電算システム Research Memo(2):コンビニでの代金決済など収納代行サービスを育成し、2本柱の収益構造を構築
[18/09/05]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 沿革
電算システム<3630>は1967年、岐阜県内の企業の情報処理業務を受託することを目的として、地元企業や地銀の共同出資により株式会社岐阜電子計算センターとして設立された。地方企業ではあるものの技術力と先進的なことに積極的にチャレンジする企業風土とがあいまって、1973年4月には民間企業初の「口座振替サービス」を開始するなど、着実に業容とプレゼンスを高めていった。1977年に、岐阜県外での事業拡大を企図して社名を現社名へと変更した。
同社の創業事業は情報サービス事業であるが、この分野では1982年のPOSオンライン・サービスの開始や1986年の郵便局「ふるさと小包」事業のバックオフィス業務受託など、データ処理だけにとどまることなく事業領域と顧客層の拡大に取り組んできている。1997年には再び全国初のサービスとして、コンビニでの代金決済代行サービスを開始した。これは“払込票決済サービス”として収納代行サービス事業中核の事業へと成長を遂げた。
「情報サービス」と「収納代行サービス」の2つの事業セグメントで構成。ストック型ビジネスが売上高の70%超を占める
2. 事業の概要
同社は「情報サービス」と「収納代行サービス」の2つの事業セグメントから成っている。各セグメントの詳細は後述するが、同社の事業はいわゆるストック型事業の構成比が高いことが特長だ。収納代行サービス事業は全般にストック型ビジネスであり、情報サービス事業においても情報処理サービスはストック型ビジネスと言うことができるだろう。SIやソフト開発は、期ごとの受注獲得の成否に大きく左右されるフロー型ビジネスモデルであるが、ここでもクラウドサービスの着実な拡大に伴い、ストック型ビジネスの構成比が高まりつつある。弊社の分析では同社の全社売上高の70%超がストック型収益モデルのビジネスとなっており、同社が経営目標として掲げる80%超の実現は視野に入っている。
(1) 情報サービスセグメント
情報サービスセグメントは「SI・ソフト開発」、「情報処理サービス」及び「商品販売」の3つのサブセグメントに分けられる。このうちSI・ソフト開発は、顧客の注文に応じて業務システムやネットワークの構築、ソフトウェア開発等を行うのが典型的な業務だが、同社が近年力を入れているクラウドサービスもSI・ソフト開発の中に含まれている。システム構築に際しては、コンピュータ端末やネットワーク機器の販売なども取り扱うことがあり、その売上高は商品販売として計上される。基本的にSI・ソフト開発の事業はフロー型ビジネスに分類されるが、その中でクラウドサービスについてはストック型ビジネスの性格を有している。
情報処理サービスは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用して役務・サービスを提供するものだ。具体的には、顧客データの管理や顧客データに基づいて商品の受注・発送などを行うBPO業務、ホスティングサービスを中心としたデータセンターサービスの提供などがある。情報処理サービスは収入のタイプとしてはいわゆるストック型収入の事業となっている。
(2) 収納代行サービスセグメント
収納代行サービス事業は「決済サービス」と「決済イノベーション」の2つのサブセグメントに分けられる。決済サービスの中核は払込票決済サービスである。これは、コンビニにおいて払込票を用いて通信販売の代金やガス・水道料金、税金等の公共料金を支払うサービスだ。この払込票決済サービスにおける同社のシェアは、銀行系決済サービス会社に次いで第2位のポジションにあるとみられる。コンビニをネットワークする事業基盤は、競合企業の新規参入に対する高い参入障壁となっている。
EC(eコマース)市場の拡大やスマートフォンの普及と利用拡大といった環境変化の中で、紙の払込票を用いた決済が減少することを懸念する向きもあるが、現実には年10%前後の成長が継続している。また、同社自身もスマートフォンアプリを利用した決済サービスなど、新サービスを次々と開発・投入しており、事業環境の変化に機敏に対応している。2018年6月にはPCIDSS準拠の認証を取得し、クレジットカード決済に関連した各種サービスを提供できる体制を整えた(PCIDSS認証についての詳細は後述)。
決済イノベーションは、国際送金、国内送金を扱う“送金サービス”と、“収納代行窓口サービス”の2つから成る。国際送金サービスはコンビニを通じて割安な手数料で小口現金を海外に送金するサービスで、送金件数や登録顧客数が順調に伸びており、黒字化まであと一息という状況にまで成長してきた。収納代行窓口サービスはコンビニ払込票決済サービスと同様のものをスーパーやドラッグストアに導入したものだ。同社が契約店舗を開拓することで、通販業者など同社の顧客企業とその利用者である一般消費者双方の利便性を高め、同社が提供するサービスの魅力度を高めようというものだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 沿革
