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ブロードリーフ Research Memo(3):自動車整備工場向け専用ソフト等の開発・販売が主力事業

注目トピックス 日本株
■事業概要

ブロードリーフ<3673>の事業は、決算短信ではITサービス事業の単一セグメントとされており、したがって決算短信上はセグメント別の数値は開示されていない。しかし決算説明会等の資料では、システム販売(2017年12月期売上収益比率64.5%)、システムサポート(同6.9%)、ネットワークサービス(同28.5%)の3つの売上分野に分けられている。

1. システム販売(2017年12月期売上収益比率64.5%)
同社の主力事業である自動車整備工場(会社)向けの業務アプリケーションの開発販売、作業分析・最適化ソフトウェアの開発販売、さらに各種ハードウェア(PC本体、プリンター等)の仕入販売などがこの売上分野に含まれる。主要顧客は、売上収益の約85%が全国の自動車修理・整備工場、自動車部品商社や販売店など自動車関連業者で、残りの15%がその他の事業会社(携帯電話販売店、旅行代理店、観光バス会社等)となっている。

基本的な事業形態(モデル)は、主力システムのライセンス料を6年一括リース契約(売上計上)し、その後は毎年ネットワーク利用料(月額)を徴収するようになっている。そのため、ほぼ5年半から6年ごとに更新需要が見込めるが、売上げを一括計上するため、売上高の変動が大きくなる。しかし新しいNSシリーズ(同社の製品名)では少しずつであるが、一部のオプション機能を月額計上する方式に変更しつつあり、これにより、売上高の変動が平準化されている。また近い将来は、後述するようにクラウド化(月額課金)する方向を目指している。

2. システムサポート(同6.9%)
この売上分野はさらに保守とサプライの2つに分けられる。

(1) 保守(同3.1%)
主にシステムを販売した顧客向けに業務アプリケーションやハードウェアの保守サービスを提供する。

(2) サプライ(同3.9%)
業務アプリケーションを利用する際に必要となる帳票類やOAサプライ品などの仕入れ・販売。仕入販売のため、利益率は低い。

3. ネットワークサービス(同28.5%)
この売上分野はさらにストックとトランザクション、その他に分けられる。

(1) ストック(同23.0%)
顧客向けに自動車関連の車両情報や、日々更新される部品関連情報のデータベース提供やネットワーク型システムの利用に必要なサーバー利用料など。単独での計上ではなく、ほとんどが上記のシステム販売に伴って発生する。

(2) トランザクション(同5.2%)
さらにトランザクションは、PSFと受発注に分けられる。前者は、リサイクル部品の在庫情報を共有するリサイクル部品流通ネットワーク「パーツステーションNET」の運営と部品売買取引の決済を代行して手数料を徴収するもので、後者は自動車部品の電子受発注システム「BLパーツオーダーシステム」の提供及び整備事業者等にタブレット型端末「CarpodTab」の提供が含まれる。

(3) その他(同0.4%)
上記以外の商品やサービスの提供など。

4. 特色、競合、強み
同社は基本的にソフトウェア開発会社であるが、手掛ける製品は「自動車修理・整備業界」向けが中心となっている。そのため、同業界に関する多くの知識やノウハウだけでなく、すべての自動車の車種や部品類など多くのデータ(ベース)を有していることは特色であり、強みでもある。この領域には同社を含めて専門業者が多く、大手ITベンダー(例えばNEC<6701>や富士通<6702>等)があまり参入していないのも市場としての特性だろう。

事業モデルの特色として、同社が提供するソフトウェアは売り切りではなく、ライセンス提供であるためほぼ6年ごとに更新需要が見込めることだ。さらに付随して保守契約やネットワーク利用料が毎月徴収される。このため同社の事業は、基本的に利用顧客を積上げていくことが重要であり「ストック型」のビジネスモデルと言える。

同社の顧客(口座)数は約13,000社であるが、2017年12月期に買収したタジマ(推定業界2位)の顧客数約11,000社と合わせると総顧客数は約24,000社となる。顧客層が様々であり、利用するソフトの種類も顧客によって異なるため明白な市場シェアの計算は難しいが、認証整備工場数(全国で約92,000社)をベースとすると、同社の社数ベースシェアは約20〜25%と推定され、業界トップと言える。以下は、DICジャパン(推定顧客数5,000社)、ベースシステム(同2,000社)などが続いている。また同社は比較的大規模システムを得意としているが、2017年12月期に中小業者向けを得意とするタジマを買収したことで、製品ラインアップ及び顧客カバーエリアが拡充した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)



<NB>

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