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ハウスドゥ Research Memo(6):不動産ファンドや不動産会社・投資家への売却によるオフバランス化で好循環

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2018年6月期の業績概要
(1) 業績概要
ハウスドゥ<3457>の2018年6月期の連結業績は、期初予想を大幅に上回り、過去最高を記録した。売上高は前期比33.7%増の22,517百万円、営業利益が同69.4%増の2,116百万円、経常利益が同73.0%増の1,908百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同73.4%増の1,279百万円の好業績であった。第3四半期時予想比では、売上高が6.4%増、営業利益が1.1%増、経常利益が0.5%増、親会社株主に帰属する当期純利益が2.3%増とほぼ予想値で着地した。同社は、過去3期のいずれも第2四半期の決算発表時までは期初通期予想を据え置き、第3四半期に修正するパターンが見られた。通期の業績は、第3四半期に修正した予想と大差はない。


ストック事業の構成比は、売上高が38.3%、営業利益で60.0%
(2) 事業別動向
持続的成長を目指してストック型ビジネスに経営資源をシフトしている。フランチャイズ事業、ハウス・リースバック事業、不動産金融事業のストック事業の構成比は、売上高が38.3%、営業利益では60.0%を占めた。

a) フランチャイズ事業
フランチャイズ事業の売上高は前期比12.4%増の2,495百万円、営業利益は13.5%増の1,481百万円と2ケタの増収増益を達成した。フランチャイズの累計加盟数は、2018年6月期は前期比16.0%増加し543件となった。過去5年間で2.1倍になった。オープン店舗数は、前期比16.7%増の441店舗であった。

b) ハウス・リースバック事業
ハウス・リースバック事業は、売上高が前期比103.8%増の5,721百万円、営業利益が同132.7%増の769百万円の急成長を成し遂げた。保有物件からの賃料収入が780百万円(前期比48.0%増)、事務手数料等が224百万円(同61.2%増)であった。単独ベースの売却売上高が4,249百万円(同148.0%増)と急拡大した。売却件数は、前期の44件から238件に増加した。元の所有者となる賃借人への再売買や一般市場での処分売却は50件、売上1,176百万円、粗利262百万円、粗利率22.3%であった。一方、不動産ファンドや不動産会社・投資家への売却は188件、売上3,018百万円、粗利572百万円、粗利率が19.0%となり、売却件数、売上・利益ともに大きく押し上げた。

ハウス・リースバック事業は、同社が業界に先駆けて本格的に取り組み、情宣活動に加えてテレビ番組に取り上げられ、問い合わせが急増した。2018年6月期の問い合わせ件数は、前期比34.0%増の9,255件となった。月平均契約件数は、前期の25.3件から29.8件へ伸ばし、物件取得件数は前期の288件に対し300件となった。問い合わせ件数に対する物件取得数の比率が、前期の4.2%から3.3%へ低下しており、優良物件を選別できる状態にある。問い合わせ件数も非常に多く、人員増強を行い、更なる拡大を図るとしている。

c) 不動産金融事業
不動産金融事業の売上高は前期比138.9%増の529百万円、営業利益は同95.8%増の142百万円と急成長中である。不動産担保融資とリバースモーゲージ保証業務の件数は、同112.9%増の264件となった。リバースモーゲージ保証事業の提携金融機関の更なる拡大を促進した。

d) フロー型ビジネス
フロー型ビジネスの代表格となる不動産売買事業は、売上高が前期比25.3%増の8,909百万円、営業利益が同96.0%増の827百万円となった。前年に一部不動産市況の過熱感から安全重視型の姿勢を取ったが、当期は通常型に戻した。不動産売買仲介業を直営店で主として行う不動産流通事業は、売上高が同11.6%増の2,075百万円、営業利益が同28.2%増の478百万円であった。生産性向上により利益率を高めた。フランチャイズ本部として社員育成の体制が整備されているため、若手社員の成長がスムーズに運んだ。リフォーム事業は、現状維持の方針を採っている。売上高は同5.0%増の3,090百万円、営業利益が同36.4%増の289百万円を上げた。新築受注を抑制し、中古+リフォームなどの需要獲得に努めた。クオリティと生産性の向上に取り組み、利益率を改善した。


公募増資により自己資本比率が31.6%に向上
2. 財務状況と経営指標
2018年6月期の総資産は、30,623百万円と前期末比10,350百万円増加した。流動資産の増加額4,211百万円のうち、不動産金融事業の拡大を反映して営業貸付金(+2,721百万円、95.0%増)の増加がおおきかった。販売用不動産と仕掛販売用不動産の合計額は6,545百万円と前期比794百万円、同13.8%増であった。固定資産は、6,128百万円増加したが、ほとんど有形固定資産(+5,350百万円)に起因する。ハウス・リースバック事業の案件増加と(株)京葉ビルドの全株式取得による連結子会社化による。ハウス・リースバック事業にかかわる保有物件総額は、売却額を拡大したこともあり、前期末比961百万円の増加にとどまった。

負債の部は、流動負債が11百万円の減少、固定負債が3,454百万円の増加だった。固定負債の増加は、(株)京葉ビルドの子会社に伴う長期借入金の増加などによる。純資産の部では、2018年6月に公募増資により普通株式119万株を発行し、5,946百万円を調達。2017年10月に発行した優先株式を強制償還し、資本の入れ替えによる、将来の希薄化の可能性を払拭した。この結果財務基盤の強化が図られ、自己資本比率は、前期末の13.7%から31.6%へ大きく向上した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)



<NB>

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