Jトラスト Research Memo(2):アジアの総合金融グループとして利益拡大を目指す
[18/08/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
Jトラスト<8508>は、国内外の金融事業、非金融事業などの事業会社を統括するホールディングカンパニーであり、東証2部に上場している。日本で培ったノウハウを海外展開し、各国の良いところを融合することで、アジアの総合金融グループとして成長を遂げてきた。同社グループでは、今後も日本金融事業をベースに、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業をけん引役として持続的な利益拡大を図りながら、既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指している。
2. 沿革
同社の旧商号は株式会社イッコーで、中小企業及び個人事業主向け商業手形割引や手形貸付などの貸付業務を行っていた。1998年9月には大阪証券取引所市場第2部に上場した。2005年に全国保証<7164>が同社の親会社になったのち、2008年3月に現代表取締役社長の藤澤信義(ふじさわのぶよし)氏がTOBにより筆頭株主となり、2009年には現在の社名Jトラスト株式会社に変更した。藤澤社長のもと、債権回収会社やファイナンス会社などに対して機動的かつ効果的なM&Aを実施した。一方、リスク管理を基本とした事業運営を軸に、外部環境の変化に的確に対応するとともに、迅速な意思決定ができる経営体制を目指した結果、2010年には様々な金融事業のノウハウを有する持株会社制に移行した。
その後、2011年6月に大阪から東京港区に本社を移転し、さらにM&Aを加速した。国内において蓄積したファイナンスノウハウを生かし、2012年には韓国で貯蓄銀行業を開始した。さらに2013年には東南アジアの投資拠点をシンガポールに設立した。2014年3月期から2015年3月期にはライツ・オファリングで調達した97,682百万円を活用し、韓国におけるファイナンス会社や貯蓄銀行、インドネシアの商業銀行などを取得した。2016年3月期以降は、韓国及び東南アジアの銀行業を中心とした資産の積み上げにより収益成長を図っている。
同社はGLへの投資により東南アジアでの金融事業拡大を目指していたが、GLの前CEOが偽計及び不正行為を行ったとして刑事告発されたため、保有するGL株式・転換社債などの決算上の損失処理を進める一方で、GLと係争中である。代わって、2018年4月には、新たにOMFの株式60%の譲渡契約を発表し、韓国に続きインドネシアでも、銀行、債権回収会社、ファイナンスカンパニーの三位一体体制を構築した。加えて、2018年5月には、カンボジア5位の商業銀行のANZRの株式55%を2019年5月までに取得予定であると発表した。
このように数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、2008年3月期の連結従業員81名、総資産121億円、営業収益32億円から、2018年3月期には連結従業員2,509名、総資産6,569億円、営業収益762億円までに拡大している。今後も、成長速度を緩めることなく、継続的に成長を目指す方針である。
3. 事業内容
同社の事業は金融業から非金融事業までの多岐にわたるが、利益面では日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業が中心である。2019年3月期第1四半期のセグメント別営業収益の内訳を見ると、韓国及びモンゴル金融事業が最大の57.0%を占め、東南アジア金融事業17.6%、日本金融事業13.2%、非金融事業(総合エンターテインメント事業と不動産事業の合算)9.3%、投資事業1.5%と続いている。一方、営業利益段階では日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、投資事業の3事業が全利益を稼ぎ、その他の事業の損失をカバーしている。グループにとって特に期待の大きい東南アジア金融事業は、2018年3月期に黒字転換したものの、2019年3月期第1四半期には再び損失を計上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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1. 会社概要
Jトラスト<8508>は、国内外の金融事業、非金融事業などの事業会社を統括するホールディングカンパニーであり、東証2部に上場している。日本で培ったノウハウを海外展開し、各国の良いところを融合することで、アジアの総合金融グループとして成長を遂げてきた。同社グループでは、今後も日本金融事業をベースに、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業をけん引役として持続的な利益拡大を図りながら、既成概念にとらわれないファイナンシャルサービスを提供する企業体を目指している。
2. 沿革
同社の旧商号は株式会社イッコーで、中小企業及び個人事業主向け商業手形割引や手形貸付などの貸付業務を行っていた。1998年9月には大阪証券取引所市場第2部に上場した。2005年に全国保証<7164>が同社の親会社になったのち、2008年3月に現代表取締役社長の藤澤信義(ふじさわのぶよし)氏がTOBにより筆頭株主となり、2009年には現在の社名Jトラスト株式会社に変更した。藤澤社長のもと、債権回収会社やファイナンス会社などに対して機動的かつ効果的なM&Aを実施した。一方、リスク管理を基本とした事業運営を軸に、外部環境の変化に的確に対応するとともに、迅速な意思決定ができる経営体制を目指した結果、2010年には様々な金融事業のノウハウを有する持株会社制に移行した。
その後、2011年6月に大阪から東京港区に本社を移転し、さらにM&Aを加速した。国内において蓄積したファイナンスノウハウを生かし、2012年には韓国で貯蓄銀行業を開始した。さらに2013年には東南アジアの投資拠点をシンガポールに設立した。2014年3月期から2015年3月期にはライツ・オファリングで調達した97,682百万円を活用し、韓国におけるファイナンス会社や貯蓄銀行、インドネシアの商業銀行などを取得した。2016年3月期以降は、韓国及び東南アジアの銀行業を中心とした資産の積み上げにより収益成長を図っている。
同社はGLへの投資により東南アジアでの金融事業拡大を目指していたが、GLの前CEOが偽計及び不正行為を行ったとして刑事告発されたため、保有するGL株式・転換社債などの決算上の損失処理を進める一方で、GLと係争中である。代わって、2018年4月には、新たにOMFの株式60%の譲渡契約を発表し、韓国に続きインドネシアでも、銀行、債権回収会社、ファイナンスカンパニーの三位一体体制を構築した。加えて、2018年5月には、カンボジア5位の商業銀行のANZRの株式55%を2019年5月までに取得予定であると発表した。
このように数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、2008年3月期の連結従業員81名、総資産121億円、営業収益32億円から、2018年3月期には連結従業員2,509名、総資産6,569億円、営業収益762億円までに拡大している。今後も、成長速度を緩めることなく、継続的に成長を目指す方針である。
3. 事業内容
同社の事業は金融業から非金融事業までの多岐にわたるが、利益面では日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業が中心である。2019年3月期第1四半期のセグメント別営業収益の内訳を見ると、韓国及びモンゴル金融事業が最大の57.0%を占め、東南アジア金融事業17.6%、日本金融事業13.2%、非金融事業(総合エンターテインメント事業と不動産事業の合算)9.3%、投資事業1.5%と続いている。一方、営業利益段階では日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、投資事業の3事業が全利益を稼ぎ、その他の事業の損失をカバーしている。グループにとって特に期待の大きい東南アジア金融事業は、2018年3月期に黒字転換したものの、2019年3月期第1四半期には再び損失を計上している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
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