イード Research Memo(2):Webメディア・コンテンツの運営事業とリサーチ・ECソリューション事業が両輪
[18/09/19]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■事業概要
1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業である。(株)インターネット総合研究所の100%子会社として設立された旧(株)アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジー(以下、IRI-CT)が、自動車業界向けのマーケティングリサーチ会社であった旧(株)イード※を2010年に吸収合併、商号を株式会社イードと改称し現在に至っている。M&Aに積極的で、2018年6月末時点の連結子会社は5社となっており、連結従業員数は215名(臨時従業員含む)となっている。
※旧イードは、日産自動車<7201>のデザインセンターから、同社の100%出資で1990年に設立。2001年にマネジメント・バイ・アウト(MBO)により日産自動車から独立し、2005年にIRI-CTの子会社となる。
2. 事業内容
2018年6月期の事業セグメント別構成比を見ると、CMP事業が売上高の82.5%、セグメント利益の82.6%を占める主力事業となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業のインターネット広告や各種データ・コンテンツをサイト利用ユーザーに配信する事業となる。同社の売上げとしては、Webメディア上に掲載するインターネット広告や、EC物販を含むデータ・コンテンツ販売が主なものとなる。このため、いかに広告費等の費用をかけずにWebメディアのPV数を増やしていくことができるかが収益拡大のカギを握ることになる。
同社が運営するWebメディア・コンテンツ数は2018年6月期末時点で20ジャンル52サイトとなっており、自動車やIT、エンターテイメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「レスポンス」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、大手自動車メーカーの経営トップのインタビュー記事を取れるWebメディアとして知られており、運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供する事業となる。リサーチソリューションに関しては、旧イードが日産自動車のデザインセンターから、同社の100%出資で1990年に設立した会社であったこともあり、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで提供しており、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえている。実際のリサーチには、インターネットを活用したリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。一方、ECソリューションでは、BtoC向けのEC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社は、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを運営しているが、効率的な運用を可能とするためのシステムとして「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発している。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現している。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上げUPの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣のこれまでの人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。
2018年6月期末までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは42サイト(うち、10サイトは撤退)で、取得総額は1,235百万円(内訳は、事業取得総額517百万円、出資総額718百万円、撤退サイト含む)となっている。1サイト平均2,942万円で取得した計算で、これまでの取得サイトの平均年間売上高は7,765万円、営業利益は672万円(2017年6月期までの3年間の実績平均)となっている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトはほとんどすべて目標を達成している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SF>
1. 会社概要
イード<6038>は、Webメディア・コンテンツの運営を行うCMP事業と、リサーチ及びECソリューションを提供するCMS事業の2つの事業を展開するコンテンツマーケティング企業である。(株)インターネット総合研究所の100%子会社として設立された旧(株)アイ・アール・アイ コマースアンドテクノロジー(以下、IRI-CT)が、自動車業界向けのマーケティングリサーチ会社であった旧(株)イード※を2010年に吸収合併、商号を株式会社イードと改称し現在に至っている。M&Aに積極的で、2018年6月末時点の連結子会社は5社となっており、連結従業員数は215名(臨時従業員含む)となっている。
※旧イードは、日産自動車<7201>のデザインセンターから、同社の100%出資で1990年に設立。2001年にマネジメント・バイ・アウト(MBO)により日産自動車から独立し、2005年にIRI-CTの子会社となる。
2. 事業内容
2018年6月期の事業セグメント別構成比を見ると、CMP事業が売上高の82.5%、セグメント利益の82.6%を占める主力事業となっている。なお、両事業の連携としては、CMP事業のクライアント企業をCMS事業に紹介し、そのクライアント企業に対してCMS事業のソリューションサービスを提供している。
(1) コンテンツマーケティングプラットフォーム事業(CMP事業)
Webメディア・コンテンツを運営しながら、顧客企業のインターネット広告や各種データ・コンテンツをサイト利用ユーザーに配信する事業となる。同社の売上げとしては、Webメディア上に掲載するインターネット広告や、EC物販を含むデータ・コンテンツ販売が主なものとなる。このため、いかに広告費等の費用をかけずにWebメディアのPV数を増やしていくことができるかが収益拡大のカギを握ることになる。
同社が運営するWebメディア・コンテンツ数は2018年6月期末時点で20ジャンル52サイトとなっており、自動車やIT、エンターテイメント、暮らし、EC分野など幅広いジャンルのWebサイトを運営している。なかでも、自動車分野のWebメディア「レスポンス」は日本最大級の総合自動車ニュースサイトで、大手自動車メーカーの経営トップのインタビュー記事を取れるWebメディアとして知られており、運営するWebメディアの中でも中心的な存在となっている。
(2) コンテンツマーケティングソリューション事業(CMS事業)
顧客企業に対してリサーチソリューションとECソリューションを提供する事業となる。リサーチソリューションに関しては、旧イードが日産自動車のデザインセンターから、同社の100%出資で1990年に設立した会社であったこともあり、自動車向けが売上高の過半を占めている。リサーチ内容は、大規模な定量調査から個人に対する定性調査まで提供しており、マーケティングリサーチ、デザイン関連リサーチ、ユーザビリティ/人間中心設計、海外リサーチをメニューとして取りそろえている。実際のリサーチには、インターネットを活用したリサーチからリアルな行動観察まで幅広い分野をカバーしている。一方、ECソリューションでは、BtoC向けのEC事業者向けにECサイト構築システム「marbleASP」の提供を行っている。
3. 特徴と強み
(1) 「iid-CMP」
同社は、CMP事業において数多くのWebメディアやコンテンツを運営しているが、効率的な運用を可能とするためのシステムとして「iid-CMP」(イード・コンテンツ・マーケティング・プラットフォーム)を自社開発している。「iid-CMP」では主に4つの機能により、Webメディアの早期収益化を実現している。第1に、高い集客機能(SEO施策、SNS対応、Webページ高速表示、スマートフォンを含めた最適なユーザビリティとユーザーエクスペリエンス等)による売上げUPの実現、第2に、ローコストオペレーション(システムの共同利用・CPUリソース分散機能、ポータルサイトへのニュース記事提供フォーマットの共有化、最適なネットワーク広告・アフィリエイト広告の共同運用等)によるコスト最適化、第3に、データベースの蓄積・管理機能(コンテンツにより取得したビッグデータ管理)、第4に、コンテンツマネジメント機能(ニュース記事・写真の投稿、文章校正・類似度チェック)による編集の効率化等である。
(2) M&A戦略
同社はM&AによりWebメディア・コンテンツの取得を積極的に進めている。M&Aについては、経営陣のこれまでの人的ネットワークを主な情報入手ルートとしており、常時5サイト程度を検討している。事業取得する場合は、投資回収期間で5年を目安に計画を策定し、取得後2年以内の黒字化達成を判断基準としている。
2018年6月期末までに資本出資も含めて取得したWebメディア・コンテンツは42サイト(うち、10サイトは撤退)で、取得総額は1,235百万円(内訳は、事業取得総額517百万円、出資総額718百万円、撤退サイト含む)となっている。1サイト平均2,942万円で取得した計算で、これまでの取得サイトの平均年間売上高は7,765万円、営業利益は672万円(2017年6月期までの3年間の実績平均)となっている。「iid-CMP」のプラットフォームを活用することで、これまで手掛けたWebサイトはほとんどすべて目標を達成している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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