電算システム<3630>は1967年、岐阜県内の企業の情報処理業務を受託することを目的として、地元企業や地銀の共同出資により株式会社岐阜電子計算センターとして設立された。地方企業ではあるものの技術力と先進的なことに積極的にチャレンジする企業風土とがあいまって、1973年4月には民間企業初の「口座振替サービス」を開始するなど、着実に業容とプレゼンスを高めていった。1977年に、岐阜県外での事業拡大を企図して社名を現社名へと変更した。
同社の創業事業は情報サービス事業であるが、この分野では1982年のPOSオンライン・サービスの開始や1986年の郵便局「ふるさと小包」事業のバックオフィス業務受託など、データ処理だけにとどまることなく事業領域と顧客層の拡大に取り組んできている。1997年には再び全国初のサービスとして、コンビニでの代金決済代行サービスを開始した。これは“払込票決済サービス”として収納代行サービス事業中核の事業へと成長を遂げた。
「情報サービス」と「収納代行サービス」の2つの事業セグメントで構成。ストック型ビジネスが売上高の70%超を占める
2. 事業の概要
同社は「情報サービス」と「収納代行サービス」の2つの事業セグメントから成っている。各セグメントの詳細は後述するが、同社の事業はいわゆるストック型事業の構成比が高いことが特長だ。収納代行サービス事業は全般にストック型ビジネスであり、情報サービス事業においても情報処理サービスはストック型ビジネスと言うことができるだろう。SIやソフト開発は、期ごとの受注獲得の成否に大きく左右されるフロー型ビジネスモデルであるが、ここでもクラウドサービスの着実な拡大に伴い、ストック型ビジネスの構成比が高まりつつある。弊社の分析では同社の全社売上高の70%超がストック型収益モデルのビジネスとなっており、同社が経営目標として掲げる80%超の実現は視野に入っている。
(1) 情報サービスセグメント
情報サービスセグメントは「SI・ソフト開発」、「情報処理サービス」及び「商品販売」の3つのサブセグメントに分けられる。このうちSI・ソフト開発は、顧客の注文に応じて業務システムやネットワークの構築、ソフトウェア開発等を行うのが典型的な業務だが、同社が近年力を入れているクラウドサービスもSI・ソフト開発の中に含まれている。システム構築に際しては、コンピュータ端末やネットワーク機器の販売なども取り扱うことがあり、その売上高は商品販売として計上される。基本的にSI・ソフト開発の事業はフロー型ビジネスに分類されるが、その中でクラウドサービスについてはストック型ビジネスの性格を有している。
情報処理サービスは、同社の情報処理システムや情報処理技術を活用して役務・サービスを提供するものだ。具体的には、顧客データの管理や顧客データに基づいて商品の受注・発送などを行うBPO業務、ホスティングサービスを中心としたデータセンターサービスの提供などがある。情報処理サービスは収入のタイプとしてはいわゆるストック型収入の事業となっている。
(2) 収納代行サービスセグメント
収納代行サービス事業は「決済サービス」と「決済イノベーション」の2つのサブセグメントに分けられる。決済サービスの中核は払込票決済サービスである。これは、コンビニにおいて払込票を用いて通信販売の代金やガス・水道料金、税金等の公共料金を支払うサービスだ。この払込票決済サービスにおける同社のシェアは、銀行系決済サービス会社に次いで第2位のポジションにあるとみられる。コンビニをネットワークする事業基盤は、競合企業の新規参入に対する高い参入障壁となっている。
EC(eコマース)市場の拡大やスマートフォンの普及と利用拡大といった環境変化の中で、紙の払込票を用いた決済が減少することを懸念する向きもあるが、現実には年10%前後の成長が継続している。また、同社自身もスマートフォンアプリを利用した決済サービスなど、新サービスを次々と開発・投入しており、事業環境の変化に機敏に対応している。2018年6月にはPCIDSS準拠の認証を取得し、クレジットカード決済に関連した各種サービスを提供できる体制を整えた(PCIDSS認証についての詳細は後述)。
決済イノベーションは、国際送金、国内送金を扱う“送金サービス”と、“収納代行窓口サービス”の2つから成る。国際送金サービスはコンビニを通じて割安な手数料で小口現金を海外に送金するサービスで、送金件数や登録顧客数が順調に伸びており、黒字化まであと一息という状況にまで成長してきた。収納代行窓口サービスはコンビニ払込票決済サービスと同様のものをスーパーやドラッグストアに導入したものだ。同社が契約店舗を開拓することで、通販業者など同社の顧客企業とその利用者である一般消費者双方の利便性を高め、同社が提供するサービスの魅力度を高めようというものだ。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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