ALBERT Research Memo(1):期初に掲げた基本戦略が奏効し、再建フェーズが終了
[18/08/29]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■要約
ALBERT<3906>は、日本屈指のデータサイエンスカンパニー※として、「ビッグデータ分析」「分析コンサルティング」「AIアルゴリズム開発とシステム導入」「AIを用いた独自プロダクトの提供」等のデータソリューション事業を展開する。自動車、製造、通信・流通、金融業界を重点産業と位置付け、AIネットワーク化社会の実現に向けた新たな成長戦略として「CATALYST(カタリスト)戦略」を打ち出した。2018年5月にトヨタ自動車<7203>と業務資本提携を締結している(出資比率は5.9%)
※データから価値を創出し、ビジネス課題の解決を実現するプロフェショナル集団。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月〜6月)の売上高は前年同期比35.6%増の615百万円、営業利益は26百万円(前年同期は37百万円の損失)と半期ベースで3年ぶりの黒字化を達成し、期初計画(売上高500百万円、営業損失50百万円)も上回った。期初に掲げた基本戦略(体制の改編、ケーパビリティの確保、重点産業・顧客のスコープ)が順調に進み、ビッグデータ分析等の受注が通信、製造業向けを中心に大きく伸長したことが業績回復の主因となった。2018年6月末のデータサイエンティストは前期末比32名増の107名となっている。
2. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期の業績は売上高で前期比54.8%増の1,350百万円、営業利益で80百万円と期初計画(売上高1,200百万円、営業利益20百万円)を上方修正した。ただ、同計画値は保守的な印象が強い。同社がターゲットとする重点産業・顧客向けの受注拡大が下期以降も見込まれるほか、第2四半期までに新規採用した人員の戦力化も見込まれるためだ。トヨタ自動車向けでは、自動運転技術領域におけるビッグデータ分析等の売上拡大が下期以降予想される。また、2018年8月にはKDDI<9433>との協業も発表。同社の高性能チャットボット「Proactive AI」(プロアクティブ エーアイ)をKDDIが「Proactive AI with KDDI」として法人顧客向けに2018年8月より販売開始している。BtoE(従業員向け)用の業務効率向上ツールとして、主に大企業向けでの導入拡大が期待される。業界全体で不足感が続いているデータサイエンティストの育成についても、新卒や中途社員の採用に加え、協業先である(株)テクノプロとの育成スキームが順調に進んでおり、年間30〜40人ペースでの増加が見込まれる。これらから、当面、売上高は2ケタ成長が続くものと予想される。
3. 成長戦略として「CATALYST戦略」を打ち出す
基本戦略が一定の成果を見せ、収益力の強化が図れたことから、同社は今後の成長戦略として、基本戦略を包含し進化させた「CATALYST戦略」を打ち出した。CATALYSTとは触媒という意味を持つ。今後のAIネットワーク化社会の到来に向け、各産業間でAI・データシェアリングが進むと見られるが、現在は、企業が個々にAI開発を行っているため業界を横断する統合型AIサービスの開発も容易ではない。同社は各業界の重点顧客と強固な関係を構築しながら、データシェアリングを視野に入れたAI開発(共同開発プロダクト含む)を進めることで、統合型AIサービスを低コストかつ短期間で開発し、AIネットワーク化社会の早期実現に貢献するとともに収益成長を加速化していく戦略だ。
■Key Points
・日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして、ビッグデータアナリティクス領域におけるソリューション事業を展開する
・上方修正された2018年12月期業績計画は必達目標で、更なる上積みを目指す印象
・「CATALYST戦略」の推進によりAIネットワーク化社会の実現と非連続的な高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ALBERT<3906>は、日本屈指のデータサイエンスカンパニー※として、「ビッグデータ分析」「分析コンサルティング」「AIアルゴリズム開発とシステム導入」「AIを用いた独自プロダクトの提供」等のデータソリューション事業を展開する。自動車、製造、通信・流通、金融業界を重点産業と位置付け、AIネットワーク化社会の実現に向けた新たな成長戦略として「CATALYST(カタリスト)戦略」を打ち出した。2018年5月にトヨタ自動車<7203>と業務資本提携を締結している(出資比率は5.9%)
※データから価値を創出し、ビジネス課題の解決を実現するプロフェショナル集団。
1. 2018年12月期第2四半期累計業績
2018年12月期第2四半期累計(2018年1月〜6月)の売上高は前年同期比35.6%増の615百万円、営業利益は26百万円(前年同期は37百万円の損失)と半期ベースで3年ぶりの黒字化を達成し、期初計画(売上高500百万円、営業損失50百万円)も上回った。期初に掲げた基本戦略(体制の改編、ケーパビリティの確保、重点産業・顧客のスコープ)が順調に進み、ビッグデータ分析等の受注が通信、製造業向けを中心に大きく伸長したことが業績回復の主因となった。2018年6月末のデータサイエンティストは前期末比32名増の107名となっている。
2. 2018年12月期業績見通し
2018年12月期の業績は売上高で前期比54.8%増の1,350百万円、営業利益で80百万円と期初計画(売上高1,200百万円、営業利益20百万円)を上方修正した。ただ、同計画値は保守的な印象が強い。同社がターゲットとする重点産業・顧客向けの受注拡大が下期以降も見込まれるほか、第2四半期までに新規採用した人員の戦力化も見込まれるためだ。トヨタ自動車向けでは、自動運転技術領域におけるビッグデータ分析等の売上拡大が下期以降予想される。また、2018年8月にはKDDI<9433>との協業も発表。同社の高性能チャットボット「Proactive AI」(プロアクティブ エーアイ)をKDDIが「Proactive AI with KDDI」として法人顧客向けに2018年8月より販売開始している。BtoE(従業員向け)用の業務効率向上ツールとして、主に大企業向けでの導入拡大が期待される。業界全体で不足感が続いているデータサイエンティストの育成についても、新卒や中途社員の採用に加え、協業先である(株)テクノプロとの育成スキームが順調に進んでおり、年間30〜40人ペースでの増加が見込まれる。これらから、当面、売上高は2ケタ成長が続くものと予想される。
3. 成長戦略として「CATALYST戦略」を打ち出す
基本戦略が一定の成果を見せ、収益力の強化が図れたことから、同社は今後の成長戦略として、基本戦略を包含し進化させた「CATALYST戦略」を打ち出した。CATALYSTとは触媒という意味を持つ。今後のAIネットワーク化社会の到来に向け、各産業間でAI・データシェアリングが進むと見られるが、現在は、企業が個々にAI開発を行っているため業界を横断する統合型AIサービスの開発も容易ではない。同社は各業界の重点顧客と強固な関係を構築しながら、データシェアリングを視野に入れたAI開発(共同開発プロダクト含む)を進めることで、統合型AIサービスを低コストかつ短期間で開発し、AIネットワーク化社会の早期実現に貢献するとともに収益成長を加速化していく戦略だ。
■Key Points
・日本屈指のデータサイエンスカンパニーとして、ビッグデータアナリティクス領域におけるソリューション事業を展開する
・上方修正された2018年12月期業績計画は必達目標で、更なる上積みを目指す印象
・「CATALYST戦略」の推進によりAIネットワーク化社会の実現と非連続的な高成長を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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