ダイキアクシス Research Memo(2):コーポレートスローガンは、「PROTECT×CHANGE」
[18/09/27]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 日本株
■会社概要
1. 会社概要
ダイキアクシス<4245>はコーポレートスローガンとして「PROTECT×CHANGE」を揚げ、「環境を守る。未来を変える。」を企業使命とし、環境創造開発型企業として環境機器関連事業、住宅機器関連事業、その他の事業のバランスのとれた成長を志向している。2013年12月に東証2部の化学セクターに新規上場し、翌年に東証1部に指定替えとなった。上場以降、売上高と経常利益は上昇トレンドを維持している。
2017年12月期の事業規模は、売上高が33,561百万円、経常利益が1,342百万円であった。売上高の事業別構成比は、環境機器関連事業が49.0%(うち浄化槽・排水処理システムが47.3%、上水事業が1.7%)、住宅機器関連事業が46.4%(うち建設関連業者等が33.2%、ホームセンターリテール商材が7.6%、住機部門工事が5.7%)、その他の事業が4.6%となった。
2. 沿革
愛媛県松山市でタイルと衛生陶器の販売会社「大亀商事」として1958年に創業した。1964年に前身のダイキ(株)が設立された。1969年にばっ気式浄化槽の生産を開始。1978年からホームセンター事業に乗り出したダイキは、2003年に同業のホーマック(株)、(株)カーマと業務提携をし、経営統合を決めた。2006年に現DCMホールディングス<3050>が設立されたが、それに先立ってダイキはホームセンター以外の業務を受皿会社として設立された(株)ダイキアクシスに譲渡した。その後、同社は現社長の大亀裕(おおがめひろし)氏など経営幹部によるMBO(マネジメント・バイアウト)にて独立したため、同社とダイキとの資本関係はなくなったが、取引関係は続いている。
設立は2005年であるが、1965年にFRP製浄化槽1号機を完成させるなどダイキ時代から数えれば約半世紀にわたり各種排水処理装置の設計・生産・施工・維持管理を行ってきた。住宅機器関連事業におけるTOTO製品の取り扱いは1971年から開始した。商圏を近畿・中国・四国地域に限定しており、大手住宅設備機器メーカーの主要な代理店となっている。また、DCMホールディングスのグループ企業向けにホームセンターリテール商材を供給しているほか、ホームセンター店舗の建築や清掃を含む総合的な店舗管理サービスを提供している。2018年からは、DCMグループの店舗屋根を借り受け、太陽光発電事業を開始した。その他の事業では、「水と環境を中心とした開発型企業」として、より広範囲の環境関連分野に事業領域を拡大している。2002年に開始したバイオディーゼル燃料の精製・販売事業は、2013年に第5回ものづくり日本大賞「四国経済産業局長賞」を受賞した。また、M&Aを活用して小形風力発電機分野や太陽光発電に係る売電事業へ参入している。
3. グループ会社
M&Aにより、環境機器関連事業の強化と新規分野の参入を進めてきた。同社グループは同社と主要子会社12社(国内7社、海外5社)により構成されている。2018年度中に、中国において浄化槽製造の合弁会社を設立し、インドでは子会社を新設して生産に乗り出した。
2005年に環境機器関連事業の(株)ダイテク、(株)環境分析センター、大器環保工程(大連)有限公司をダイキから譲受した。持続的な成長が見込まれる環境機器関連事業では、M&Aにより事業基盤の強化を図っており、2007年に東海エリアを中心に各種水処理施設の設計・施工・販売を行う(株)トーブを買収した。翌年に同エリアで各種水処施設の保守点検に従事している(株)トーセツを買収。同子会社は、2017年1月にトーブに吸収合併された。2011年には、環境プラント事業のレックインダストリーズ(株)を買収した。2018年1月に、(株)DAインベント(愛知県名古屋市)の全株式を65百万円にて取得し、子会社化した。同子会社は、高温・高圧水熱処理、亜臨界装置など複数の特許を保有する。同社の水処理の前と後工程をカバーするため、グループの環境インフラビジネスの事業領域を拡大することが期待される。
海外では、2013年にはインドネシアにおいて浄化槽製造を行う現地企業を買収した。2016年には、東南アジアと南アジアにおける浄化槽などの水処理関連の営業活動及び海外子会社の統括業務を行う子会社をシンガポールに設立した。2018年7月に、インドで浄化槽の製造・販売・施工・維持管理を行う子会社を設立した。同月に、中国に家庭用合併浄化槽の製造・販売を担う合弁会社を設けた。同子会社は、持分法適用関連会社となる。年内に小型浄化槽の生産開始を見込んでいる。
その他の事業では2012年に再生可能エネルギー関連となる小形風力発電機の研究開発、販売・施工を行う(株)シルフィードを買収した。欧米の水平軸方式(プロペラ型)よりも日本の風況に適する垂直軸方式を特徴とする。2016年から3kWタイプの製品を独立電源の用途として販売している。現在各種ニーズに対応するため、系統連系により売電を目的とする10kWタイプや小型の1kWタイプの製品開発を進めている。2017年3月に、後継者不足であった、推進工法を得意とする土木工事会社の(株)DADを買収し、子会社化した。同社の全国土木・建設業者との広範な顧客基盤を活用し、グループ入りしたシナジーを発揮する。同子会社は、松山市近郊6ヶ所に太陽光パネルを設置した売電事業を運営し、安定収益源としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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1. 会社概要
