大を目指している。クラウドサービスではファイル共有サービスである「Fleekdrive」シリーズについて、豊田通商<8015>のシンガポール子会社と販売代理店契約を締結し、海外の日系現地法人向けへの拡販を開始する。また、「Fleekdrive」シリーズについては資本業務提携先である(株)アックスのAI技術を活用した新機能の開発にも着手しており、今後の成長が期待される。自動運転分野についてはエクスモーションでの受注が好調で今後も高成長が見込まれている。同社は3ヶ年の中期計画として、2020年12月期に売上高で14,500百万円、経常利益で1,100百万円の目標を掲げているが、これら重点5分野を拡大していくことで達成していくことになる。
■Key Points
・不採算プロジェクトの影響が一巡し、2018年12月期は2期ぶりの営業増益に転じる見通し
・FinTech、IoT、自動運転、クラウド、AIを重点5分野と定め、積極的なビジネス展開を図る
・株主優待を廃止し、配当による株主還元を一層充実させていく方針に変更
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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