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サイネックス Research Memo(3):主力の『わが街事典』の収益計上のずれ込みで減収減益

注目トピックス 日本株
■業績動向

サイネックス<2376>の2018年3月期は、売上高12,956百万円(前期比2.6%減)、営業利益513百万円(同36.8%減)、経常利益501百万円(同41.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益321百万円(同42.6%減)と減収減益となった。

同社は2018年3月期第2四半期決算において主力の『わが街事典』の納期のずれ込みにより、売上高、営業利益ともに進捗が遅れた。その後第3四半期までの進捗を踏まえて、2018年2月9日付で通期の業績見通しを下方修正したが、最終的には遅れを一部挽回し、修正予想に対しては売上高、利益ともに上回って着地した。

出版事業の業績は、売上高7,943百万円(前期比0.8%増)、営業利益1,215百万円(同15.8%減)と、微増収ながら減益で着地した。主力商品の『わが街事典』は、東京都新宿区や釧路市等で新たに発行したほか青森市等で再版を発行した。また、神奈川県との間でも、情報発信に関する協定の一環として共同発行を行った。これらの結果、2018年3月期の共同発行数は195となった。この数値は過去の実績との比較では高いレベルに属するが同社の計画に対しては下回り、収益未達の一因となった。50音別電話帳『テレパル50』は例年どおり年間1,000万部の発行部数を計画どおり消化して出版事業の収益のベースを支えた。また、連結子会社のサンマークも順調に計画どおりの進捗となった。

営業利益面で、セグメント利益が減益となったのは『わが街事典』の売上未達の影響が大きいとみられる。2018年3月期の共同発行数は前述のように195と伸びたものの、小規模の自治体との案件が多かったもようだ。そうしたなかで一部の自治体の発行が翌期にずれ込んで売上高を伸ばしきれず、利益も伸び悩み、前期比減益となった。

WEB・ソリューション事業の業績は、売上高2,746百万円(前期比7.5%減)、営業利益25百万円(同40.5%減)と減収減益となった。中核事業であるふるさと納税事務の一括業務代行に関する協定は順調な拡大が続いており、2018年3月期は新たに9市町村と締結して累計の協定締結自治体数は99となった。また、eコマースの『わが街とくさんネット』も順調に推移した。こうしたなかで、ヤフーとの販売提携商品の代理店による取扱い縮小の影響で前期比減収となった。この取引縮小は利益にはプラスに寄与したが、アプリやシステムの開発費用の増加により、セグメント利益は前述のように減益となった。

ロジスティクス事業の業績は、売上高2,230百万円(前期比8.7%減)、営業利益58百万円(同59.3%減)と減収減益となった。郵便発送代行事業、ポスティング事業ともに、積極的に受注拡大及び新規顧客開拓に努めたものの、一部大手クライアントからの受注が減少したため減収減益となった。

不動産事業は2018年3月期から新たに事業セグメントとして独立し、売上高36百万円(前期比469.3%増)、営業利益13百万円(前期比268.7%増)となった。連結子会社であるサンマークの賃貸収入に加え、同社が2018年3月期第2四半期累計期間に取得した京都市東山区、京都市上京区の物件からの賃貸収入が順調に推移した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)



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