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ナック Research Memo(4):今後の収益を考えるうえで、最大のポイントは住宅事業の立て直し

注目トピックス 日本株
■ナック<9788>の今後の展望・課題

今後の収益を考えるうえで、最大のポイントになるのは住宅事業の立て直しになるだろう。実際、2018年3月期中に膿を出したことで、2019年3月期は採算が改善するため、全体の収益を押し上げる業績見通しとなった。

引き続き2019年3月期も、主力のレオハウスについては不採算店舗の統廃合で固定費削減を進めるほか、人材など経営資源を適切に配分する。また、消費増税が予定通り実施された場合は駆け込みによって繁忙となることが想定されるため、それに合わせた体制構築を急ぐ考えだ。

さらに、ジェイウッドではコミュニティを利用した強固な基盤作り、ケイディアイは首都圏に特化した営業戦略と建築コストの削減、suzukuriは異業種との提携を通じたターゲット層の拡大など、それぞれ施策を打ち出す。いずれにしても、住宅事業の今後がグループ全体の収益アップのカギとなる。ここから1〜2年で上向きが見込めるようになったことに注目したい。

好調なレンタル事業においては、ダスキンの他加盟店のM&A戦略を推進する。フランチャイジーの高齢化で後継難となる加盟店の事業を積極的に引き継ぐ。さらに、トータルケアサービス部門のエリア拡大を図る一方、害虫駆除部門では新規顧客開拓と販売促進キャンペーンを進める。クリクラ事業では、サービス品質の改善を通じたブランド力の向上などに取り組む考えだ。

建築コンサルティング事業では、余剰電力買取制度の2019年終了が注目点となりそうだ。これと、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の標準化に関わる販売促進活動をより進める。さらに、エコ&エコでは建築部材販売部門との連携を強化する。通販事業では、他社とのアライアンスによる商圏拡大、海外市場への本格展開などに取り組む方針だ。

M&Aについては、ダスキン事業のほかにも、それぞれ展開する事業でシナジー効果が見込める案件を狙っていく考えだ。


■株主還元

2018年3月期の配当金は、上期は18円配を実施したものの、減損損失の計上で親会社株主に帰属する当期純損失を計上した下期は無配とした。ただ、2019年3月期については、上期8円、下期26円、年間で34円配を見込んでいる。このように、利益の状況に応じて、今後も株主に還元していく考えだ。


■サイバーセキュリティーについて

同社は、情報システム部を設けており、全社的に情報管理を内部統制し、コントロールしている。事業部ごとに顧客基盤があるが、各事業でそれぞれが協力し、情報の管理を徹底させている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水野 文也)



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