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窪田製薬HD Research Memo(5):研究開発ステージのため当面は損失計上が続く見通し

注目トピックス 日本株
■業績動向

1. 2018年12月期第2四半期累計業績の概要
窪田製薬ホールディングス<4596>の2018年12月期第2四半期累計の連結業績は、事業収益の計上がなく、研究開発費や一般管理費の計上により営業損失で1,488百万円(前年同期は2,070百万円の損失)、税引前損失で1,384百万円(同1,985百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する四半期損失で1,384百万円(同1,985百万円の損失)となり、概ね会社計画通りの進捗となった。なお、為替レートは前年同期の113円/米ドルに対して当第2四半期累計期間は110.5円/米ドルとなっている。

費用の内訳を見ると、研究開発費はエミクススタトの増殖糖尿病網膜症やスターガルト病の研究開発費用が減少したこと、その他コストの削減を進めたことで前年同期比205百万円減少の1,093百万円となり、一般管理費については人員減に伴う人件費の減少(196百万円減)やIFRSへの移行費用及び三角合併関連費用等の減少(115百万円減)などにより同377百万円減の394百万円となった。

2. 2018年12月期の業績見通し
2018年12月期の連結業績は、事業収益の計上予定がなく、営業損失で3,500百万円(前期は3,619百万円の損失)、税引前損失、親会社の所有者に帰属する当期損失でそれぞれ3,370百万円(同3,444百万円の損失)とそれぞれ期初計画を据え置いている(為替前提レートは110円/米ドル)。

事業収益については大手製薬企業等との様々なパートナーシップの可能性を検討し、提携を通じて収益確保を目指していく方針となっている。一方、費用面では研究開発費が若干増加する見通し。スターガルト病の臨床第3相試験やPBOSの臨床試験、その他パイプラインの開発を進めていくことが要因となっている。一方で、一般管理費は継続的にコスト見直しを進めており、人件費や間接費の減少を見込んでいる。

なお、既存の開発パイプラインで最も早く販売承認を得られる可能性があるのはPBOSで2019年を目標としているが、実際に販売が本格化するのは2020年以降になると見られる。また、医薬品の開発パイプラインで販売承認を得られるのは早くて2021年以降となるため、当面は研究開発投資が先行するものと予想される。このため、PBOSやスターガルト病を対象としたエミクススタトの臨床試験の進捗、あるいはオプトジェネティクスの開発動向に注目が集まるものと考えられる。


スターガルト病の開発費用を目的に新株予約権を発行
3. 財務状況と経営指標
2018年12月期第2四半期末の総資産は前期末比1,261百万円減少の12,134百万円となった。主に研究開発投資や間接コストの支払いにより現預金やその他金融資産が減少したことが主因となっている。負債合計は前期末比31百万円増加の460百万円となった。主に未払債務が47百万円増加したことによる。また、資本合計は前期末比1,293百万円減少の11,673百万円となった。新株予約権の行使に伴い資本金及び資本準備金が合計318百万円増加した一方で、親会社の所有者に帰属する四半期損失を1,384百万円計上したこと、並びに為替レートが前期末3円/米ドルの円高になったことで、その他の包括利益が309百万円減少したことが要因となっている。

なお、2018年4月にスターガルト病の臨床第3相試験の費用調達を目的に新株予約権を発行し、7月末までに全体の約24%が行使され360百万円を調達している。残りの潜在株式数は301万株で、下限行使価額(272円)で全てを行使したと仮定すれば、8億円強を調達することになる。新株予約権発行に関するリリースによれば、スターガルト病の第3相臨床試験費用として2020年12月までで20億円強を想定していた。仮に資金調達予定額に達しなくても、手元資金により臨床試験費用を賄っていく予定にしている。2018年6月末時点における手元資金残高は11,599百万円であり、今後のスターガルト病の臨床試験の規模やその他パイプラインの開発動向次第ではあるが、当面の事業活動を行っていくうえでは問題の無い水準にあると判断される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)



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