ダイキアクシス<4245>はコーポレートスローガンとして「PROTECT×CHANGE」を揚げ、「環境を守る。未来を変える。」を企業使命とし、環境創造開発型企業として環境機器関連事業、住宅機器関連事業、その他の事業のバランスのとれた成長を志向している。2013年12月に東証2部の化学セクターに新規上場し、翌年に東証1部に指定替えとなった。上場以降、売上高と経常利益は上昇トレンドを維持している。
2017年12月期の事業規模は、売上高が33,561百万円、経常利益が1,342百万円であった。売上高の事業別構成比は、環境機器関連事業が49.0%(うち浄化槽・排水処理システムが47.3%、上水事業が1.7%)、住宅機器関連事業が46.4%(うち建設関連業者等が33.2%、ホームセンターリテール商材が7.6%、住機部門工事が5.7%)、その他の事業が4.6%となった。
2. 沿革
愛媛県松山市でタイルと衛生陶器の販売会社「大亀商事」として1958年に創業した。1964年に前身のダイキ(株)が設立された。1969年にばっ気式浄化槽の生産を開始。1978年からホームセンター事業に乗り出したダイキは、2003年に同業のホーマック(株)、(株)カーマと業務提携をし、経営統合を決めた。2006年に現DCMホールディングス<3050>が設立されたが、それに先立ってダイキはホームセンター以外の業務を受皿会社として設立された(株)ダイキアクシスに譲渡した。その後、同社は現社長の大亀裕(おおがめひろし)氏など経営幹部によるMBO(マネジメント・バイアウト)にて独立したため、同社とダイキとの資本関係はなくなったが、取引関係は続いている。
設立は2005年であるが、1965年にFRP製浄化槽1号機を完成させるなどダイキ時代から数えれば約半世紀にわたり各種排水処理装置の設計・生産・施工・維持管理を行ってきた。住宅機器関連事業におけるTOTO製品の取り扱いは1971年から開始した。商圏を近畿・中国・四国地域に限定しており、大手住宅設備機器メーカーの主要な代理店となっている。また、DCMホールディングスのグループ企業向けにホームセンターリテール商材を供給しているほか、ホームセンター店舗の建築や清掃を含む総合的な店舗管理サービスを提供している。2018年からは、DCMグループの店舗屋根を借り受け、太陽光発電事業を開始した。その他の事業では、「水と環境を中心とした開発型企業」として、より広範囲の環境関連分野に事業領域を拡大している。2002年に開始したバイオディーゼル燃料の精製・販売事業は、2013年に第5回ものづくり日本大賞「四国経済産業局長賞」を受賞した。また、M&Aを活用して小形風力発電機分野や太陽光発電に係る売電事業へ参入している。
3. グループ会社
M&Aにより、環境機器関連事業の強化と新規分野の参入を進めてきた。同社グループは同社と主要子会社12社(国内7社、海外5社)により構成されている。2018年度中に、中国において浄化槽製造の合弁会社を設立し、インドでは子会社を新設して生産に乗り出した。
2005年に環境機器関連事業の(株)ダイテク、(株)環境分析センター、大器環保工程(大連)有限公司をダイキから譲受した。持続的な成長が見込まれる環境機器関連事業では、M&Aにより事業基盤の強化を図っており、2007年に東海エリアを中心に各種水処理施設の設計・施工・販売を行う(株)トーブを買収した。翌年に同エリアで各種水処施設の保守点検に従事している(株)トーセツを買収。同子会社は、2017年1月にトーブに吸収合併された。2011年には、環境プラント事業のレックインダストリーズ(株)を買収した。2018年1月に、(株)DAインベント(愛知県名古屋市)の全株式を65百万円にて取得し、子会社化した。同子会社は、高温・高圧水熱処理、亜臨界装置など複数の特許を保有する。同社の水処理の前と後工程をカバーするため、グループの環境インフラビジネスの事業領域を拡大することが期待される。
海外では、2013年にはインドネシアにおいて浄化槽製造を行う現地企業を買収した。2016年には、東南アジアと南アジアにおける浄化槽などの水処理関連の営業活動及び海外子会社の統括業務を行う子会社をシンガポールに設立した。2018年7月に、インドで浄化槽の製造・販売・施工・維持管理を行う子会社を設立した。同月に、中国に家庭用合併浄化槽の製造・販売を担う合弁会社を設けた。同子会社は、持分法適用関連会社となる。年内に小型浄化槽の生産開始を見込んでいる。
その他の事業では2012年に再生可能エネルギー関連となる小形風力発電機の研究開発、販売・施工を行う(株)シルフィードを買収した。欧米の水平軸方式(プロペラ型)よりも日本の風況に適する垂直軸方式を特徴とする。2016年から3kWタイプの製品を独立電源の用途として販売している。現在各種ニーズに対応するため、系統連系により売電を目的とする10kWタイプや小型の1kWタイプの製品開発を進めている。2017年3月に、後継者不足であった、推進工法を得意とする土木工事会社の(株)DADを買収し、子会社化した。同社の全国土木・建設業者との広範な顧客基盤を活用し、グループ入りしたシナジーを発揮する。同子会社は、松山市近郊6ヶ所に太陽光パネルを設置した売電事業を運営し、安定収益源としている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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