ナック Research Memo(2):住宅関連、生活関連と多角化展開し、暮らしに関するコングロマリットと言える企業
[18/08/22]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業内容
ナック<9788>は、住宅関連、生活関連と多角化展開し、暮らしに関するコングロマリットと言える企業である。クリクラ事業、レンタル事業、建築コンサルティング事業、住宅事業、美容・健康事業の5つの事業でセグメントが構成されており、事業展開としては、クリクラ事業、レンタル事業など安定した収益基盤を構築し、それを事業拡大のため成長エンジンとなる分野に投資する格好だ。
セグメント別の状況を以下で説明する。
1. クリクラ事業
クリクラ事業では、ウォーターサーバーを直営と加盟店で展開している。ウォーターサーバーは業界シェアで1位を堅持。加盟店は稼働ベースで500を超し、サーバーとボトルの販売に従事している。
クリクラ事業では水のほか、コーヒーなどの副商材も展開。繁忙期は5〜7月だが、夏場の天候によって売上げが左右されやすい。販促費など費用対効果を重視した結果、このところの利益は上向き傾向だ。2018年3月期は、セグメント構成比で売上高が15%を占め、売上高営業利益率は4.5%となっている。
2. レンタル事業
同社の出発点であるダスキン事業が主力。ダスキンのフランチャイジーとしては、1984年より30年以上、日本一の売上げを継続している。このほか、飲食店向け害虫駆除機を中心としたwith(ウィズ)事業、ビル清掃事業を(株)アーネストが展開。これらは、フランチャイザーで安定した収益源となっている。
最近では、ダスキンの他の加盟店をM&Aして事業を継承するなど、ダスキン事業はさらに拡大する方向にある。単身世帯、共稼ぎ世帯の増加から、家事代行サービスの今後に対する期待が大きい。
2018年3月期のセグメント別の売上高構成比は15%だが、売上高営業利益率は14.7%と全社の中で最も高く、稼ぎ頭でもある。
3. 建築コンサルティング事業
地場工務店向けにシステム販売を行うノウハウ販売事業、太陽光発電システムを中心とした建築部材販売事業、M&Aによって取得した省エネ商材販売も手掛ける施工会社(株)エコ&エコの3本の柱で構成されているセグメントだ。
いずれも住宅に関連するビジネスであり、住宅市況に収益が左右されやすい。2018年3月期の売上高構成比は6%に過ぎないながら、売上高営業利益率が14.4%と高いため、レンタル事業に次ぐ利益の源となっている。
4. 住宅事業
(株)レオハウスを中心に、(株)ジェイウッド、(株)ケイディアイ、(株)suzukuri、(株)国木ハウスの5社で営業活動を行い、いずれも注文住宅を手掛けている。2018年3月末時点で、レオハウスが101拠点、ジェイウッドが10拠点、ケイディアイが3拠点、suzukuriが11拠点、国木ハウスが2拠点で、同社グループ全体で全国127拠点で展開中だ。
1次取得者向けのレオハウス、主に東北で展開するジェイウッド、土地の仕入れも行いアパートも建設するケイディアイ、若年層をターゲットにしたローコスト住宅のsuzukuri、北海道を地盤とする国木ハウス──と、各社とも持ち味を生かし、顧客の獲得に動いている。
2018年3月期の売上高構成比は53%と、最も事業規模が大きいセグメントだが、住宅市況の不振、人件費、資材の高騰などから苦戦を余儀なくされ、住宅事業が回復すれば、さらなる収益アップが期待できるようになる。
5. 美容・健康事業
(株)JIMOS(ジモス)で化粧品販売、M&Aで取得した(株)ベルエアーでサプリメント、健康食品をそれぞれ展開している。
2018年3月期の売上高構成比は11%。利益面で厳しい状況にあったが、広告宣伝費の見直しを行うなど改善策に努めた結果、黒字に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
<MH>
ナック<9788>は、住宅関連、生活関連と多角化展開し、暮らしに関するコングロマリットと言える企業である。クリクラ事業、レンタル事業、建築コンサルティング事業、住宅事業、美容・健康事業の5つの事業でセグメントが構成されており、事業展開としては、クリクラ事業、レンタル事業など安定した収益基盤を構築し、それを事業拡大のため成長エンジンとなる分野に投資する格好だ。
セグメント別の状況を以下で説明する。
1. クリクラ事業
クリクラ事業では、ウォーターサーバーを直営と加盟店で展開している。ウォーターサーバーは業界シェアで1位を堅持。加盟店は稼働ベースで500を超し、サーバーとボトルの販売に従事している。
クリクラ事業では水のほか、コーヒーなどの副商材も展開。繁忙期は5〜7月だが、夏場の天候によって売上げが左右されやすい。販促費など費用対効果を重視した結果、このところの利益は上向き傾向だ。2018年3月期は、セグメント構成比で売上高が15%を占め、売上高営業利益率は4.5%となっている。
2. レンタル事業
同社の出発点であるダスキン事業が主力。ダスキンのフランチャイジーとしては、1984年より30年以上、日本一の売上げを継続している。このほか、飲食店向け害虫駆除機を中心としたwith(ウィズ)事業、ビル清掃事業を(株)アーネストが展開。これらは、フランチャイザーで安定した収益源となっている。
最近では、ダスキンの他の加盟店をM&Aして事業を継承するなど、ダスキン事業はさらに拡大する方向にある。単身世帯、共稼ぎ世帯の増加から、家事代行サービスの今後に対する期待が大きい。
2018年3月期のセグメント別の売上高構成比は15%だが、売上高営業利益率は14.7%と全社の中で最も高く、稼ぎ頭でもある。
3. 建築コンサルティング事業
地場工務店向けにシステム販売を行うノウハウ販売事業、太陽光発電システムを中心とした建築部材販売事業、M&Aによって取得した省エネ商材販売も手掛ける施工会社(株)エコ&エコの3本の柱で構成されているセグメントだ。
いずれも住宅に関連するビジネスであり、住宅市況に収益が左右されやすい。2018年3月期の売上高構成比は6%に過ぎないながら、売上高営業利益率が14.4%と高いため、レンタル事業に次ぐ利益の源となっている。
4. 住宅事業
(株)レオハウスを中心に、(株)ジェイウッド、(株)ケイディアイ、(株)suzukuri、(株)国木ハウスの5社で営業活動を行い、いずれも注文住宅を手掛けている。2018年3月末時点で、レオハウスが101拠点、ジェイウッドが10拠点、ケイディアイが3拠点、suzukuriが11拠点、国木ハウスが2拠点で、同社グループ全体で全国127拠点で展開中だ。
1次取得者向けのレオハウス、主に東北で展開するジェイウッド、土地の仕入れも行いアパートも建設するケイディアイ、若年層をターゲットにしたローコスト住宅のsuzukuri、北海道を地盤とする国木ハウス──と、各社とも持ち味を生かし、顧客の獲得に動いている。
2018年3月期の売上高構成比は53%と、最も事業規模が大きいセグメントだが、住宅市況の不振、人件費、資材の高騰などから苦戦を余儀なくされ、住宅事業が回復すれば、さらなる収益アップが期待できるようになる。
5. 美容・健康事業
(株)JIMOS(ジモス)で化粧品販売、M&Aで取得した(株)ベルエアーでサプリメント、健康食品をそれぞれ展開している。
2018年3月期の売上高構成比は11%。利益面で厳しい状況にあったが、広告宣伝費の見直しを行うなど改善策に努めた結果、黒字に転じた。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)
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