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プロパティAG Research Memo(3):2018年3月期は創業以来15期連続の増収増益を達成

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2018年3月期の業績概要
マンション業界においては、2017年度(2017年4月−2018年3月)の首都圏マンション供給戸数が前年度比1.1%アップの3万6,837戸と2013度以来4年ぶりの増加となり、平均価格も同6.9%アップの5,921万円、平方メートル単価も同7.9%アップの86.4万円と6年連続の上昇という状況となった((株)不動産経済研究所調べ)。これは、日本銀行の低金利政策を背景とした購入需要の増加や東京都心エリアでの地価の上昇、2020年東京オリンピック・パラリンピック特需による建築工事費の高騰などが主な要因であると考えられる。

こうした経営環境のなか、プロパティエージェント<3464>では、「IT×都心×不動産」をキーワードに、東京都心エリアに特化した物件開発で新たな価値を創造し、顧客にこの価値を提供することに努めてきた。この結果、2018年3月期の売上高19,219百万円(前期比58.0%増)、営業利益1,391百万円(同24.7%増)、経常利益1,128百万円(同21.0%増)、当期純利益732百万円(同25.5%増)と、創業以来15期連続の増収増益を達成した。同社は、2018年3月15日に前回業績予想(2017年11月6日発表)を増額修正しているが、最終的にはそれをさらに上回る好決算となった。

セグメント別には、不動産開発販売事業では、東京23区の都心エリアでの集中戦略を更に強化し、投資用マンションブランド「クレイシア」シリーズ425戸(前期比18.1%増)、居住用コンパクトマンションブランド「ヴァースクレイシア」シリーズ62戸(同67.6%増)、その他251戸(同10.5倍)を販売したことで、売上高18,597百万円(同60.6%増)、営業利益1,293百万円(同24.2%増)となった。プロパティマネジメント事業は、自社開発物件販売後の管理契約の確実な獲得による管理物件数の増加により、2018年3月期末の賃貸管理戸数は2,599戸(同10.8%増)、建物管理戸数は2,456戸(同33.1%増)となり、また、早期での入居者確保による一部賃料収入の確保や適切なコストマネジメントの実施による生産性の向上に取り組んだ結果、売上高622百万円(同6.7%増)、営業利益98百万円(同31.8%増)となった。

2. 財務状況
2018年3月期末は、順調な販売進捗により販売用不動産が減少した一方、自社開発物件の順調な調達、開発進行により仕掛販売用不動産が増加したことなどから、流動資産は前期末比2,078百万円増加した。また、米国宅配ロボットベンチャー企業への投資により投資その他の資産が増加したことから、固定資産は同131百万円増加した。以上から資産合計は同2,209百万円増の16,859百万円となった。

負債では、建築代金の支払により買掛金が減少した一方、自社開発物件の仕掛数拡大により1年内返済予定の長期借入金が増加したことなどにより、流動負債が前期末比766百万円増加した。一方、自社開発物件の新たな用地仕入にかかる資金を調達したことにより長期借入金が増加したことなどから、固定負債は同747百万円増加した。この結果、負債合計は同1,513百万円増の12,883百万円になった。

純資産合計は、前期末比696百万円増の3,976百万円であった。これは当期純利益の計上により繰越利益剰余金が682百万円増加したことによる。

以上から、2018年3月期末の自己資本比率は23.6%、流動比率も244.3%に上昇し、財務の健全性は向上している。また、ROA(総資産経常利益率)は7.2%と前期並みであったが、ROE(自己資本当期純利益率)も20.2%に上昇し、収益性も向上している。2018年3月期決算短信集計によると、東証1部不動産業の自己資本比率31.01%を下回るが、ROA 4.15%、ROE 8.97%を大きく上回っており、同社の収益性の高さが際立っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)



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